三菱電機の沿革・歴史的証言

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1921年〜2025

三菱電機の1921年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言

年度売上高純利益年月区分出来事歴史的意義
1921
1-12月
会社設立
三菱電機株式会社を創立
三菱造船神戸造船所の電機製作所を継承し神戸製作所を新設。変圧器・電動機・扇風機等
日本の重電産業を担う専業会社としての始動
1923
1-12月
組織再編
長崎工場を新設
三菱造船長崎造船所電機工場の経営委託を受ける。タービン発電機・船舶用直流機等
大型重電機器の生産体制確立
1924
1-12月
組織再編
名古屋製作所を新設
汎用誘導電動機・標準電機品・家庭用電気機器
1940
1-12月
組織再編
大阪工場(現伊丹製作所)を新設
神戸製作所より無線機・精機工場移転
1943
1-12月
組織再編
福山・中津川工場を新設
4月に郡山工場、6月に和歌山工場も新設
戦時経済下の生産拠点分散
1949
1-12月
株式上場
東京証券取引所に株式を上場
1954
1-12月
組織再編
静岡工場を新設
冷蔵庫・エアコン等民需用冷機の専門工場
戦後民生機器への本格参入
1959
1-12月
組織再編
北伊丹工場を新設
半導体量産専門工場
半導体事業の礎、後のパワーデバイス事業の発祥地
1960
1-12月
組織再編
鎌倉製作所を新設
無線・電子応用機器及び電子計算機等エレクトロニクス主力工場
後に宇宙・防衛分野の中核拠点となる
1962
1-12月
三菱プレシジョンを設立
ジェネラルプレシジョン社との合弁、航法装置シミュレーター
1964
1-12月
組織再編
稲沢製作所を新設
昇降機の専門工場
エレベーター事業の拠点
1972
1-12月
組織再編
赤穂工場を新設
大型変圧器専門工場
1973
1-12月
米国に三菱電機アメリカ社を設立
現三菱電機US社
米国市場への直接展開の起点
1977
1-12月
組織再編
事業本部制を導入
重電・電子・機器・商品の4事業本部
縦割り総合電機体制の確立
シンガポールにメルコ・セールス・シンガポール社を設立
現三菱電機アジア社
1978
1-12月
台湾三菱電機股份有限公司を設立
FY82
1982/3
組織再編
北伊丹製作所福岡半導体工場を新設
現パワーデバイス製作所
後にHVDC・鉄道用パワー半導体の中核となる拠点
FY84
1984/3
組織再編
事業本部を6本部体制に再編
機電・商品・電子システム・電子計算機・電子デバイス・海外
FY90
1990/3
組織再編
自動車機器事業本部を新設
自動車向け電装品事業の格上げ
FY92
1992/3
売上高
33,433億円
当期純利益
361億円
FY93
1993/3
売上高
32,603億円
当期純利益
285億円
FY94
1994/3
売上高
31,054億円
当期純利益
207億円
組織再編
9事業本部体制に再編
電力工業システム・社会システム・電子システム・情報通信システム・映像情報・住環境・FAシステム・自動車機器・半導体
FY95
1995/3
売上高
32,509億円
当期純利益
421億円
FY96
1996/3
売上高
35,114億円
当期純利益
592億円
FY97
1997/3
売上高
37,252億円
当期純利益
85億円
FY98
1998/3
売上高
38,013億円
当期純利益
-1,059億円
FY99
1999/3
売上高
37,941億円
当期純利益
-445億円
FY00
2000/3
売上高
37,742億円
当期純利益
248億円
組織再編
家電業界初のリサイクルプラントを稼働
現ハイパーサイクルシステムズ
FY01
2001/3
売上高
41,295億円
当期純利益
1,248億円
三菱日立ホームエレベーターを設立
日立製作所との合弁
FY02
2002/3
売上高
36,489億円
経営計画
「Changes for the Better」をコーポレートステートメントとして制定
選択と集中への方針転換を象徴するブランド再定義
FY03
2003/3
売上高
36,390億円
米国に持株会社三菱電機USホールディングス社を設立
FY04
2004/3
売上高
33,096億円
組織再編
委員会等設置会社へ移行
現指名委員会等設置会社
総合電機大手の中で早期のガバナンス改革
東芝三菱電機産業システムを設立
東芝との合弁、製造業プラント向け電機設備事業。現TMEIC
産業用電機設備事業で東芝と統合
FY05
2005/3
売上高
34,106億円
FY06
2006/3
売上高
36,041億円
当期純利益
956億円
FY07
2007/3
売上高
38,557億円
当期純利益
1,230億円
FY08
2008/3
売上高
40,498億円
当期純利益
1,579億円
FY09
2009/3
売上高
36,651億円
当期純利益
121億円
FY10
2010/3
売上高
33,532億円
親会社株主に帰属する当期純利益
282億円
社長交代
山西健一郎が執行役社長に就任
