ANAホールディングスの沿革・歴史的証言
1952年〜2025年
ANAホールディングスの1952年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1952 1-12月 | 会社設立 | 日本ヘリコプター輸送株式会社を設立 第2次世界大戦により壊滅した定期航空事業の再興を目的に資本金1億5千万円で設立 | 戦後の民間航空再興の担い手として誕生。後のANAの前身 | |||
1953 1-12月 | ヘリコプターで営業開始、定期航空運送事業免許を取得 5月不定期航空運送事業免許、10月定期航空運送事業免許取得、12月東京-大阪間貨物輸送開始 | ヘリコプターから始まり固定翼機へと移行する航空会社の創成期 | ||||
1955 1-12月 | 設備投資 | ダグラスDC-3型機を導入 | 本格的な旅客輸送への移行を示す固定翼機の導入 | |||
1957 1-12月 | 組織再編 | 社名を全日本空輸株式会社に変更 | 「日本ヘリコプター輸送」から脱却し、総合航空会社としてのアイデンティティを確立 | |||
1958 1-12月 | 組織再編 | 極東航空株式会社と合併 | 路線網の拡大と経営基盤の強化。国内航空業界の再編の一環 | |||
1960 1-12月 | 設備投資 | バイカウント744型機を導入 | ||||
1961 1-12月 | 株式上場 | 東京・大阪証券取引所市場第二部に上場 フレンドシップF-27型機・バイカウント828型機導入、大阪航空ビルディング設立 | 資本市場からの資金調達が可能となり、機材更新・路線拡大の原資を確保 | |||
1963 1-12月 | 組織再編 | 藤田航空株式会社を吸収合併 | ローカル路線網の拡充による国内ネットワークの強化 | |||
1965 1-12月 | 設備投資 | ボーイング727型機を導入 7月にはオリンピアYS-11型機も導入 | ジェット機時代への本格参入 | |||
1969 1-12月 | 設備投資 | ボーイング737型機を導入 | ||||
1970 1-12月 | 全日空商事・全日空整備を設立 | |||||
1971 1-12月 | 国際線不定期便の運航を開始(東京-香港) | 国内専業から国際線への第一歩。後の本格的な国際線展開の起点 | ||||
1972 1-12月 | 株式上場 | 東証・大証の市場第一部に昇格 | 信用力の向上と大型の資金調達が可能に | |||
1973 1-12月 | 設備投資 | ロッキードL-1011型機を導入 | ||||
1974 1-12月 | 日本近距離航空(後のエアーニッポン)を設立 | |||||
1978 1-12月 | 組織再編 | 日本貨物航空を設立、ボーイング747型機を導入 ハローワールド(後のANAあきんど)の株式取得も実施 | 貨物事業への本格参入と大型機導入による輸送力拡大。旅行事業も開始 | |||
FY84 1984/3 | 設備投資 | ボーイング767型機を導入 | ||||
FY86 1986/3 | 国際定期便の運航を開始(東京-グアム) | 1971年の不定期便から15年を経て国際定期路線に参入。JALの独占に風穴を開けた | ||||
FY90 1990/3 | 親子上場 | 全日空ビルディングが大証第2部に上場 | ||||
FY91 1991/3 | ワールドエアーネットワーク(後のエアージャパン)を設立 | |||||
FY92 1992/3 | 売上高 8,751億円 | 当期純利益 74億円 | ||||
FY93 1993/3 | 売上高 8,888億円 | 当期純利益 -12億円 | ||||
FY94 1994/3 | 売上高 8,572億円 | 当期純利益 -94億円 | ||||
FY95 1995/3 | 売上高 9,142億円 | 当期純利益 -75億円 | ||||
FY96 1996/3 | 売上高 9,673億円 | 当期純利益 -86億円 | 設備投資 | ボーイング777型機を導入 | ||
FY97 1997/3 | 売上高 10,217億円 | 当期純利益 43億円 | ||||
FY98 1998/3 | 売上高 10,805億円 | 当期純利益 -54億円 | ||||
FY99 1999/3 | 売上高 10,708億円 | 当期純利益 -47億円 | ||||
FY00 2000/3 | 売上高 12,096億円 | 当期純利益 -152億円 | 組織再編 | スターアライアンスに正式加盟 全日空スカイホリデー設立(旅行サービス部門の分離独立)も実施 | 世界最大の航空アライアンスへの加盟により国際線ネットワークが飛躍的に拡大。コードシェアやマイレージ提携の基盤を構築 | |
