カナデビアの沿革・歴史的証言
1881年〜2025年
カナデビアの1881年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1881 1-12月 | 会社設立 | 英国人E.H.ハンターが大阪鉄工所を大阪安治川岸に創立 カナデビアの前身。明治初期の民間造船所 | 明治初期の日本民間造船業の源流の一つ。外国人技術者による創業 | |||
1900 1-12月 | 設備投資 | 桜島造船場操業開始 | ||||
1911 1-12月 | 企業買収 | 因島船渠株式会社を買収、因島工場化 旧株式会社大阪鉄工所時代 | 瀬戸内の造船基盤を取り込み | |||
1914 1-12月 | 組織再編 | 株式会社大阪鉄工所を設立 前大阪鉄工所の事業一切を継承 | 個人創業から株式会社化 | |||
1920 1-12月 | 企業買収 | 原田造船所より築港工場を買収 株式会社原田造船所より築港工場を買収した。大正期の能力拡充の一環として位置づけられる。 | ||||
1924 1-12月 | 企業買収 | 彦島船渠を買収して彦島工場化 彦島船渠株式会社を買収し、彦島工場とした。瀬戸内・関門地域への生産拠点拡張となった。 | ||||
1934 1-12月 | 組織再編 | 日本産業が大阪鉄工所株式を全取得、日本産業大阪鉄工所を設立 資本金1,200万円 | 日産コンツェルン傘下入り。財閥系列化 | |||
組織再編 | 社名を株式会社大阪鉄工所に改称 | |||||
1936 1-12月 | 組織再編 | 日立製作所が全株式を肩代わり、日立系列下に 日本産業保有分を日立製作所が取得 | 戦時経済下で日立グループ入り。以後80年以上続く日立系列関係の始まり | |||
1943 1-12月 | 組織再編 | 社名を日立造船株式会社と改称 戦時統合の一環 | 以後81年にわたって使われる「日立造船」の誕生 | |||
組織再編 | 向島船渠・原田造船を吸収合併 | 戦時統合による生産能力拡大 | ||||
組織再編 | 彦島工場を三菱重工業に譲渡 旧海軍の要請 | 戦時再編による拠点整理 | ||||
1944 1-12月 | 組織再編 | 神奈川造船所が操業開始 神奈川造船所(元神奈川工場)が操業を開始した。戦時下の生産体制拡大の一環として位置づけられる。 | ||||
1947 1-12月 | 組織再編 | 日立製作所保有株式を持株会社整理委員会に譲渡 財閥解体 | 戦後の独立系企業化 | |||
1948 1-12月 | 組織再編 | 全株式を一般に放出・公開 | ||||
1949 1-12月 | 株式上場 | 大阪・東京証券取引所に上場 | 戦後復興期に公開会社化 | |||
1964 1-12月 | 組織再編 | 福井機械(現エイチアンドエフ)を設立 福井機械株式会社を設立した。現在は連結子会社の株式会社エイチアンドエフとして産業機械事業を担う。 | ||||
1965 1-12月 | 組織再編 | 堺工場が操業開始 堺工場が操業を開始した。1987年に一旦閉鎖され、1993年に旧堺工場跡地で新堺工場を新設・操業再開する経緯を辿った。 | ||||
1971 1-12月 | 組織再編 | 舞鶴重工業を吸収合併 現舞鶴工場 | 環境プラント部門の拠点となる舞鶴を取り込み | |||
1973 1-12月 | 組織再編 | 有明工場が操業開始 九州・有明地区において有明工場が操業を開始した。後年、ディーゼル機関拠点として再編の対象となった。 | ||||
1977 1-12月 | 企業買収 | アタカ工業(現アタカ大機)を経営系列化 水処理事業 | 水処理・環境事業の本格化 | |||
FY92 1992/3 | 売上高 3,980億円 | 当期純利益 200億円 | 組織再編 | 茨城工場が操業開始 茨城工場が操業を開始した。環境プラント分野の生産拠点として位置づけられた。 | ||
FY93 1993/3 | 売上高 4,478億円 | 当期純利益 120億円 | ||||
FY94 1994/3 | 売上高 5,245億円 | 当期純利益 60億円 | ||||
FY95 1995/3 | 売上高 5,475億円 | 当期純利益 67億円 | ||||
FY96 1996/3 | 売上高 5,979億円 | 当期純利益 89億円 | ||||
FY97 1997/3 | 売上高 6,352億円 | 当期純利益 117億円 | ||||
FY98 1998/3 | 売上高 5,966億円 | 当期純利益 -133億円 | 組織再編 | 桜島工場閉鎖・南港ビルへ本社部門を集約 1900年から操業した桜島工場を閉鎖した。同月に大阪市住之江区の南港ビルが完成し、営業・設計・エンジニアリング・調達及び本社部門の拠点として集約された。 | ||
FY99 1999/3 | 売上高 5,174億円 | 当期純利益 -273億円 | ||||
