沿革年表 1998〜2025年における重要度別の出来事(合計30件)

年月区分社長/CEO出来事年度売上高純利益
重要事項会社設立
藤田晋
サイバーエージェントを設立
歴史的意義yutaka sugiura
技術者ゼロ、自社商品ゼロ。藤田晋が選んだのはWebMoneyの営業代行という、いわば他人の商材を売る商売だった。しかしこの選択は、初期投資を極限まで抑えながら顧客接点と市場情報を同時に獲得する合理的な設計でもあった。営業現場で掴んだ『広告主は効果測定を求めている』という感触が、わずか4ヶ月後のサイバークリック参入に直結する。プロダクトを持たない創業が、逆に市場観察の自由度を高めた。
1998
1-12月
サイバークリックの販売開始
歴史的意義yutaka sugiura
広告配信システムの自社開発に失敗し、オン・ザ・エッヂに全面委託。売上高の10%をロイヤリティとして支払う代わりに5年間の独占契約を勝ち取った。この契約設計が巧みだった。競合に同じ技術が流れることを防ぎつつ、2000回保証14〜18万円という明快な価格で中小企業を開拓し、2000年1月までに4728媒体を確保。技術を持たない会社が『仕組みの独占』で市場を押さえた事例として示唆的だ。
藤田晋
FY99
1999/9
売上高
4.52億円
重要事項
藤田晋
東証マザーズに株式上場
赤字企業が評価額624億円で207億円を調達し、半年後に時価総額100億円まで暴落する。保有現金が企業価値を上回るという異常事態は村上ファンドの介入を招いた。しかし皮肉にも、バブル期に調達した200億円超のキャッシュがその後のアメーバやAbemaへの長期投資を可能にした。バブルの頂点で調達した資金が、10年以上にわたる赤字事業への投資余力となった構造は興味深い。
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FY00
2000/9
売上高
32億円
渋谷マークシティに本社移転
重要事項株主対応
藤田晋
村上ファンドが株主提案
時価総額100億円に対し現金200億円超。村上ファンドはこの歪みを突いて約9億円で9%超を取得した。さらに危険だったのは、村上がGMOに株を売れば30%超の拒否権ブロックが成立する可能性があった点だ。藤田の持株34%では単独支配できない。この窮地を救ったのが楽天・三木谷で、8.6%を取得し実質的な買収防衛となった。バブルで調達した資金が、逆に企業の生存を脅かすという皮肉な展開だった。
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FY01
2001/9
売上高
63億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-20億円
藤田晋
FY02
2002/9
売上高
108億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-2億円
重要事項
藤田晋
終身雇用宣言
離職率30%、年200名採用しても100名が辞める。この消耗戦を終わらせるために藤田社長が選んだのは、ベンチャーらしからぬ『終身雇用宣言』だった。2駅ルールや休んでファイブといった福利厚生は採用コストとの比較で合理的と判断された。当時若手の曽山哲人氏を人事本部長に据え、制度と文化の両面を再設計した結果、離職率は15%まで半減。組織の安定が広告営業の拡大を支え、従業員1000名超の体制を実現した。2004年9月期決算説明資料も「退職率低下傾向」を明記し、終身雇用宣言から1年半で改革効果が数値で表れた。
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FY03
2003/9
売上高
162億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-24億円
組織再編
藤田晋
CAJJプログラムを導入
新規事業をJ1(中核)/J2(先行投資)/J3(新規)に階層化。粗利益と赤字下限の昇降格基準を四半期決算説明資料で社外開示。後の大量子会社経営の原型
FY04
2004/9
売上高
267億円
当期純利益
40億円
黒字転換
サイバーエージェントは黒字確保のために、保有していた投資有価証券(ベンチャー投資先企業)の売却を開始。2004年度にトラフィックゲート、GOCOO、クレッシェンドの3社、2005年度にクレッシェンド、ジェット証券の2社の株式を売却し、合計48億円の売却益を計上した。
