沿革年表 1888〜2026年における重要度別の出来事(合計41件)

年月区分社長/CEO出来事年度売上高純利益
家業でヨード製造を開始
歴史的意義yutaka sugiura
鈴木家のヨード製造は家計再建という生存課題から出発しながら、東京帝国大学教授・長井長義の技術助言により製薬事業へと発展した。地方の家内工業に大学研究者が関与する当時としては異例の構造が、鈴木製薬所の技術水準を引き上げ、後に味の素事業の資金基盤を形成した。事業戦略ではなく家計の必要性が起点となった点に、創業期の経路依存としての特徴がある。
1888
1-12月
重要事項
味の素の販売開始
歴史的意義yutaka sugiura
池田菊苗の発明は当時の先端研究であったが、大企業は製造リスクと市場の不確実性を理由に事業化を見送った。結果として工業化を担ったのは葉山でヨード製薬を営む鈴木三郎助であり、既存事業とのリスク分離、段階的な市場検証、特許料の成果連動型契約といった事業設計で不確実性に対処した。先端技術の事業化が大企業ではなく中小事業者により実現された点に、味の素創業の構造的特徴がある。
1909
1-12月
合資会社鈴木商店の発足
-
1912
1-12月
重要事項
川崎工場の新設
歴史的意義yutaka sugiura
川崎工場への移転は塩酸ガス問題の根本解決ではなく、工業地帯への立地変更による操業継続という対処策であった。技術的解決が見通せない段階で事業を止めるのではなく、立地条件によって操業を維持しながら製法改善を待つ時間を確保した判断である。結果として問題の根本解消には20年を要したが、その間の生産継続が味の素の市場浸透と販路拡大を可能にした。
1914
1-12月
東洋紡績に澱粉糊の納入を開始
味の素の生産工程で発生する副産物(澱粉)について、紡績会社への販売を開始。産業用途向けのBtoB事業を本格化した。
1917
1-12月
全国に特約店網を整備
歴史的意義yutaka sugiura
味の素の特約店網は販売先廃業という危機対応から出発しながら、結果として後発企業の参入を阻む構造的障壁を形成した。地域ごとの有力商店を押さえ、価格と流通量を統制する重層的な仕組みは、川崎工場の量産体制と結びつくことで効果を発揮した。後発メーカーは生産能力を有していても販売網の構築に時間を要し、味の素が形成した国内シェアを短期間で切り崩すことはできなかった。
1920
1-12月
「味の素本舗株式会社鈴木商店」に商号変更
1932
1-12月
食品事業で多角化
1935
1-12月
味の素株式会社に商号変更
1946
1-12月
東京証券取引所に株式上場
FY50
1950/3
アミノ酸事業に参入
FY56
1956/3
協和発酵とMSGの全量買取契約を締結
歴史的意義yutaka sugiura
協和発酵の直接発酵法に対し、味の素は技術訴訟や市場分断ではなく全量買取契約という協調的手段を選択した。山本為三郎の仲介を経て締結されたこの契約は、味の素が販売網を維持しつつ協和発酵に生産拡大の見通しを与える設計であった。競争を排他的に処理せずクロスライセンスに発展させた一連の交渉は、技術転換期における市場秩序の維持手法として構造的な特徴を持つ。
FY57
1957/3
海外進出を本格化
1960年代、味の素は国内MSGで高シェアを保つ一方、発酵法普及で技術差が縮小し国内のみでは成長に限界が見え始めた。アジア・中南米では人口増と食生活変化で需要拡大が見込まれ、為替や物流リスクを避けるため現地生産が必要となった。そこで1960年タイ進出を皮切りに、1962年ブラジル生産を開始し現地原料でMSG製造体制を構築。発酵法と量産・品質管理ノウハウを活かし、海外事業拡大の基盤を築いた。
輸出型から現地生産型への転換が海外事業の基盤を形成
FY61
1961/3
四日市工場を新設
四日市工場は、味の素がグルタミン酸ソーダ(MSG)を中心とする発酵・化学系製品の量産を目的として新設した生産拠点であった。1960年代、発酵法への移行が進む中で、原料調達、エネルギー供給、副生成物処理を効率的に行える立地が求められていた。石油化学を核とする四日市コンビナートは、電力・蒸気・工業用水が安定しており、製造工程との親和性が高かった。味の素は同工場を通じて川崎工場への集中を緩和し、生産分散と物流効率の向上を図った。
米コーンプロダクツ社と提携
歴史的意義yutaka sugiura
コーンプロダクツ社との提携は、味の素がMSG単品依存から脱却するにあたり、自社単独の新規投資ではなく外部企業のブランドと製品開発力を活用する手法を選択した判断であった。味の素が持つ生産能力と全国販売網を提携先の製品群と結合させる分業構造は、後年のゼネラルフーズやダノンとの提携にも通じるアライアンス型事業拡張の原型を形成した。
FY63
1963/3
化成品部を発足
FY68
1968/3
冷凍食品事業に参入
FY71
1971/3
売上高
1,252.21億円
当期純利益
42.37億円
FY72
1972/3
売上高
1,347.74億円
当期純利益
41.24億円
FY73
1973/3
売上高
1,452.11億円
当期純利益
45.35億円
米ゼネラルフーズと提携
FY74
1974/3
売上高
2,004.55億円