FY00 2000/3 | 売上高 4,754億円 | 当期純利益 24億円 | ||||
FY01 2001/3 | 売上高 4,622億円 | 当期純利益 29億円 | ||||
FY02 2002/3 | 売上高 4,391億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 35億円 | ||||
FY03 2003/3 | 売上高 3,952億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -351億円 | 合弁設立 | 造船事業をユニバーサル造船に営業譲渡 日本鋼管との共同出資会社に譲渡。現ジャパンマリンユナイテッド | 社名「日立造船」から造船事業が消滅。環境・プラント企業への転換点 | |
FY04 2004/3 | 売上高 3,374億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 122億円 | ||||
FY05 2005/3 | 売上高 3,377億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 10億円 | ||||
FY06 2006/3 | 売上高 3,338億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -290億円 | 当期純損失▲290億円を計上 造船事業譲渡後の構造転換期 | 造船撤退後の事業再構築の苦境 | ||
FY07 2007/3 | 売上高 2,934億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 10億円 | ||||
FY08 2008/3 | 売上高 2,955億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 156億円 | ||||
FY09 2009/3 | 売上高 2,986億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 14億円 | 組織再編 | 神奈川工場閉鎖 神奈川工場を閉鎖した。造船事業の譲渡(2002年)後の構造転換の一環として、不採算拠点の整理が継続された。 | ||
FY10 2010/3 | 売上高 2,735億円 | 当期純利益 79億円 | ||||
FY11 2011/3 | 売上高 2,871億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 96億円 | ||||
FY12 2012/3 | 売上高 3,030億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 93億円 | ||||
FY13 2013/3 | 売上高 2,967億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 74億円 | ||||
FY14 2014/3 | 売上高 3,334億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 37億円 | ||||
FY15 2015/3 | 売上高 3,593億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 51億円 | 企業買収 | スイスAE&E Inova AG(現Kanadevia Inova AG)を完全子会社化 ごみ焼却発電プラントの欧州大手 | 環境プラント事業の欧州展開基盤。後のグループ中核事業 | |
組織再編 | アタカ大機を吸収合併 水処理事業の完全統合 | 水処理事業の組織簡素化 | ||||
FY16 2016/3 | 売上高 3,870億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 58億円 | ||||
FY17 2017/3 | 売上高 3,993億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 58億円 | ||||
FY18 2018/3 | 売上高 3,764億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 21億円 | ||||
FY19 2019/3 | 売上高 3,781億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 54億円 | 企業買収 | Osmoflo Holdings(豪)を子会社化 海水淡水化プラント事業 | 水事業のグローバル展開 | |