投資育成事業を開始
重要事項
アメーバブログを開設
2004/9/16開設。山川健一・片岡義男・素樹文生・狗飼恭子等の著名作家を初期から囲い込み、コンテンツ確保で立ち上げ
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組織再編
藤田晋
アメーバ事業本部を新設
歴史的意義yutaka sugiura
事業責任者の前任を異動させ、藤田社長が自ら直轄、2009年までの黒字化を掲げ未達なら退任すると宣言。約60億円の先行投資は上場時の調達資金が原資だ。月間PVをKPIに据えたのは、広告在庫=PVという明快な収益構造を見据えた判断だった。営業人員数に比例する広告代理モデルから、レバレッジの効くメディア保有モデルへの転換。この構造転換がなければ、後のAbemaへの大型投資も発想できなかっただろう。
FY05
2005/9
売上高
432億円
当期純利益
24億円
重要事項
藤田晋
エンジニア採用を開始
1日1500万PV、ピーク時毎秒6000クエリ。この負荷に外注体制は耐えられず夜間のサーバーダウンが常態化していた。藤田は自らのブログで『6月末までに20名採用』と宣言。入社した佐藤真人が3年かけてOracleからMySQLへの移行と負荷分散アーキテクチャを再構築し、2010年9月期に黒字化を達成した。営業会社が技術企業へ変貌する転換点であり、この経験がなければ後のゲーム・アドテク事業も成立しなかった。
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FY06
2006/9
売上高
601億円
親会社株主に帰属する当期純利益
43億円
藤田晋
FY07
2007/9
売上高
760億円
親会社株主に帰属する当期純利益
20億円
藤田晋
FY08
2008/9
売上高
870億円
当期純利益
10億円
組織再編
藤田晋
CAJJプログラムを5段階に拡張
J1-J3の3段階をJ1-J5の5段階へ。J1基準を営業利益1億円以上/Qに引き上げ、各事業の利益拡大を目指す
FY09
2009/9
売上高
938億円
当期純利益
12億円
アメーバピグの提供を開始
藤田晋
Ameba事業が黒字転換
FY10
2010/9
売上高
966億円
当期純利益
54億円
組織再編
藤田晋
スマホシフトを宣言
歴史的意義yutaka sugiura
スマホシフト宣言と同時にCygamesを設立し、『神撃のバハムート』が国内外でヒット。広告側ではAMoAdからアドテク本部新設へと内製投資を加速した。PC依存の広告代理モデルから、ゲーム×アドテクという二本柱への転換は2015年度に純利益147億円という過去最高益で結実する。後にCygames株式の一部売却で60.6億円を計上するなど、子会社育成が資本政策にも寄与した点は見逃せない。
FY11
2011/9
売上高
1,195億円
当期純利益
73億円
藤田晋
FY12
2012/9
売上高
1,411億円
親会社株主に帰属する当期純利益
85億円
事業売却
藤田晋
サイバーエージェントFXの株式売却
歴史的意義yutaka sugiura
外為どっとコムのOEMで自社開発せずに参入し、売上高80億円・営業利益32億円まで育てたFX事業をヤフーに210億円で売却。売却益103億円。高収益事業を手放すのは一見非合理だが、スマホシフトとのシナジーが薄い事業に経営資源を割く余裕はなかった。この資金はゲームとアドテクへの投資原資となり、事業を率いた西條晋一は退任後にベンチャー投資へ転身した。事業と人材が同時に巣立った象徴的な売却だった。
FY13
2013/9
売上高
1,624億円
親会社株主に帰属する当期純利益
105億円
スマホ向け大規模プロモーションを実施
藤田晋
Ameba事業の構造改革を実施
収益性の低いサービスの中止を決定。Ameba事業の担当従業員数を1600名から800名へと半減。収益改善を目論む
FY14
2014/9
売上高
2,052億円
親会社株主に帰属する当期純利益
95億円
重要事項業務提携
藤田晋
AbemaTVを設立
歴史的意義yutaka sugiura
テレビ朝日と60:40で合弁設立し、18チャンネル・無料常時放送という既存動画サービスと異なる設計で参入。年間数百億円の赤字を前提に『10年間投資を継続する』と藤田は明言した。2022年時点で債務超過は1111億円に達したが、ゲーム事業の高収益が投資を支え続けた。アメーバで60億円、AbemaTVで桁違いの赤字を許容する姿勢は、2000年の上場で得た資金余力が生んだ経営スタイルの延長線上にある。