前任は下村節宏(FY08まで在任)
FY11
2011/3
売上高
36,453億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,245億円
インドに三菱電機インド社を設立
総合販売会社
FY12
2012/3
売上高
36,394億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,120億円
FY13
2013/3
売上高
35,671億円
親会社株主に帰属する当期純利益
695億円
FY14
2014/3
売上高
40,543億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,534億円
社長交代
柵山正樹が執行役社長に就任
FY15
2015/3
売上高
43,230億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,346億円
FY16
2016/3
売上高
43,943億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,284億円
企業買収
イタリアのデルクリマ社を完全子会社化
業務用空調事業会社。現三菱電機ハイドロニクス&アイティークーリングシステムズ社
欧州の業務用空調(アプライド)事業に本格参入
FY17
2017/3
売上高
42,386億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,104億円
FY18
2018/3
売上高
44,444億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,557億円
社長交代
杉山武史が執行役社長に就任
FY19
2019/3
売上高
45,199億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,266億円
FY20
2020/3
売上高
44,625億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,218億円
FY21
2021/3
売上高
41,914億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,931億円
FY22
2022/3
売上高
44,767億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,034億円
鉄道車両向け空調機器等の品質不正が発覚
長崎製作所で架空検査が長期間行われていた問題が表面化
全社的な品質問題として経営責任問題に発展、社長辞任の契機
社長交代
漆間啓が執行役社長に就任
杉山武史は品質不正を受けて辞任
品質危機からの改革を託された緊急登板
組織再編
品質改革推進本部を新設
品質不正を受けた組織改革の柱
FY23
2023/3
売上高
50,036億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,139億円
組織再編
4つのビジネスエリア(BA)を設定
インフラ・インダストリー/モビリティ・ライフ・ビジネスプラットフォーム。ビルシステム事業を三菱電機ビルソリューションズに承継
縦割り事業本部制から横断的BA経営体制への転換
FY24
2024/3
売上高
52,579億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,849億円
組織再編
ビジネス・プラットフォームBAを分割
ビジネス・プラットフォームBAと半導体・デバイス事業本部に分離。電子システム事業本部を防衛・宇宙システム事業本部に改称
半導体・防衛宇宙の事業特性に応じた独立化
FY25
2025/3
売上高
55,217億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,240億円
組織再編
自動車機器事業を分社化し三菱電機モビリティを設立
三菱重工業と発電機事業合弁の三菱ジェネレーターも設立
自動車機器事業を独立化し将来の最適体制検討の布石
2024年度通期で過去最高益を達成
売上収益5兆5,217億円、営業利益3,918億円
品質不正後の業績回復を数字で確認した節目
組織再編
デジタルイノベーション事業本部を新設し分社化
三菱電機デジタルイノベーションを設立、情報システム・サービス子会社3社と統合
デジタル・サービス事業の独立化
経営計画
IR Dayで「循環型デジタル・エンジニアリング企業」構想とM&A1兆円枠を発表
価値再獲得事業1.9兆円の終息・継続判断と3年以内の1兆円M&A投資枠を同時に提示
従来のオーガニック成長中心から非連続成長へ戦略転換
組織再編
ネクストステージ支援制度で2,378人が応募
対象1万人の約4分の1。当社単独、国内関係会社分含め通期費用約1,000億円
総合電機大手としては数年ぶりの大型早期退職、人件費約500億円の削減効果を見込む
  1. 会社設立
    三菱電機株式会社を創立