当期純利益
52.64億円
FY75
1975/3
売上高
2,588.25億円
当期純利益
53.35億円
FY78
1978/3
売上高
3,577億円
当期純利益
82億円
FY79
1979/3
売上高
3,657億円
当期純利益
108億円
仏ジェルべ・ダノンと提携
FY80
1980/3
売上高
3,835億円
当期純利益
121億円
FY81
1981/3
売上高
4,200億円
当期純利益
140億円
医薬品事業に参入
FY82
1982/3
売上高
4,445億円
当期純利益
101億円
FY83
1983/3
売上高
4,701億円
当期純利益
108億円
FY84
1984/3
売上高
4,823億円
当期純利益
130億円
FY85
1985/3
売上高
5,107億円
当期純利益
150億円
FY86
1986/3
売上高
5,150億円
当期純利益
150億円
FY87
1987/3
売上高
4,812億円
当期純利益
143億円
鹿島工場を新設
FY88
1988/3
売上高
4,834億円
当期純利益
165億円
FY89
1989/3
売上高
5,099億円
当期純利益
157億円
欧州・オニケム社を買収
FY90
1990/3
売上高
5,418億円
当期純利益
140億円
カルピス食品工業と提携
FY91
1991/3
売上高
5,939億円
当期純利益
121億円
FY92
1992/3
売上高
6,772億円
当期純利益
106億円
FY93
1993/3
売上高
6,873億円
当期純利益
114億円
FY94
1994/3
売上高
6,749億円
当期純利益
104億円
FY95
1995/3
売上高
7,257億円
当期純利益
117億円
山口範雄
FY96
1996/3
売上高
7,508億円
当期純利益
104億円
山口範雄
肝疾患用分岐鎖アミノ酸製剤を発売
味の素ファルマを通じて発売を開始。2002年度の売上高は161億円となり、医薬品事業の中で最大の売り上げ規模へ
FY97
1997/3
売上高
7,884億円
当期純利益
153億円
味の素(中国)を設立
総会屋への利益供与(商法違反)
山口範雄
FY98
1998/3
売上高
8,359億円
当期純利益
179億円
重要事項
山口範雄
味の素ファインテクノを設立
味の素ファインテクノの設立は、電子材料事業を食品事業の判断サイクルから切り離し、半導体業界の技術更新速度に対応するための組織設計であった。ABFがインテルに連続採用された背景には、世代交代ごとの材料評価に即応できる意思決定体制があった。食品メーカーが高付加価値電子材料で持続的な競争優位を確立できた要因は、技術力そのものに加え、事業特性に適した組織分離の判断にあった。
経営判断をよむ →
FY99
1999/3
売上高
8,145億円
当期純利益
132億円
グループ企業の整理統合を開始
-
山口範雄
味の素ファルマを発足
ヘキストより輸血栄養医薬品事業を買収。
FY00
2000/3
売上高
8,294億円
当期純利益
176億円
山口範雄
FY01
2001/3
売上高
9,085億円
当期純利益
-115億円
山口範雄
FY02
2002/3
売上高
9,435億円
当期純利益
314億円
重要事項
山口範雄
海外で飼料用アミノ酸を増産
歴史的意義yutaka sugiura
飼料用アミノ酸への積極投資は需要拡大局面では合理的であったが、CJ第一製糖の供給拡大により価格競争が顕在化すると利益率が急速に悪化した。素材型事業における数量成長と収益性の関係は市場の参入構造に依存する不確実性を内包していた。この経験は味の素にとって、売上成長だけでなく投下資本に対する収益性を問う経営指標の必要性を認識させる契機となった。
FY03
2003/3
売上高
9,877億円
当期純利益
331億円
海外で飼料用アミノ酸を増産
重要事項組織再編
山口範雄
油脂事業をJ-オイルミルズに移管
歴史的意義yutaka sugiura
J-オイルミルズへの油脂事業移管は、味の素にとって事業売却ではなく水平統合を通じた段階的撤退であった。競合企業との統合により国内シェアを集約しつつ自社の投下資本を油脂事業から引き揚げる設計は、収益性の低い事業を整理する一方で業界全体の構造改善にも寄与した。後年のROIC経営導入に先立つ事業ポートフォリオ見直しの初期形態として位置づけられる。
FY04
2004/3
売上高
10,395億円
当期純利益
362億円
欧州・オルサン社を買収
山口範雄
FY05
2005/3
売上高
10,730億円
当期純利益
448億円
山口範雄
カンパニー制を再編
2002年に社内カンパニー制を導入。2005年には社内カンパニー(3社)を再編し、提携事業4社(カルピス味の素ダノン・カルピス・味の素ゼネラルフーズ・J-オイルミルズ)、分社2社(味の素冷凍食品・味の素ベーカリー)、カンパニー3社(食品カンパニー・アミノ酸カンパニー・医療カンパニー)による組織体制を開始した。
FY06
2006/3
売上高
11,068億円
当期純利益
349億円
山口範雄
ヤマキと業務資本提携を締結
FY07
2007/3
売上高
11,585億円
当期純利益
302億円
伊藤雅俊
FY08
2008/3