FY15
2015/9
売上高
2,543億円
親会社株主に帰属する当期純利益
147億円
藤田晋
FY16
2016/9
売上高
3,106億円
親会社株主に帰属する当期純利益
136億円
藤田晋
FY17
2017/9
売上高
3,713億円
親会社株主に帰属する当期純利益
40億円
藤田晋
FY18
2018/9
売上高
4,195億円
親会社株主に帰属する当期純利益
48億円
重要事項
藤田晋
ゼルビアに資本参加。Jリーグクラブ経営に参入
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FY19
2019/9
売上高
4,536億円
親会社株主に帰属する当期純利益
16億円
WinTicketを設立
Abema Towersに本社移転
重要事項
藤田晋
藤田社長の選任賛成比が低下
2019年12月の株主総会において、藤田社長の選任賛成比率が57.56%となり社長解任の危機に陥った。機関投資家がサイバーエージェントの社外取締役比率の低さを問題視し、議決権行使助言会社のISSが議案に反対したことが要因
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FY20
2020/9
売上高
4,785億円
親会社株主に帰属する当期純利益
66億円
藤田晋
最高益を達成
連結決算において売上高6664億円・営業利益1043億円を達成。ゲーム事業のウマ娘のヒットにより大幅増益。一方、単体決算において、債務超過に陥っている子会社AbemaTVに対する貸付金に関して900億円の引当金を計上。このため単体ベースでサイバーエージェントは690億円の最終赤字に転落
FY21
2021/9
売上高
6,661億円
親会社株主に帰属する当期純利益
412億円
重要事項
藤田晋
FIFAワールドカップの国内放映権を取得
ウマ娘のヒットを受けて、ワールドカップの放映権を取得。AbemaTVにおける投資のため、サイバーエージェントの負担金額は不明
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FY22
2022/9
売上高
7,099億円
親会社株主に帰属する当期純利益
229億円
藤田晋
AbemaTVへの投資を継続
FY23
2023/9
売上高
7,194億円
親会社株主に帰属する当期純利益
35億円
重要事項
サクセッションプランを公表
藤田社長の候補候補について、社内から抜擢する方針を表明。取締役会を中心にサクセッションプランを始動した
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企業買収を積極化
業績予想を下方修正
2023年7月にFY2023(9月期)の下方修正を発表。ウマ娘のヒットの反動により75%の経常利益の減益を予想
藤田晋
FY24
2024/9
売上高
8,012億円
親会社株主に帰属する当期純利益
159億円
藤田晋
FY25
2025/9
売上高
8,740億円
親会社株主に帰属する当期純利益
316億円
  1. 会社設立
    サイバーエージェントを設立
    技術者ゼロ、自社商品ゼロ。藤田晋が選んだのはWebMoneyの営業代行という、いわば他人の商材を売る商売だった。しかしこの選択は、初期投資を極限まで抑えながら顧客接点と市場情報を同時に獲得する合理的な設計でもあった。営業現場で掴んだ『広告主は効果測定を求めている』という感触が、わずか4ヶ月後のサイバークリック参入に直結する。プロダクトを持たない創業が、逆に市場観察の自由度を高めた。
  2. サイバークリックの販売開始
    広告配信システムの自社開発に失敗し、オン・ザ・エッヂに全面委託。売上高の10%をロイヤリティとして支払う代わりに5年間の独占契約を勝ち取った。この契約設計が巧みだった。競合に同じ技術が流れることを防ぎつつ、2000回保証14〜18万円という明快な価格で中小企業を開拓し、2000年1月までに4728媒体を確保。技術を持たない会社が『仕組みの独占』で市場を押さえた事例として示唆的だ。
  3. 渋谷マークシティに本社移転
  4. 組織再編
    CAJJプログラムを導入

