京セラの沿革・歴史的証言
1959年〜2025年
京セラの1959年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
FY60 1960/3 | 売上高 0.26億円 | 当期純利益 0.01億円 | 会社設立 | 京都セラミック株式会社を設立 京都市中京区西ノ京原町。ファインセラミックスの専門メーカーとして資本金300万円で発足 | 京都の財界人がシード出資した「創業者が筆頭株主でない」起業の資本構造 | |
FY61 1961/3 | 売上高 0.49億円 | 当期純利益 0.03億円 | ||||
FY62 1962/3 | 売上高 0.84億円 | 当期純利益 0.04億円 | ||||
FY63 1963/3 | 売上高 1.19億円 | 当期純利益 0.11億円 | ||||
FY64 1964/3 | 売上高 1.61億円 | 当期純利益 0.1億円 | ||||
FY65 1965/3 | 売上高 2.47億円 | 当期純利益 0.17億円 | ||||
FY66 1966/3 | 売上高 2.98億円 | 当期純利益 0.19億円 | 新規事業 | IC向け基板をIBMに納入 | 国内で信用を得られない中小企業が米国IBM向け受注で半導体市場に参入した構造 | |
FY67 1967/3 | 売上高 6.43億円 | 当期純利益 1.02億円 | ||||
FY68 1968/3 | 売上高 10億円 | 当期純利益 1.14億円 | ||||
FY69 1969/3 | 売上高 19億円 | 当期純利益 3億円 | ||||
FY70 1970/3 | 売上高 44億円 | 当期純利益 9.3億円 | 海外進出 | 米国に販売会社Kyocera International, Inc.を設立 | 北米市場拠点の獲得 | |
設備投資 | 積層パッケージの量産投資・世界シェア70%を確保 | 需要が不透明な積層パッケージに先行投資し世界シェア70%を握った構造 | ||||
FY71 1971/3 | 海外進出 | ドイツに販売会社Kyocera Fineceramics GmbHを設立 後のKyocera Europe GmbH | 欧州拠点の獲得 | |||
FY72 1972/3 | 売上高 65億円 | 当期純利益 11億円 | 株式上場 | 大阪証券取引所市場第二部に株式上場 セラミックパッケージによる業容拡大を受けて、京セラは1971年10月に大阪証券取引所に株式上場。設立12年目で株式上場を果たし、急成長企業として注目を集めるに至った。 | 株式公開による資金調達基盤の確立 | |
FY73 1973/3 | 売上高 112億円 | 当期純利益 19億円 | 株式上場 | 東京証券取引所市場第二部に株式を上場 1974年2月に第一部に指定 | 東証1部上場へ | |
FY74 1974/3 | 売上高 238億円 | 当期純利益 43億円 | ||||
FY75 1975/3 | 売上高 208億円 | 当期純利益 32億円 | ||||
FY76 1976/3 | 売上高 296億円 | 当期純利益 52億円 | 株主対応 | 米国で米国預託証券を発行 | 海外資本市場での資金調達 | |
FY77 1977/3 | 売上高 401億円 | 当期純利益 71億円 | ||||
FY78 1978/3 | 売上高 386億円 | 当期純利益 65億円 | ||||
FY79 1979/3 | 売上高 503億円 | 当期純利益 68億円 | ||||
FY80 1980/3 | 売上高 819億円 | 当期純利益 120億円 | ||||
FY81 1981/3 | 売上高 1,005億円 | 当期純利益 133億円 | ||||
FY82 1982/3 | 売上高 1,018億円 | 当期純利益 135億円 | ||||
FY83 1983/3 | 売上高 1,332億円 | 当期純利益 171億円 | 組織再編 | サイバネット工業・クレサンベール・日本キャスト・ニューメディカルの4社を吸収合併し京セラに社名変更 同時に米国で2回目の米国預託証券発行、ニューヨーク証券取引所に上場 | 「京セラ」ブランドの確立。多角化基盤の整備 | |
FY84 1984/3 | 売上高 2,197億円 | 当期純利益 240億円 | ||||
FY85 1985/3 | 売上高 2,832億円 | 当期純利益 316億円 | 合弁設立 | 第二電電企画(現KDDI)の設立時に出資 | 通信事業への進出。後のKDDIの源流となる関連会社化 | |
FY86 1986/3 | 売上高 2,466億円 | 当期純利益 194億円 | ||||
FY87 1987/3 | 売上高 2,425億円 | 当期純利益 164億円 | ||||