FY01 2001/3 | 売上高 12,796億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 403億円 | ||||
FY02 2002/3 | 売上高 12,045億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -95億円 | エアーニッポンネットワーク(後のANAウイングス)を設立 | |||
FY03 2003/3 | 売上高 12,159億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -283億円 | ||||
FY04 2004/3 | 売上高 12,175億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 248億円 | ||||
FY05 2005/3 | 売上高 12,928億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 270億円 | エアーネクスト設立、中日本エアラインサービスを子会社化 | |||
FY06 2006/3 | 売上高 13,687億円 | 当期純利益 267億円 | ||||
FY07 2007/3 | 売上高 14,896億円 | 当期純利益 326億円 | ||||
FY08 2008/3 | 売上高 14,878億円 | 当期純利益 641億円 | ||||
FY09 2009/3 | 売上高 13,925億円 | 当期純損失 -42億円 | 社長交代 | 伊東信一郎が社長に就任 山元峯生から交代 | リーマンショック直前の社長交代 | |
初の純損失を計上 リーマンショックと新型インフルエンザの影響で旅客需要が急減 | 創業以来初の連結純損失。景気後退と感染症リスクの同時顕在化 | |||||
FY10 2010/3 | 売上高 12,283億円 | 当期純損失 -573億円 | 初の営業赤字を計上 リーマンショック後の需要低迷が継続 | 創業以来初の連結営業赤字。売上高は前年比マイナス1,641億円と大幅減少 | ||
FY11 2011/3 | 売上高 13,576億円 | 当期純利益 233億円 | 組織再編 | ホテル事業子会社14社を一括譲渡、グループ子会社を大規模再編 ボーイング767-300BCF導入、OCS連結子会社化、エアージャパン合併、ANAウイングス3社合併、ANAセールス4社合併 | 非中核事業のホテル事業から撤退し航空事業に経営資源を集中。同時にグループ子会社を大幅に統合し効率化 | |
FY12 2012/3 | 売上高 14,115億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 281億円 | エアアジア・ジャパンを設立、ボーイング787型機を導入 | LCC参入の試みとB787導入。エアアジアとの合弁は後に解消しバニラ・エアに転換 | ||
FY13 2013/3 | 売上高 14,835億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 431億円 | 組織再編 | エアーニッポンを吸収合併 | ||
FY14 2014/3 | 売上高 15,701億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 188億円 | 組織再編 | 社名を全日本空輸株式会社に変更 | 「日本ヘリコプター輸送」から脱却し、総合航空会社としてのアイデンティティを確立 | |
FY15 2015/3 | 売上高 17,134億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 392億円 | ||||
FY16 2016/3 | 売上高 17,911億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 781億円 | 社長交代 | 片野坂真哉が社長に就任 伊東信一郎から交代 | 国際線拡大とLCC戦略を推進する体制へ | |
組織再編 | ウィングレットを吸収合併 | |||||
FY17 2017/3 | 売上高 17,652億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 988億円 | エアー沖縄(後のANA沖縄空港)を連結子会社化 | |||
