資生堂の沿革・歴史的証言

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1872年〜2025

資生堂の1872年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言

年度売上高純利益年月区分出来事歴史的意義
1872
1-12月
会社設立
資生堂薬局を東京銀座で創業
薬剤師免許第1号が開いた「調剤→製造」の事業転換
1888
1-12月
日本初の練り歯磨を発売
「福原衛生歯磨石鹸」としてわが国最初の練り歯磨を発売した。薬局時代から続く衛生関連製品の開発で、化粧品事業に先立つ消費財ノウハウを蓄積した。
1897
1-12月
化粧品に新規参入
医薬品の品質管理を武器に化粧品へ参入した薬局の転換
1915
1-12月
商標「花椿」を考案
商品を超えた「企業ブランド」の原型を図形商標で設計
1923
1-12月
チェインストアを導入
震災後の乱売を契機に構築されたメーカー主導の流通統制
1927
1-12月
株式会社資生堂に商号変更
FY50
1950/3
東京証券取引所に株式上場
FY52
1952/3
躍進5ヵ年計画を策定
販売・広告・製造の同時拡張による国内首位の構造設計
FY58
1958/3
海外進出
台湾資生堂を設立
海外初の現地法人として台湾資生堂を設立した。翌1958年4月から現地製造を開始し、日本企業としては早期にアジア展開へ踏み出した先駆けとなった。
FY60
1960/3
大船工場を新設
スキンケア量産拠点として半世紀稼働した大船工場の軌跡
FY64
1964/3
国内シェア1位
FY66
1966/3
海外進出
資生堂コスメティックス(アメリカ)を設立
米国市場参入の現地法人として設立した。後に資生堂インターナショナルCorp.へ統合され、現在の資生堂アメリカズCorp.へとつながる北米事業の起点に位置付けられる。
FY75
1975/3
売上高
2,032億円
当期純利益
73億円
FY76
1976/3
売上高
2,285億円
当期純利益
85億円
掛川工場を新設
FY77
1977/3
売上高
2,505億円
当期純利益
93億円
FY78
1978/3
売上高
2,657億円
当期純利益
97億円
FY79
1979/3
売上高
2,796億円
当期純利益
102億円
FY80
1980/3
売上高
2,945億円
当期純利益
106億円
FY81
1981/3
売上高
3,023億円
当期純利益
102億円
FY82
1982/3
売上高
3,061億円
当期純利益
109億円
FY83
1983/3
売上高
3,180億円
当期純利益
123億円
久喜工場を新設(トイレタリー)
FY84
1984/3
売上高
3,233億円
当期純利益
124億円
FY86
1986/3
仏カリタ社を買収
FY88
1988/3
販社改革・在庫回収
「出荷≠消費」を正面から認めた在庫回収の転換点
FY89
1989/3
米ゾートス社を買収
FY91
1991/3
海外進出
ボーテプレステージインターナショナルをフランスに設立
欧州統括会社(現・資生堂EMEA)をフランスに設立した。プレステージ化粧品ブランドの欧州展開拠点として、米国に次ぐグローバル販売網の柱を整えた。
FY92
1992/3
売上高
5,532億円
当期純利益
160億円
海外進出
中国・北京麗源公司と資生堂麗源化粧品有限公司を設立
北京麗源公司との合弁で中国に製造・販売拠点を設立した。日本の化粧品メーカーとしては早期の中国市場参入であり、後の中国事業拡大の起点となった。
FY93
1993/3
売上高
5,615億円
当期純利益
132億円
FY94
1994/3
売上高
5,491億円
当期純利益
146億円
FY95
1995/3
売上高
5,403億円
当期純利益
113億円
FY96
1996/3
売上高
5,608億円
当期純利益
175億円
FY97
1997/3
売上高
5,885億円
当期純利益
191億円
企業買収
米ヘレンカーチス社の北米プロフェッショナル事業を買収
北米のプロ向け美容市場へ本格参入するための買収であった。1988年のゾートス社買収に続くプロフェッショナル事業の北米拡張で、ライセンス営業を強化する狙いであった。
再販価格維持を撤廃
70年間の価格統制放棄がもたらした競争構造の転換
FY98
1998/3
売上高
6,209億円
当期純利益
168億円
FY99
1999/3
売上高
6,042億円
当期純利益
103億円
FY00
2000/3
売上高
5,966億円
当期純利益
152億円
FY01
2001/3
売上高
5,951億円
当期純利益
-450億円
FY02
2002/3
売上高
5,899億円
当期純利益
-227億円
FY03
2003/3
売上高
6,212億円
当期純利益
244億円
FY04
2004/3
売上高
6,242億円
当期純利益
275億円
上海に現地法人持株会社を新設