FY90 1990/3 | 企業買収 | コネクタ事業のエルコインターナショナルを連結子会社化 後に京セラコネクタプロダクツへ社名変更 | コネクタ事業の取り込み | |||
企業買収 | AVX Corporation(現Kyocera AVX Components)を株式交換で連結子会社化 | 電子部品事業の海外大型M&A。後の電子部品セグメントの主力 | ||||
FY92 1992/3 | 売上高 4,535億円 | 当期純利益 271億円 | ||||
FY93 1993/3 | 売上高 4,316億円 | 当期純利益 239億円 | ||||
FY94 1994/3 | 売上高 4,277億円 | 当期純利益 368億円 | ||||
FY95 1995/3 | 売上高 4,986億円 | 当期純利益 433億円 | ||||
FY96 1996/3 | 売上高 6,472億円 | 当期純利益 825億円 | 海外進出 | 中国東莞に製造会社Dongguan Shilong Kyoceraを設立 | 中国生産拠点の獲得 | |
事業撤退 | セラミックパッケージの素材転換に失敗 1990年代を通じて半導体パッケージの素材が、セラミックから樹脂製へと転換。競合のイビデンはいち早く樹脂製パッケージを開発して1996年にインテルと取引を開始したのに対して、セラミック製が中心であった京セラは樹脂への転換で苦戦。CPU向けのパッケージについて、イビデンなどの樹脂製メーカーにシェアを奪還される形となった。 | 半導体パッケージ市場での地位後退 | ||||
FY97 1997/3 | 売上高 7,148億円 | 当期純利益 457億円 | 社長交代 | 稲盛和夫氏が代表取締役会長を退任 | 創業者の経営第一線からの退任 | |
FY98 1998/3 | 売上高 7,253億円 | 当期純利益 470億円 | ||||
FY99 1999/3 | 売上高 7,253億円 | 当期純利益 282億円 | ||||
FY00 2000/3 | 売上高 8,126億円 | 当期純利益 503億円 | 企業買収 | 米Qualcommの携帯電話端末事業を承継 | 通信事業の本格参入。後の三洋携帯買収につながる伏線 | |
FY01 2001/3 | 売上高 12,850億円 | 当期純利益 2,195億円 | 企業買収 | 京セラミタ(現京セラドキュメントソリューションズ)を連結子会社化 | プリンター・複合機事業への参入 | |
FY02 2002/3 | 売上高 10,345億円 | 当期純利益 319億円 | ||||
FY03 2003/3 | 売上高 10,697億円 | 当期純利益 411億円 | 企業買収 | 東芝ケミカルを株式交換方式で連結子会社化 京セラケミカルへ社名変更 | 半導体関連材料事業の取り込み | |
FY04 2004/3 | 売上高 11,326億円 | 当期純利益 680億円 | 企業買収 | 水晶部品事業のキンセキを連結子会社化 後に京セラクリスタルデバイスへ社名変更 | 水晶部品事業の取り込み | |
FY05 2005/3 | 売上高 11,807億円 | 当期純利益 459億円 | ||||
FY06 2006/3 | 売上高 11,815億円 | 当期純利益 697億円 | ||||
FY07 2007/3 | 売上高 12,839億円 | 当期純利益 1,065億円 | ||||
FY08 2008/3 | 売上高 12,904億円 | 当期純利益 1,072億円 | ||||
FY09 2009/3 | 売上高 11,286億円 | 当期純利益 295億円 | 企業買収 | 三洋電機の携帯電話事業を取得(通信機器) | アメーバ経営で再建を図った携帯電話事業がスマホ普及で市場ごと消滅した誤算 | |
企業買収 | ドイツTA Triumph-Adler AGを連結子会社化 プリンター・複合機の販売会社 | 欧州ドキュメントソリューション事業の取り込み | ||||
FY10 2010/3 | 売上高 10,738億円 | 当期純利益 401億円 | ||||
FY11 2011/3 | 売上高 12,669億円 | 当期純利益 1,301億円 | ||||
FY12 2012/3 | 売上高 11,909億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 794億円 | 企業買収 | デンマークUnimerco Group A/Sを連結子会社化 機械工具製造販売会社。Kyocera Unimerco A/Sへ社名変更 | 機械工具事業の本格参入 | |
海外進出 | ベトナムにKyocera Vietnam Management Co., Ltd.を設立 後のKyocera Vietnam Co., Ltd. | 東南アジア生産拠点の獲得 | ||||