FY20 2020/3 | 売上高 4,024億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 21億円 | 社長交代 | 三野禎男が社長就任 谷所敬の後任 | 後の社名変更を主導する体制の始動 | |
FY21 2021/3 | 売上高 4,085億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 42億円 | ||||
FY22 2022/3 | 売上高 4,417億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 78億円 | 組織再編 | シールド掘進機事業を川崎重工業との共同新設分割で地中空間開発に承継 TBM等の設計・開発・販売。製造は除く | シールド掘進機事業の競合連携化 | |
企業買収 | 独Steinmüller Babcock Environment(現Kanadevia Inova Steinmüller)を子会社化 環境プラントの欧州事業強化 | 欧州環境事業の規模拡大 | ||||
FY23 2023/3 | 売上高 4,926億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 155億円 | 株式上場 | 東証プライム市場に移行 | ||
FY24 2024/3 | 売上高 5,558億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 189億円 | 組織再編 | 舶用原動機事業を日立造船マリンエンジンに承継 事業子会社化 | 舶用エンジン事業の独立運営化 | |
FY25 2025/3 | 売上高 6,105億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 221億円 | 組織再編 | 社名を日立造船からカナデビア株式会社に変更 造船事業を持たないのに「造船」を名乗る81年来のギャップを解消 | 社名「日立造船」誕生から81年での改称。造船撤退(2002年)から22年を経た社名と事業実態の一致 | |
連結売上収益6,105億円・営業利益269億円で過去最高 | 社名変更後初の通期決算で過去最高業績 |
- 英国人E.H.ハンターが大阪鉄工所を大阪安治川岸に創立
カナデビアの前身。明治初期の民間造船所
明治初期の日本民間造船業の源流の一つ。外国人技術者による創業 - 桜島造船場操業開始
- 因島船渠株式会社を買収、因島工場化
旧株式会社大阪鉄工所時代
瀬戸内の造船基盤を取り込み - 株式会社大阪鉄工所を設立
前大阪鉄工所の事業一切を継承
個人創業から株式会社化 - 原田造船所より築港工場を買収
株式会社原田造船所より築港工場を買収した。大正期の能力拡充の一環として位置づけられる。
- 彦島船渠を買収して彦島工場化
彦島船渠株式会社を買収し、彦島工場とした。瀬戸内・関門地域への生産拠点拡張となった。
- 日本産業が大阪鉄工所株式を全取得、日本産業大阪鉄工所を設立
資本金1,200万円
日産コンツェルン傘下入り。財閥系列化 - 社名を株式会社大阪鉄工所に改称
- 日立製作所が全株式を肩代わり、日立系列下に
日本産業保有分を日立製作所が取得
戦時経済下で日立グループ入り。以後80年以上続く日立系列関係の始まり - 社名を日立造船株式会社と改称
戦時統合の一環
以後81年にわたって使われる「日立造船」の誕生 - 向島船渠・原田造船を吸収合併戦時統合による生産能力拡大
- 彦島工場を三菱重工業に譲渡
旧海軍の要請
戦時再編による拠点整理 - 神奈川造船所が操業開始
神奈川造船所(元神奈川工場)が操業を開始した。戦時下の生産体制拡大の一環として位置づけられる。
- 日立製作所保有株式を持株会社整理委員会に譲渡
財閥解体
戦後の独立系企業化 - 全株式を一般に放出・公開
- 大阪・東京証券取引所に上場戦後復興期に公開会社化
- 福井機械(現エイチアンドエフ)を設立
福井機械株式会社を設立した。現在は連結子会社の株式会社エイチアンドエフとして産業機械事業を担う。
- 堺工場が操業開始
堺工場が操業を開始した。1987年に一旦閉鎖され、1993年に旧堺工場跡地で新堺工場を新設・操業再開する経緯を辿った。
- 舞鶴重工業を吸収合併
現舞鶴工場
環境プラント部門の拠点となる舞鶴を取り込み - 有明工場が操業開始
九州・有明地区において有明工場が操業を開始した。後年、ディーゼル機関拠点として再編の対象となった。
- アタカ工業(現アタカ大機)を経営系列化
水処理事業
水処理・環境事業の本格化 - 茨城工場が操業開始
茨城工場が操業を開始した。環境プラント分野の生産拠点として位置づけられた。
- 桜島工場閉鎖・南港ビルへ本社部門を集約
1900年から操業した桜島工場を閉鎖した。同月に大阪市住之江区の南港ビルが完成し、営業・設計・エンジニアリング・調達及び本社部門の拠点として集約された。