    新規事業をJ1(中核)/J2(先行投資)/J3(新規)に階層化。粗利益と赤字下限の昇降格基準を四半期決算説明資料で社外開示。後の大量子会社経営の原型

  5. 黒字転換

    サイバーエージェントは黒字確保のために、保有していた投資有価証券(ベンチャー投資先企業)の売却を開始。2004年度にトラフィックゲート、GOCOO、クレッシェンドの3社、2005年度にクレッシェンド、ジェット証券の2社の株式を売却し、合計48億円の売却益を計上した。

  6. 投資育成事業を開始
  7. 組織再編
    アメーバ事業本部を新設
    事業責任者の前任を異動させ、藤田社長が自ら直轄、2009年までの黒字化を掲げ未達なら退任すると宣言。約60億円の先行投資は上場時の調達資金が原資だ。月間PVをKPIに据えたのは、広告在庫=PVという明快な収益構造を見据えた判断だった。営業人員数に比例する広告代理モデルから、レバレッジの効くメディア保有モデルへの転換。この構造転換がなければ、後のAbemaへの大型投資も発想できなかっただろう。
  8. 組織再編
    CAJJプログラムを5段階に拡張

    J1-J3の3段階をJ1-J5の5段階へ。J1基準を営業利益1億円以上/Qに引き上げ、各事業の利益拡大を目指す

  9. アメーバピグの提供を開始
  10. Ameba事業が黒字転換
  11. 組織再編
    スマホシフトを宣言
    スマホシフト宣言と同時にCygamesを設立し、『神撃のバハムート』が国内外でヒット。広告側ではAMoAdからアドテク本部新設へと内製投資を加速した。PC依存の広告代理モデルから、ゲーム×アドテクという二本柱への転換は2015年度に純利益147億円という過去最高益で結実する。後にCygames株式の一部売却で60.6億円を計上するなど、子会社育成が資本政策にも寄与した点は見逃せない。
  12. 事業売却
    サイバーエージェントFXの株式売却
    外為どっとコムのOEMで自社開発せずに参入し、売上高80億円・営業利益32億円まで育てたFX事業をヤフーに210億円で売却。売却益103億円。高収益事業を手放すのは一見非合理だが、スマホシフトとのシナジーが薄い事業に経営資源を割く余裕はなかった。この資金はゲームとアドテクへの投資原資となり、事業を率いた西條晋一は退任後にベンチャー投資へ転身した。事業と人材が同時に巣立った象徴的な売却だった。
  13. スマホ向け大規模プロモーションを実施
  14. Ameba事業の構造改革を実施

    収益性の低いサービスの中止を決定。Ameba事業の担当従業員数を1600名から800名へと半減。収益改善を目論む

  15. 業務提携
    AbemaTVを設立
    テレビ朝日と60:40で合弁設立し、18チャンネル・無料常時放送という既存動画サービスと異なる設計で参入。年間数百億円の赤字を前提に『10年間投資を継続する』と藤田は明言した。2022年時点で債務超過は1111億円に達したが、ゲーム事業の高収益が投資を支え続けた。アメーバで60億円、AbemaTVで桁違いの赤字を許容する姿勢は、2000年の上場で得た資金余力が生んだ経営スタイルの延長線上にある。
  16. WinTicketを設立
  17. Abema Towersに本社移転
  18. 最高益を達成

    連結決算において売上高6664億円・営業利益1043億円を達成。ゲーム事業のウマ娘のヒットにより大幅増益。一方、単体決算において、債務超過に陥っている子会社AbemaTVに対する貸付金に関して900億円の引当金を計上。このため単体ベースでサイバーエージェントは690億円の最終赤字に転落

  19. AbemaTVへの投資を継続
  20. 企業買収を積極化
  21. 業績予想を下方修正

    2023年7月にFY2023(9月期)の下方修正を発表。ウマ娘のヒットの反動により75%の経常利益の減益を予想