企業買収 | 液晶ディスプレイのオプトレックスを連結子会社化 後に京セラディスプレイへ社名変更 | ディスプレイ事業の取り込み | ||||
FY13 2013/3 | 売上高 12,801億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 665億円 | ||||
FY14 2014/3 | 売上高 14,474億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 888億円 | ||||
FY15 2015/3 | 売上高 15,265億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,159億円 | ||||
FY16 2016/3 | 売上高 14,796億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,090億円 | ||||
FY17 2017/3 | 売上高 14,228億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,038億円 | ||||
FY18 2018/3 | 売上高 15,770億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 791億円 | ||||
FY19 2019/3 | 売上高 16,237億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,032億円 | 上場廃止 | ニューヨーク証券取引所への上場を廃止 | 米国預託証券の上場終了。1982年から36年の終焉 | |
FY20 2020/3 | 売上高 15,991億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,077億円 | 新規事業 | 空圧・電動工具でグローバル展開 Kyocera Senco Industrial Tools等を取得 | 工具事業のグローバル化 | |
組織再編 | AVX Corporationの非支配持分を全取得し完全子会社化 同社のNYSE上場廃止 | AVXの完全子会社化。電子部品事業の集約 | ||||
FY21 2021/3 | 売上高 15,269億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 902億円 | 企業買収 | OPTIMAL SYSTEMSを買収 欧州におけるECM事業(ドキュメントソリューション)を拡大するために、ドイツのOPTIMAL SYSTEMS社を144億円で買収 | 欧州ドキュメントソリューション事業の補強 | |
企業買収 | 米Soraa Laser Diodeを買収 GaN(窒化ガリウム)製レーザー製品 | 次世代光技術の取り込み | ||||
FY22 2022/3 | 売上高 18,389億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,484億円 | ||||
FY23 2023/3 | 売上高 20,253億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,280億円 | 東証プライム市場に移行 市場区分見直しに伴う | |||
FY24 2024/3 | 売上高 20,042億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,011億円 | 減収減益・電子部品で販売不調へ | 半導体・電子部品市況の悪化 | ||
FY25 2025/3 | 売上高 20,145億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 241億円 | 企業買収 | トッパンNECサーキットソリューションズを連結子会社化、米Senco・Fastener Topcoを連結子会社化、昭和オプトロニクスを連結子会社化 プリント配線板・電動工具・光学部品分野での同時的M&A | 複数モダリティでの大型M&A攻勢 |
- 京都セラミック株式会社を設立
京都市中京区西ノ京原町。ファインセラミックスの専門メーカーとして資本金300万円で発足
京都の財界人がシード出資した「創業者が筆頭株主でない」起業の資本構造 - IC向け基板をIBMに納入国内で信用を得られない中小企業が米国IBM向け受注で半導体市場に参入した構造
- 米国に販売会社Kyocera International, Inc.を設立北米市場拠点の獲得