売上高
12,165億円
当期純利益
282億円
伊藤雅俊
FY09
2009/3
売上高
11,903億円
当期純利益
-102億円
伊藤雅俊
FY10
2010/3
売上高
11,708億円
当期純利益
166億円
伊藤雅俊
FY11
2011/3
売上高
12,076億円
当期純利益
304億円
伊藤雅俊
飼料用アミノ酸事業の再編(収益低下)
FY12
2012/3
売上高
11,973億円
親会社株主に帰属する当期純利益
417億円
伊藤雅俊
FY13
2013/3
売上高
9,849億円
親会社株主に帰属する当期純利益
483億円
西井孝明
FY14
2014/3
売上高
9,513億円
親会社株主に帰属する当期純利益
421億円
西井孝明
米ウィンザー・クオリティHEを買収
FY15
2015/3
売上高
10,066億円
親会社株主に帰属する当期純利益
464億円
西井孝明
FY16
2016/3
売上高
11,841億円
親会社株主に帰属する当期純利益
634億円
西井孝明
FY17
2017/3
売上高
10,914億円
親会社株主に帰属する当期純利益
525億円
西井孝明
FY18
2018/3
売上高
11,147億円
親会社株主に帰属する当期純利益
601億円
西井孝明
FY19
2019/3
売上高
11,143億円
親会社株主に帰属する当期純利益
296億円
重要事項ガバナンス改革
西井孝明
減損を反省・ROICを導入
歴史的意義yutaka sugiura
2019年の大規模減損は、売上成長を優先した資本配分が投下資本の回収検証を欠いたまま進行した結果として生じた。味の素がROICを導入した背景には、事業の存続判断を売上規模や研究意義ではなく資本効率で行う基準の欠如があった。ROICの事業別算定は共通尺度による比較を可能にし、動物栄養事業の売却、希望退職、価格改定といった一連の構造改革の起点を形成した。
FY20
2020/3
売上高
11,000億円
親会社株主に帰属する当期純利益
188億円
希望退職者を募集
歴史的意義yutaka sugiura
経営危機ではなく黒字下で希望退職を実施した判断は、ROICを軸とする経営管理が単なる指標導入ではなく固定費構造の見直しまで含む実行段階にあったことを示していた。管理職層に限定した対象設定は投下資本に対する人件費比率の引き下げを狙った設計であり、約65億円の一時費用を許容してでも資本効率を優先する姿勢が表明された。利益が出ている段階での構造改革着手に特徴がある。
藤江太郎
FY21
2021/3
売上高
10,714億円
親会社株主に帰属する当期純利益
594億円
藤江太郎
FY22
2022/3
売上高
11,493億円
親会社株主に帰属する当期純利益
757億円
重要事項
藤江太郎
中期ASV経営を策定
中期ASV経営の策定は、事業特性の異なる複数領域を抱える味の素が単年度積み上げ型の中期計画では資源配分の合理性を示しきれなくなったことへの対応であった。ROIC約17%・ROE約20%という数値目標を2030年から逆算する形式は、短期業績ではなく長期の企業価値最大化を基準とした資本配分方針の明示であり、ROIC経営の延長線上にある枠組みの進化と位置づけられる。
経営判断をよむ →
FY23
2023/3
売上高
13,591億円
親会社株主に帰属する当期純利益
940億円
重要事項ガバナンス改革
中村茂雄
価格改定による増益
味の素の価格改定は原材料高騰への受動的対応ではなくROIC経営下での資本効率維持を目的とした能動的判断であった。消費者向け企業にとって値上げは販売数量減少のリスクを伴うが、利益率低下によるROIC悪化をより大きな経営課題と認識した点に判断の優先順位があった。株主から預かった資本の運用責任と消費者価格のバランスにおいて資本効率を選択した構造に特徴がある。
経営判断をよむ →
FY24
2024/3
売上高
14,392億円
親会社株主に帰属する当期純利益
871億円
中村茂雄
FY25
2025/3
売上高
15,305億円
親会社株主に帰属する当期純利益
702億円
FY26
2026/3
売上高
15,837億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,347億円
  1. 家業でヨード製造を開始
    鈴木家のヨード製造は家計再建という生存課題から出発しながら、東京帝国大学教授・長井長義の技術助言により製薬事業へと発展した。地方の家内工業に大学研究者が関与する当時としては異例の構造が、鈴木製薬所の技術水準を引き上げ、後に味の素事業の資金基盤を形成した。事業戦略ではなく家計の必要性が起点となった点に、創業期の経路依存としての特徴がある。
  2. 味の素の販売開始
    池田菊苗の発明は当時の先端研究であったが、大企業は製造リスクと市場の不確実性を理由に事業化を見送った。結果として工業化を担ったのは葉山でヨード製薬を営む鈴木三郎助であり、既存事業とのリスク分離、段階的な市場検証、特許料の成果連動型契約といった事業設計で不確実性に対処した。先端技術の事業化が大企業ではなく中小事業者により実現された点に、味の素創業の構造的特徴がある。
  3. 合資会社鈴木商店の発足