FY18 2018/3 | 売上高 19,717億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,438億円 | 企業買収 | Peach Aviationを連結子会社化 | LCC事業の本格展開。バニラ・エアとの統合でANAグループのLCC戦略を一本化する布石 | |
FY19 2019/3 | 売上高 20,583億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,107億円 | ||||
FY20 2020/3 | 売上高 19,742億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 276億円 | ||||
FY21 2021/3 | 売上高 7,286億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -4,046億円 | コロナ禍で過去最大の営業赤字 新型コロナウイルスによる渡航制限で国際・国内旅客が壊滅的に減少 | 売上高が前年比63%減の7,286億円に激減。公募増資・劣後ローン等で約1兆円を調達し存続を図った | ||
FY22 2022/3 | 売上高 10,203億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -1,436億円 | 組織再編 | ANAセールスをANAあきんどに商号変更、旅行事業をANAXに移管 | ||
2期連続の営業赤字 旅客需要は回復途上も前期比では大幅改善 | 赤字幅は前年の3分の1以下に縮小。回復の兆しが見え始めた | |||||
FY23 2023/3 | 売上高 17,074億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 894億円 | 株式上場 | 東証プライム市場に移行 | ||
社長交代 | 芝田浩二が社長に就任 片野坂真哉から交代 | コロナ危機対応から回復・再成長フェーズへの経営トップ交代 | ||||
経営計画 | 中期経営戦略を発表 2025年度の営業利益目標「2,000億円以上」を掲げる | コロナ後の成長戦略を明示。国際旅客の高イールドと生産量拡大が柱 | ||||
FY24 2024/3 | 売上高 20,559億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,570億円 | 第3ブランドAirJapanの運航を開始 | ANA・Peachに続く第3の航空ブランドとして中距離国際線に参入 | ||
コロナ後初の営業利益2,000億円超を達成 国際旅客のイールド高水準継続とインバウンド需要拡大が寄与 | コロナ前の最高益FY18の1,650億円を大きく上回り過去最高益を更新 | |||||
FY25 2025/3 | 売上高 22,618億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,530億円 |
- 日本ヘリコプター輸送株式会社を設立
第2次世界大戦により壊滅した定期航空事業の再興を目的に資本金1億5千万円で設立
戦後の民間航空再興の担い手として誕生。後のANAの前身 - ヘリコプターで営業開始、定期航空運送事業免許を取得
5月不定期航空運送事業免許、10月定期航空運送事業免許取得、12月東京-大阪間貨物輸送開始
ヘリコプターから始まり固定翼機へと移行する航空会社の創成期 - ダグラスDC-3型機を導入本格的な旅客輸送への移行を示す固定翼機の導入
- 社名を全日本空輸株式会社に変更「日本ヘリコプター輸送」から脱却し、総合航空会社としてのアイデンティティを確立
- 極東航空株式会社と合併路線網の拡大と経営基盤の強化。国内航空業界の再編の一環
- バイカウント744型機を導入
- 東京・大阪証券取引所市場第二部に上場
フレンドシップF-27型機・バイカウント828型機導入、大阪航空ビルディング設立
資本市場からの資金調達が可能となり、機材更新・路線拡大の原資を確保 - 藤田航空株式会社を吸収合併ローカル路線網の拡充による国内ネットワークの強化
- ボーイング727型機を導入
7月にはオリンピアYS-11型機も導入
ジェット機時代への本格参入 - ボーイング737型機を導入
- 全日空商事・全日空整備を設立
- 国際線不定期便の運航を開始(東京-香港)国内専業から国際線への第一歩。後の本格的な国際線展開の起点
- 東証・大証の市場第一部に昇格信用力の向上と大型の資金調達が可能に