FY05
2005/3
売上高
6,398億円
当期純利益
-88億円
メガブランドに集中投資
「100ブランド分散」から「メガブランド集中」への反転
FY06
2006/3
売上高
6,709億円
当期純利益
144億円
国内4拠点の閉鎖
生産効率が悪い国内工場の閉鎖を実施。対象は京都府舞鶴工場(従業員数72名)、東京都板橋工場(従業員数158名)、資生堂ビューティーテック(大阪府東成区・従業員数134名)、原町製紙所(静岡県沼津市・従業員数36名)であった。資生堂ビューティーテックは「スポンジ・ヘアブラシ」、原町製紙所では「化粧用ティッシュペーパー」の生産に従事したが、競争力に乏しいことから生産停止を決定した。
FY07
2007/3
売上高
6,945億円
親会社株主に帰属する当期純利益
252億円
FY08
2008/3
売上高
7,234億円
親会社株主に帰属する当期純利益
354億円
FY09
2009/3
売上高
6,902億円
当期純利益
193億円
FY10
2010/3
売上高
6,442億円
当期純利益
336億円
米ベアエッセンシャルを買収
FY11
2011/3
売上高
6,707億円
当期純利益
127億円
組織再編
資生堂大昌行化粧品有限公司を完全子会社化
香港の合弁会社(現・資生堂香港有限公司)を完全子会社化した。中華圏販売の指揮命令系統を一本化し、グレーターチャイナ戦略を加速させる動きであった。
FY12
2012/3
売上高
6,823億円
当期純利益
145億円
FY13
2013/3
売上高
6,777億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-146億円
海外買収を積極化
FY14
2014/3
売上高
7,620億円
親会社株主に帰属する当期純利益
261億円
海外買収を積極化
FY15
2015/3
売上高
7,630億円
親会社株主に帰属する当期純利益
232億円
FY16
2016/3
売上高
8,503億円
親会社株主に帰属する当期純利益
321億円
FY17
2017/3
売上高
10,050億円
親会社株主に帰属する当期純利益
227億円
FY18
2018/3
売上高
10,948億円
親会社株主に帰属する当期純利益
614億円
事業売却
米国ゾートス社をヘンケル社に譲渡
1988年に買収した米ゾートス社をヘンケルへ売却した。プロフェッショナル事業の北米プレゼンスを縮小し、メガブランド集中戦略へ経営資源を振り向ける判断であった。
FY19
2019/3
売上高
11,315億円
親会社株主に帰属する当期純利益
735億円
FY20
2020/3
売上高
9,208億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-116億円
米Drunk Elephant HDを買収
国内生産体制を増強
2019年に資生堂は国内に「那須工場」を新設し、36年ぶりに国内工場を新設した。資生堂としては高級化粧品の品質を担保する上で、国内生産が有効と判断。以後、2020年に大阪茨木、2022年に福岡久留米の各工場を新設し、国内工場の新設により推定累計1200億円の投資を実施した。
FY21
2021/3
売上高
10,351億円
親会社株主に帰属する当期純利益
311億円
設備投資
大阪茨木工場が竣工
2019年那須工場に続く国内新工場として大阪茨木工場が竣工した。高級化粧品の品質担保のため国内生産回帰を進める投資の一環であり、2022年福岡久留米工場へとつながった。
FY22
2022/3
売上高
10,673億円
親会社株主に帰属する当期純利益
210億円
事業売却
パーソナルケア事業を売却
安定収益源の売却が露呈させた固定費構造の脆弱性
米国3ブランドを売却
bareMineralsおよびBUXOM(2010年買収)、Laura Mercier(2016年買収)について売却を決定。当該3事業は売上高523億円。・営業損失73億円(FY2021)の赤字体質であり、譲渡を通じて不採算事業を整理した。
FY23
2023/3
売上高
9,730億円
親会社株主に帰属する当期純利益
217億円
FY24
2024/3
売上高
9,905億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-108億円
DDG Skincare HDを買収
スキンケア領域を強化するために、米国におけるスキンケアの販売に従事するDDGを買収
FY25
2025/3
売上高
9,699億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-406億円
資生堂ジャパンで早期退職者を募集
パーソナルケア売却から人員削減に至った因果の連鎖
  1. 会社設立
    資生堂薬局を東京銀座で創業
    薬剤師免許第1号が開いた「調剤→製造」の事業転換
  2. 日本初の練り歯磨を発売