    -

  4. 川崎工場の新設
    川崎工場への移転は塩酸ガス問題の根本解決ではなく、工業地帯への立地変更による操業継続という対処策であった。技術的解決が見通せない段階で事業を止めるのではなく、立地条件によって操業を維持しながら製法改善を待つ時間を確保した判断である。結果として問題の根本解消には20年を要したが、その間の生産継続が味の素の市場浸透と販路拡大を可能にした。
  5. 東洋紡績に澱粉糊の納入を開始

    味の素の生産工程で発生する副産物(澱粉)について、紡績会社への販売を開始。産業用途向けのBtoB事業を本格化した。

  6. 全国に特約店網を整備
    味の素の特約店網は販売先廃業という危機対応から出発しながら、結果として後発企業の参入を阻む構造的障壁を形成した。地域ごとの有力商店を押さえ、価格と流通量を統制する重層的な仕組みは、川崎工場の量産体制と結びつくことで効果を発揮した。後発メーカーは生産能力を有していても販売網の構築に時間を要し、味の素が形成した国内シェアを短期間で切り崩すことはできなかった。
  7. 「味の素本舗株式会社鈴木商店」に商号変更
  8. 食品事業で多角化
  9. 味の素株式会社に商号変更
  10. 東京証券取引所に株式上場
  11. アミノ酸事業に参入
  12. 協和発酵とMSGの全量買取契約を締結
    協和発酵の直接発酵法に対し、味の素は技術訴訟や市場分断ではなく全量買取契約という協調的手段を選択した。山本為三郎の仲介を経て締結されたこの契約は、味の素が販売網を維持しつつ協和発酵に生産拡大の見通しを与える設計であった。競争を排他的に処理せずクロスライセンスに発展させた一連の交渉は、技術転換期における市場秩序の維持手法として構造的な特徴を持つ。
  13. 海外進出を本格化

    1960年代、味の素は国内MSGで高シェアを保つ一方、発酵法普及で技術差が縮小し国内のみでは成長に限界が見え始めた。アジア・中南米では人口増と食生活変化で需要拡大が見込まれ、為替や物流リスクを避けるため現地生産が必要となった。そこで1960年タイ進出を皮切りに、1962年ブラジル生産を開始し現地原料でMSG製造体制を構築。発酵法と量産・品質管理ノウハウを活かし、海外事業拡大の基盤を築いた。