- ロッキードL-1011型機を導入
- 日本近距離航空(後のエアーニッポン)を設立
- 日本貨物航空を設立、ボーイング747型機を導入
ハローワールド(後のANAあきんど)の株式取得も実施
貨物事業への本格参入と大型機導入による輸送力拡大。旅行事業も開始 - ボーイング767型機を導入
- 国際定期便の運航を開始(東京-グアム)1971年の不定期便から15年を経て国際定期路線に参入。JALの独占に風穴を開けた
- 全日空ビルディングが大証第2部に上場
- ワールドエアーネットワーク(後のエアージャパン)を設立
- ボーイング777型機を導入
- スターアライアンスに正式加盟
全日空スカイホリデー設立(旅行サービス部門の分離独立)も実施
世界最大の航空アライアンスへの加盟により国際線ネットワークが飛躍的に拡大。コードシェアやマイレージ提携の基盤を構築 - エアーニッポンネットワーク(後のANAウイングス)を設立
- エアーネクスト設立、中日本エアラインサービスを子会社化
- 伊東信一郎が社長に就任
山元峯生から交代
リーマンショック直前の社長交代 - 初の純損失を計上
リーマンショックと新型インフルエンザの影響で旅客需要が急減
創業以来初の連結純損失。景気後退と感染症リスクの同時顕在化 - 初の営業赤字を計上
リーマンショック後の需要低迷が継続
創業以来初の連結営業赤字。売上高は前年比マイナス1,641億円と大幅減少 - ホテル事業子会社14社を一括譲渡、グループ子会社を大規模再編
ボーイング767-300BCF導入、OCS連結子会社化、エアージャパン合併、ANAウイングス3社合併、ANAセールス4社合併
非中核事業のホテル事業から撤退し航空事業に経営資源を集中。同時にグループ子会社を大幅に統合し効率化 - エアアジア・ジャパンを設立、ボーイング787型機を導入LCC参入の試みとB787導入。エアアジアとの合弁は後に解消しバニラ・エアに転換
- エアーニッポンを吸収合併
- 社名を全日本空輸株式会社に変更「日本ヘリコプター輸送」から脱却し、総合航空会社としてのアイデンティティを確立
- 片野坂真哉が社長に就任
伊東信一郎から交代
国際線拡大とLCC戦略を推進する体制へ - ウィングレットを吸収合併
- エアー沖縄(後のANA沖縄空港)を連結子会社化
- Peach Aviationを連結子会社化LCC事業の本格展開。バニラ・エアとの統合でANAグループのLCC戦略を一本化する布石
- コロナ禍で過去最大の営業赤字
新型コロナウイルスによる渡航制限で国際・国内旅客が壊滅的に減少
売上高が前年比63%減の7,286億円に激減。公募増資・劣後ローン等で約1兆円を調達し存続を図った - ANAセールスをANAあきんどに商号変更、旅行事業をANAXに移管
- 2期連続の営業赤字
旅客需要は回復途上も前期比では大幅改善
赤字幅は前年の3分の1以下に縮小。回復の兆しが見え始めた - 東証プライム市場に移行
- 芝田浩二が社長に就任
片野坂真哉から交代
コロナ危機対応から回復・再成長フェーズへの経営トップ交代 - 中期経営戦略を発表
2025年度の営業利益目標「2,000億円以上」を掲げる
コロナ後の成長戦略を明示。国際旅客の高イールドと生産量拡大が柱 - 第3ブランドAirJapanの運航を開始ANA・Peachに続く第3の航空ブランドとして中距離国際線に参入
- コロナ後初の営業利益2,000億円超を達成
国際旅客のイールド高水準継続とインバウンド需要拡大が寄与
コロナ前の最高益FY18の1,650億円を大きく上回り過去最高益を更新
歴史的証言
日経ビジネス(業界評)
国内航空路線の『ドル箱』東京〜大阪の旅客が、国鉄新幹線に食われて激減し、航空界は『空のピンチ』に追い込まれている
日本経済新聞(規制改革骨子の報道)
日本航空が事実上独占している国際線の運航を他社に認める
日経産業新聞(業界評)
『東洋の巨人』と言われながら、国内線運航に甘んじてきた全日本空輸が3月3日、成田-グアム線に就航し、わが国の国際線複数社体制が幕を開ける
中村大造(全日空社長)
よく、全日空はどの線をやろうとしているのかと聞かれるのですが、ボクはワールドワイドにやるんだ、と答えているんです。これは本心ですよ。従来のような東アジアへというケチなことは考えない
参考文献・出所
有価証券報告書
日経ビジネス 1977/9/12
日本経済新聞 1985/11/17
日経産業新聞 1986/3/3
日経新聞 2010/1/5
日経新聞 2016/4/27
日経ビジネス 2020/4/10
決算説明会 FY22
決算説明会 FY23
決算説明会 FY24-1Q
日経ビジネス 2023/4/14