    「福原衛生歯磨石鹸」としてわが国最初の練り歯磨を発売した。薬局時代から続く衛生関連製品の開発で、化粧品事業に先立つ消費財ノウハウを蓄積した。

  3. 化粧品に新規参入
    医薬品の品質管理を武器に化粧品へ参入した薬局の転換
  4. 商標「花椿」を考案
    商品を超えた「企業ブランド」の原型を図形商標で設計
  5. チェインストアを導入
    震災後の乱売を契機に構築されたメーカー主導の流通統制
  6. 株式会社資生堂に商号変更
  7. 東京証券取引所に株式上場
  8. 躍進5ヵ年計画を策定
    販売・広告・製造の同時拡張による国内首位の構造設計
  9. 海外進出
    台湾資生堂を設立

    海外初の現地法人として台湾資生堂を設立した。翌1958年4月から現地製造を開始し、日本企業としては早期にアジア展開へ踏み出した先駆けとなった。

  10. 大船工場を新設
    スキンケア量産拠点として半世紀稼働した大船工場の軌跡
  11. 国内シェア1位
  12. 海外進出
    資生堂コスメティックス(アメリカ)を設立

    米国市場参入の現地法人として設立した。後に資生堂インターナショナルCorp.へ統合され、現在の資生堂アメリカズCorp.へとつながる北米事業の起点に位置付けられる。

  13. 掛川工場を新設
  14. 久喜工場を新設(トイレタリー)
  15. 仏カリタ社を買収
  16. 販社改革・在庫回収
    「出荷≠消費」を正面から認めた在庫回収の転換点
  17. 米ゾートス社を買収
  18. 海外進出
    ボーテプレステージインターナショナルをフランスに設立

    欧州統括会社(現・資生堂EMEA)をフランスに設立した。プレステージ化粧品ブランドの欧州展開拠点として、米国に次ぐグローバル販売網の柱を整えた。

  19. 海外進出
    中国・北京麗源公司と資生堂麗源化粧品有限公司を設立

    北京麗源公司との合弁で中国に製造・販売拠点を設立した。日本の化粧品メーカーとしては早期の中国市場参入であり、後の中国事業拡大の起点となった。

  20. 企業買収
    米ヘレンカーチス社の北米プロフェッショナル事業を買収

    北米のプロ向け美容市場へ本格参入するための買収であった。1988年のゾートス社買収に続くプロフェッショナル事業の北米拡張で、ライセンス営業を強化する狙いであった。

  21. 再販価格維持を撤廃
    70年間の価格統制放棄がもたらした競争構造の転換
  22. 上海に現地法人持株会社を新設
  23. メガブランドに集中投資
    「100ブランド分散」から「メガブランド集中」への反転
  24. 国内4拠点の閉鎖