    輸出型から現地生産型への転換が海外事業の基盤を形成
  14. 四日市工場を新設

    四日市工場は、味の素がグルタミン酸ソーダ(MSG)を中心とする発酵・化学系製品の量産を目的として新設した生産拠点であった。1960年代、発酵法への移行が進む中で、原料調達、エネルギー供給、副生成物処理を効率的に行える立地が求められていた。石油化学を核とする四日市コンビナートは、電力・蒸気・工業用水が安定しており、製造工程との親和性が高かった。味の素は同工場を通じて川崎工場への集中を緩和し、生産分散と物流効率の向上を図った。

  15. 米コーンプロダクツ社と提携
    コーンプロダクツ社との提携は、味の素がMSG単品依存から脱却するにあたり、自社単独の新規投資ではなく外部企業のブランドと製品開発力を活用する手法を選択した判断であった。味の素が持つ生産能力と全国販売網を提携先の製品群と結合させる分業構造は、後年のゼネラルフーズやダノンとの提携にも通じるアライアンス型事業拡張の原型を形成した。
  16. 化成品部を発足
  17. 冷凍食品事業に参入
  18. 米ゼネラルフーズと提携
  19. 仏ジェルべ・ダノンと提携
  20. 医薬品事業に参入
  21. 鹿島工場を新設
  22. 欧州・オニケム社を買収
  23. カルピス食品工業と提携
  24. 肝疾患用分岐鎖アミノ酸製剤を発売

    味の素ファルマを通じて発売を開始。2002年度の売上高は161億円となり、医薬品事業の中で最大の売り上げ規模へ

  25. 味の素(中国)を設立
  26. 総会屋への利益供与(商法違反)
  27. グループ企業の整理統合を開始

    -

  28. 味の素ファルマを発足

    ヘキストより輸血栄養医薬品事業を買収。

  29. 海外で飼料用アミノ酸を増産
    飼料用アミノ酸への積極投資は需要拡大局面では合理的であったが、CJ第一製糖の供給拡大により価格競争が顕在化すると利益率が急速に悪化した。素材型事業における数量成長と収益性の関係は市場の参入構造に依存する不確実性を内包していた。この経験は味の素にとって、売上成長だけでなく投下資本に対する収益性を問う経営指標の必要性を認識させる契機となった。
  30. 海外で飼料用アミノ酸を増産
  31. 組織再編
    油脂事業をJ-オイルミルズに移管
    J-オイルミルズへの油脂事業移管は、味の素にとって事業売却ではなく水平統合を通じた段階的撤退であった。競合企業との統合により国内シェアを集約しつつ自社の投下資本を油脂事業から引き揚げる設計は、収益性の低い事業を整理する一方で業界全体の構造改善にも寄与した。後年のROIC経営導入に先立つ事業ポートフォリオ見直しの初期形態として位置づけられる。
  32. 欧州・オルサン社を買収
  33. カンパニー制を再編

    2002年に社内カンパニー制を導入。2005年には社内カンパニー(3社)を再編し、提携事業4社(カルピス味の素ダノン・カルピス・味の素ゼネラルフーズ・J-オイルミルズ)、分社2社(味の素冷凍食品・味の素ベーカリー)、カンパニー3社(食品カンパニー・アミノ酸カンパニー・医療カンパニー)による組織体制を開始した。

  34. ヤマキと業務資本提携を締結
  35. 飼料用アミノ酸事業の再編(収益低下)
  36. 米ウィンザー・クオリティHEを買収
  37. ガバナンス改革
    減損を反省・ROICを導入
    2019年の大規模減損は、売上成長を優先した資本配分が投下資本の回収検証を欠いたまま進行した結果として生じた。味の素がROICを導入した背景には、事業の存続判断を売上規模や研究意義ではなく資本効率で行う基準の欠如があった。ROICの事業別算定は共通尺度による比較を可能にし、動物栄養事業の売却、希望退職、価格改定といった一連の構造改革の起点を形成した。
  38. 希望退職者を募集
    経営危機ではなく黒字下で希望退職を実施した判断は、ROICを軸とする経営管理が単なる指標導入ではなく固定費構造の見直しまで含む実行段階にあったことを示していた。管理職層に限定した対象設定は投下資本に対する人件費比率の引き下げを狙った設計であり、約65億円の一時費用を許容してでも資本効率を優先する姿勢が表明された。利益が出ている段階での構造改革着手に特徴がある。