    三菱造船神戸造船所の電機製作所を継承し神戸製作所を新設。変圧器・電動機・扇風機等

    日本の重電産業を担う専業会社としての始動
  2. 組織再編
    長崎工場を新設

    三菱造船長崎造船所電機工場の経営委託を受ける。タービン発電機・船舶用直流機等

    大型重電機器の生産体制確立
  3. 組織再編
    名古屋製作所を新設

    汎用誘導電動機・標準電機品・家庭用電気機器

  4. 組織再編
    大阪工場(現伊丹製作所)を新設

    神戸製作所より無線機・精機工場移転

  5. 組織再編
    福山・中津川工場を新設

    4月に郡山工場、6月に和歌山工場も新設

    戦時経済下の生産拠点分散
  6. 株式上場
    東京証券取引所に株式を上場
  7. 組織再編
    静岡工場を新設

    冷蔵庫・エアコン等民需用冷機の専門工場

    戦後民生機器への本格参入
  8. 組織再編
    北伊丹工場を新設

    半導体量産専門工場

    半導体事業の礎、後のパワーデバイス事業の発祥地
  9. 組織再編
    鎌倉製作所を新設

    無線・電子応用機器及び電子計算機等エレクトロニクス主力工場

    後に宇宙・防衛分野の中核拠点となる
  10. 三菱プレシジョンを設立

    ジェネラルプレシジョン社との合弁、航法装置シミュレーター

  11. 組織再編
    稲沢製作所を新設

    昇降機の専門工場

    エレベーター事業の拠点
  12. 組織再編
    赤穂工場を新設

    大型変圧器専門工場

  13. 米国に三菱電機アメリカ社を設立

    現三菱電機US社

    米国市場への直接展開の起点
  14. 組織再編
    事業本部制を導入

    重電・電子・機器・商品の4事業本部

    縦割り総合電機体制の確立
  15. シンガポールにメルコ・セールス・シンガポール社を設立

    現三菱電機アジア社

  16. 台湾三菱電機股份有限公司を設立
  17. 組織再編
    北伊丹製作所福岡半導体工場を新設

    現パワーデバイス製作所

    後にHVDC・鉄道用パワー半導体の中核となる拠点
  18. 組織再編
    事業本部を6本部体制に再編

    機電・商品・電子システム・電子計算機・電子デバイス・海外

  19. 組織再編
    自動車機器事業本部を新設
    自動車向け電装品事業の格上げ
  20. 組織再編
    9事業本部体制に再編

    電力工業システム・社会システム・電子システム・情報通信システム・映像情報・住環境・FAシステム・自動車機器・半導体

  21. 組織再編
    家電業界初のリサイクルプラントを稼働

    現ハイパーサイクルシステムズ

  22. 三菱日立ホームエレベーターを設立

    日立製作所との合弁

  23. 経営計画
    「Changes for the Better」をコーポレートステートメントとして制定
    選択と集中への方針転換を象徴するブランド再定義
  24. 米国に持株会社三菱電機USホールディングス社を設立
  25. 組織再編
    委員会等設置会社へ移行

    現指名委員会等設置会社

    総合電機大手の中で早期のガバナンス改革
  26. 東芝三菱電機産業システムを設立

    東芝との合弁、製造業プラント向け電機設備事業。現TMEIC

    産業用電機設備事業で東芝と統合
  27. 社長交代
    山西健一郎が執行役社長に就任

    前任は下村節宏(FY08まで在任)

  28. インドに三菱電機インド社を設立

    総合販売会社

  29. 社長交代
    柵山正樹が執行役社長に就任
  30. 企業買収
    イタリアのデルクリマ社を完全子会社化

    業務用空調事業会社。現三菱電機ハイドロニクス&アイティークーリングシステムズ社

    欧州の業務用空調(アプライド)事業に本格参入
  31. 社長交代
    杉山武史が執行役社長に就任
  32. 鉄道車両向け空調機器等の品質不正が発覚

    長崎製作所で架空検査が長期間行われていた問題が表面化

    全社的な品質問題として経営責任問題に発展、社長辞任の契機
  33. 社長交代
    漆間啓が執行役社長に就任

    杉山武史は品質不正を受けて辞任

    品質危機からの改革を託された緊急登板
  34. 組織再編
    品質改革推進本部を新設
    品質不正を受けた組織改革の柱
  35. 組織再編
    4つのビジネスエリア(BA)を設定