    生産効率が悪い国内工場の閉鎖を実施。対象は京都府舞鶴工場(従業員数72名)、東京都板橋工場(従業員数158名)、資生堂ビューティーテック(大阪府東成区・従業員数134名)、原町製紙所(静岡県沼津市・従業員数36名)であった。資生堂ビューティーテックは「スポンジ・ヘアブラシ」、原町製紙所では「化粧用ティッシュペーパー」の生産に従事したが、競争力に乏しいことから生産停止を決定した。

  25. 米ベアエッセンシャルを買収
  26. 組織再編
    資生堂大昌行化粧品有限公司を完全子会社化

    香港の合弁会社(現・資生堂香港有限公司)を完全子会社化した。中華圏販売の指揮命令系統を一本化し、グレーターチャイナ戦略を加速させる動きであった。

  27. 海外買収を積極化
  28. 海外買収を積極化
  29. 事業売却
    米国ゾートス社をヘンケル社に譲渡

    1988年に買収した米ゾートス社をヘンケルへ売却した。プロフェッショナル事業の北米プレゼンスを縮小し、メガブランド集中戦略へ経営資源を振り向ける判断であった。

  30. 米Drunk Elephant HDを買収
  31. 国内生産体制を増強

    2019年に資生堂は国内に「那須工場」を新設し、36年ぶりに国内工場を新設した。資生堂としては高級化粧品の品質を担保する上で、国内生産が有効と判断。以後、2020年に大阪茨木、2022年に福岡久留米の各工場を新設し、国内工場の新設により推定累計1200億円の投資を実施した。

  32. 設備投資
    大阪茨木工場が竣工

    2019年那須工場に続く国内新工場として大阪茨木工場が竣工した。高級化粧品の品質担保のため国内生産回帰を進める投資の一環であり、2022年福岡久留米工場へとつながった。

  33. 事業売却
    パーソナルケア事業を売却
    安定収益源の売却が露呈させた固定費構造の脆弱性
  34. 米国3ブランドを売却

    bareMineralsおよびBUXOM(2010年買収)、Laura Mercier(2016年買収)について売却を決定。当該3事業は売上高523億円。・営業損失73億円(FY2021)の赤字体質であり、譲渡を通じて不採算事業を整理した。

  35. DDG Skincare HDを買収

    スキンケア領域を強化するために、米国におけるスキンケアの販売に従事するDDGを買収

  36. 資生堂ジャパンで早期退職者を募集
    パーソナルケア売却から人員削減に至った因果の連鎖

歴史的証言

福原信三(資生堂)
大震災後、配給機構が全く壊滅し、混乱を致しておりましたので、それを機会に、系統だった販売組織を確立しようと思いつきまして、組織づくりを初めたわけであります
福原信三(資生堂)
販売会社は所属チェーン・ストア全部に株をもって貰いまして、これはあなた方の会社だからという印象を与え、利害関係をともにするという密接な関係に結びつけた
弦間明(資生堂常務チェイン事業本部副本部長)
当時、マーケティング上の常識だった
弦間明(資生堂常務チェイン事業本部副本部長)
結局、在庫の増加だけだった
大野良雄(資生堂社長)
肝心の小売店側には高度成長期の良き日々の思い出に浸っているところが多い
大野良雄(資生堂社長)
何といっても私ら自身が美容部員からコーナー設定まで面倒をみるなどずっと小売店に"過保護"だったんだから

参考文献・出所

有価証券報告書
東商 1963/05
ダイヤモンド 1963/06/03
日経ビジネス 1973/07/09
日経産業新聞 1982/08/26
日経産業新聞 1983/06/21
日経新聞 1987/07/20
日経流通新聞 1991/09/17
日経産業新聞 2001/09/25
日経MJ 2013/05/17
日経新聞 2016/10/24
日経産業新聞 2017/03/07
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 2022/05
財界オンライン 2022/11/10
日本経済新聞 2025/12/23
決算説明会 FY25