- 造船事業をユニバーサル造船に営業譲渡
日本鋼管との共同出資会社に譲渡。現ジャパンマリンユナイテッド
社名「日立造船」から造船事業が消滅。環境・プラント企業への転換点 - 当期純損失▲290億円を計上
造船事業譲渡後の構造転換期
造船撤退後の事業再構築の苦境 - 神奈川工場閉鎖
神奈川工場を閉鎖した。造船事業の譲渡(2002年)後の構造転換の一環として、不採算拠点の整理が継続された。
- スイスAE&E Inova AG(現Kanadevia Inova AG)を完全子会社化
ごみ焼却発電プラントの欧州大手
環境プラント事業の欧州展開基盤。後のグループ中核事業 - アタカ大機を吸収合併
水処理事業の完全統合
水処理事業の組織簡素化 - Osmoflo Holdings(豪)を子会社化
海水淡水化プラント事業
水事業のグローバル展開 - 三野禎男が社長就任
谷所敬の後任
後の社名変更を主導する体制の始動 - シールド掘進機事業を川崎重工業との共同新設分割で地中空間開発に承継
TBM等の設計・開発・販売。製造は除く
シールド掘進機事業の競合連携化 - 独Steinmüller Babcock Environment(現Kanadevia Inova Steinmüller)を子会社化
環境プラントの欧州事業強化
欧州環境事業の規模拡大 - 東証プライム市場に移行
- 舶用原動機事業を日立造船マリンエンジンに承継
事業子会社化
舶用エンジン事業の独立運営化 - 社名を日立造船からカナデビア株式会社に変更
造船事業を持たないのに「造船」を名乗る81年来のギャップを解消
社名「日立造船」誕生から81年での改称。造船撤退(2002年)から22年を経た社名と事業実態の一致 - 連結売上収益6,105億円・営業利益269億円で過去最高社名変更後初の通期決算で過去最高業績
歴史的証言
現在、世界の造船所を見渡しますと、10万重量トン以上の船を建造しうる造船施設は、欧米では39基ありますが、日本ではわずか3基しかないという有様であります。現状のままで推移すると、将来大型船の大半は、外国で建造される結果にならないとも限りません。このような世界の海運造船界の趨勢に遅れないために、日立造船は堺臨海工業地帯に15万重量トンの建造ドッグ1基と、同じく修繕ドック1基とを建設することを決めました。
これが完成すると、年間約30万重量トンの新造船と、約300万総トンの修繕船を消化できるわけで、これは社運をかけた大事業であります。この完成には幾多の困難もありましょうが、3〜4年後には15万トンタンカーの進水が堺工場で見られるものと、今から楽しみにしております。
昨年の貿易自由化の実施以来、為替制限の撤廃、OECDの加盟など、わが国は遅ればせながらも、西欧先進国に歩調を揃え、国際化の方向に歩みを進めつつあります。したがって、今後直面する厳しい国際競争に対処するためには、わが国産業の安定成長を、強力に推し進めていかなければなりません。
「熊本県有明沿岸の長洲地区に165万㎡を埋め立て、陸上機械と100万トン・ドッグ建造の能力を持つ大型工場を新設する」
「いまは三菱の香焼工場がボロもうけしていますが、あと1年もたてば有明が動き出します。超大型船を連続建造して香焼に負けない収益をあげますよ」
私は6月まで21年間、経営トップの座にいました。そして今でも私にとって最大の"心の重荷"になっているのが、1978年の造船不況の時の体験なのです。希望退職を募り、結局、やめてもらった社員は1902人にのぼりました。"女房がみかん畑をやっているから、そっちの方で食べていく"とか、"自分で商売を始める"などと言って会社を去っていった社員の顔が瞼を離れません。今ごろ奥さんが辛い思いをしていないか、息子は上の学校に進んだのか、と人ごとならず心配になります。他人には、この心境は理解できないかもしれませんが、なにしろ私の決断が1902人とその家族の運命を変えたのです。
つらかったのは希望退職ばかりではありませんでした。大阪と広島にあった4つの工場を2つに集約した時には、1000人余りの造船技術者を陸上機械や海洋構造物の部門に配転しました。造船技術専門家としての誇りに生きているといってもいい彼らが、これを甘受するということは、人生の生き甲斐を失いかねないほどの大事件だったはずです。本当にすまない、と思いました。
これからも重化学工業の人員過剰問題はますます深刻になるでしょう。最近は簡単にレイオフ(一時帰休)を言い出す経営者が増えています。そうしなければ、収益を確保できないのだから、やむを得ない、という考え方は一見、当然のようにみえます。しかし私は、逆に雇用を維持するためのギリギリの努力をした結果、収益が低下し、配当率が落ちても致し方ない、経営者はまずそう考えて、雇用維持を追求すべきだと思う。そこで私は企業を評価する社会的なモノサシとして、売上高や利益だけではなく、社員の数を用いることを提言したい。