- 積層パッケージの量産投資・世界シェア70%を確保需要が不透明な積層パッケージに先行投資し世界シェア70%を握った構造
- ドイツに販売会社Kyocera Fineceramics GmbHを設立
後のKyocera Europe GmbH
欧州拠点の獲得 - 大阪証券取引所市場第二部に株式上場
セラミックパッケージによる業容拡大を受けて、京セラは1971年10月に大阪証券取引所に株式上場。設立12年目で株式上場を果たし、急成長企業として注目を集めるに至った。
株式公開による資金調達基盤の確立 - 東京証券取引所市場第二部に株式を上場
1974年2月に第一部に指定
東証1部上場へ - 米国で米国預託証券を発行海外資本市場での資金調達
- サイバネット工業・クレサンベール・日本キャスト・ニューメディカルの4社を吸収合併し京セラに社名変更
同時に米国で2回目の米国預託証券発行、ニューヨーク証券取引所に上場
「京セラ」ブランドの確立。多角化基盤の整備 - 第二電電企画(現KDDI)の設立時に出資通信事業への進出。後のKDDIの源流となる関連会社化
- コネクタ事業のエルコインターナショナルを連結子会社化
後に京セラコネクタプロダクツへ社名変更
コネクタ事業の取り込み - AVX Corporation(現Kyocera AVX Components)を株式交換で連結子会社化電子部品事業の海外大型M&A。後の電子部品セグメントの主力
- 中国東莞に製造会社Dongguan Shilong Kyoceraを設立中国生産拠点の獲得
- セラミックパッケージの素材転換に失敗
1990年代を通じて半導体パッケージの素材が、セラミックから樹脂製へと転換。競合のイビデンはいち早く樹脂製パッケージを開発して1996年にインテルと取引を開始したのに対して、セラミック製が中心であった京セラは樹脂への転換で苦戦。CPU向けのパッケージについて、イビデンなどの樹脂製メーカーにシェアを奪還される形となった。
半導体パッケージ市場での地位後退 - 稲盛和夫氏が代表取締役会長を退任創業者の経営第一線からの退任
- 米Qualcommの携帯電話端末事業を承継通信事業の本格参入。後の三洋携帯買収につながる伏線
- 京セラミタ(現京セラドキュメントソリューションズ)を連結子会社化プリンター・複合機事業への参入
- 東芝ケミカルを株式交換方式で連結子会社化
京セラケミカルへ社名変更
半導体関連材料事業の取り込み - 水晶部品事業のキンセキを連結子会社化
後に京セラクリスタルデバイスへ社名変更
水晶部品事業の取り込み - 三洋電機の携帯電話事業を取得(通信機器)アメーバ経営で再建を図った携帯電話事業がスマホ普及で市場ごと消滅した誤算
- ドイツTA Triumph-Adler AGを連結子会社化
プリンター・複合機の販売会社
欧州ドキュメントソリューション事業の取り込み - デンマークUnimerco Group A/Sを連結子会社化
機械工具製造販売会社。Kyocera Unimerco A/Sへ社名変更
機械工具事業の本格参入 - ベトナムにKyocera Vietnam Management Co., Ltd.を設立
後のKyocera Vietnam Co., Ltd.
東南アジア生産拠点の獲得 - 液晶ディスプレイのオプトレックスを連結子会社化
後に京セラディスプレイへ社名変更
ディスプレイ事業の取り込み - ニューヨーク証券取引所への上場を廃止米国預託証券の上場終了。1982年から36年の終焉
- 空圧・電動工具でグローバル展開
Kyocera Senco Industrial Tools等を取得
工具事業のグローバル化 - AVX Corporationの非支配持分を全取得し完全子会社化
同社のNYSE上場廃止
AVXの完全子会社化。電子部品事業の集約 - OPTIMAL SYSTEMSを買収
欧州におけるECM事業(ドキュメントソリューション)を拡大するために、ドイツのOPTIMAL SYSTEMS社を144億円で買収
欧州ドキュメントソリューション事業の補強 - 米Soraa Laser Diodeを買収
GaN(窒化ガリウム)製レーザー製品
次世代光技術の取り込み - 東証プライム市場に移行
市場区分見直しに伴う
- 減収減益・電子部品で販売不調へ半導体・電子部品市況の悪化
- トッパンNECサーキットソリューションズを連結子会社化、米Senco・Fastener Topcoを連結子会社化、昭和オプトロニクスを連結子会社化
プリント配線板・電動工具・光学部品分野での同時的M&A
複数モダリティでの大型M&A攻勢
参考文献・出所
有価証券報告書
決算説明会 FY25-3Q
東洋経済オンライン 2021/06/08
日経ビジネス電子版 2022/10/27
電波新聞デジタル 2023/01/11