    インフラ・インダストリー/モビリティ・ライフ・ビジネスプラットフォーム。ビルシステム事業を三菱電機ビルソリューションズに承継

    縦割り事業本部制から横断的BA経営体制への転換
  36. 組織再編
    ビジネス・プラットフォームBAを分割

    ビジネス・プラットフォームBAと半導体・デバイス事業本部に分離。電子システム事業本部を防衛・宇宙システム事業本部に改称

    半導体・防衛宇宙の事業特性に応じた独立化
  37. 組織再編
    自動車機器事業を分社化し三菱電機モビリティを設立

    三菱重工業と発電機事業合弁の三菱ジェネレーターも設立

    自動車機器事業を独立化し将来の最適体制検討の布石
  38. 2024年度通期で過去最高益を達成

    売上収益5兆5,217億円、営業利益3,918億円

    品質不正後の業績回復を数字で確認した節目
  39. 組織再編
    デジタルイノベーション事業本部を新設し分社化

    三菱電機デジタルイノベーションを設立、情報システム・サービス子会社3社と統合

    デジタル・サービス事業の独立化
  40. 経営計画
    IR Dayで「循環型デジタル・エンジニアリング企業」構想とM&A1兆円枠を発表

    価値再獲得事業1.9兆円の終息・継続判断と3年以内の1兆円M&A投資枠を同時に提示

    従来のオーガニック成長中心から非連続成長へ戦略転換
  41. 組織再編
    ネクストステージ支援制度で2,378人が応募

    対象1万人の約4分の1。当社単独、国内関係会社分含め通期費用約1,000億円

    総合電機大手としては数年ぶりの大型早期退職、人件費約500億円の削減効果を見込む

歴史的証言

野田経済記者評
今後WH社に支払うロイヤリティー(1年目25万ドル、2年目30万ドル、3年目40万ドル、4年目以降売上の3%)の負担が加わるが、一方数年にわたるWH社の技術の蓄積を導入することによって、品質やコストの面に受けるプラスの方がはるかに大きいとみられる
実業の世界記者評
最近の躍進は目覚ましく、毎期増産に次ぐ増産をもって大躍進を続けている/前年同期にくらべ、売り上げでは16%、利益金においては35%という大幅増加。売り上げ、利益ともに三菱電機創業以来の最高記録
産業と経済記者評
長い電化ブームも終わりを告げた。さしの三菱電機もこの不況には抗しきれず、業績はじり貧続き。配当も減配に次ぐ減配。1965年9月記には内部留保を取り崩して、かろうじて無配転落を免れるという有様
週刊東洋経済記者評
重電の内需が停滞する中で海外事業部は中近東を中心にプラント輸出拡大に努力してきた。そして昨1976年度は前年の倍近い1112億円の受注(輸出総受注の64%)を獲得するほどにのし上がっていった
某ライバルメーカー
三菱の半導体は気にならない
天野順介(三菱電機・半導体事業部長)
市場が急速に変化し、重電や家電の伸びが鈍った半面、電子機器が目をみはる成長を示している。これら最も成長の見込める部門に人や資源を集中的に投入しようというのが今回の組織改正のねらいだ
進藤貞和
西条工場は大切な顧客である四国電力の山口恒則会長の要請によるものだ/人間が月に行く時代に塩ぐらい防げないわけはない
北岡隆
昔は重電が本流で、家電とかコンピューターなんてやったら出世できないという迷信がありました
北岡隆
事業を全部一流のものにする、一流になれないものを切り捨てるという、ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチの考え方は極めて有効だと思います/事業本部の中でトップシェアになり得るものにまず着目して、それを伸ばす。そうでないものはやめる
北岡隆
今は人が多すぎるんです。売上高2.5兆円に対して5万人はちょっと贅沢すぎます
日経新聞記者評
日本の半導体産業は得意分野に的を絞る『選択の時代』に入った

参考文献・出所

三菱電機 有価証券報告書
日経ビジネス 2022/03/10
野田経済 1951/05
実業の世界 1959/12
産業と経済 1967/10
週刊東洋経済 1977/10/15
日経新聞連載(私の履歴書・進藤貞和) 1986/07
日経ビジネス 1994/03/21
日経新聞 1998/02/17
三菱電機 IR Day 2025
三菱電機 決算説明会 FY25-3Q