住友商事の沿革(1945〜2024年)
住友商事の創業から現在までの主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に一覧できる沿革(社史年表)ページです。 各年の売上高・純利益などの業績推移と、歴史的意義の解説をあわせて掲載しています。 社史・報道資料などの公開情報をもとに重要事項を判断の上、作成しています。
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1945 1-12月 | 日本建設産業を発足(現・住友商事) | 「商社禁止」の掟を破った出自が規定したリスク回避経営の構造 | ||||
FY57 1957/3 | 鉄鋼取引を拡大。「金ヘン」商社へ 終戦後の住友グループ各社のうち、鉄鋼生産に従事する住友金属工業、非鉄生産(主に銅)に従事する住友金属鉱山がそれぞれ業容を拡大し、住友商事はこれらグループ企業の販売部門としての役割を担った。この結果、住友商事の取り扱い品目は「鉄・非鉄」に傾斜する形となり、金属を取り扱う「金へん商社」として認識されるに至った。 | |||||
FY63 1963/3 | 商品本部制を導入 鉄鋼取引の偏重から脱却してするために、1962年12月に組織改革を実施して商品本部制を導入。9本部を設置することで、鉄鋼・非鉄金属・電機・機械・農水産・化成品・繊維・物資燃料・不動産の9つの領域で取り扱いの拡大を志向した。この組織改革を経て、住友商事は「金へん商社」から「総合商社」への転換を目指す。 | |||||
リース事業に参入 | ||||||
FY70 1970/3 | SIer・情報サービスに参入 | |||||
FY75 1975/3 | マツダ向け北米自動車販売を開始 | |||||
FY76 1976/3 | 売上高 55,095億円 | 当期純利益 73億円 | ||||
FY77 1977/3 | 売上高 58,254億円 | 当期純利益 75億円 | 住友金属と共同でサウジ向けシームレスパイプに投資 | |||
FY78 1978/3 | 売上高 58,835億円 | 当期純利益 73億円 | ||||
FY79 1979/3 | 売上高 58,491億円 | 当期純利益 76億円 | ||||
FY80 1980/3 | 売上高 76,006億円 | 当期純利益 100億円 | ||||
FY81 1981/3 | 売上高 96,551億円 | 当期純利益 111億円 | 海外大型PJの参画を見送り 1970年代までに三菱商事がブルネイLNG、三井物産がイランIJPC(のちに巨額損失を計上)のような大型事業投資を志向する中で、住友商事は海外の大型PJへの参画を見送った。 | |||
自動車向けリース事業に参入 | ||||||
FY82 1982/3 | 売上高 109,643億円 | 当期純利益 155億円 | ||||
FY83 1983/3 | 売上高 113,539億円 | 当期純利益 171億円 | ||||
FY84 1984/3 | 売上高 116,243億円 | 当期純利益 186億円 | ||||
FY85 1985/3 | 売上高 131,647億円 | 当期純利益 208億円 | ||||
FY88 1988/3 | 総合事業会社構想を発表 トレーディングに加えて、事業投資を推進するために「総合事業会社構想」を発表。1991年には事業投資を具現化するために中期事業計画「戦略95」を策定 | |||||
FY95 1995/3 | ケーブルテレビ事業に参入 | |||||
FY96 1996/3 | 売上高 161,700億円 | 当期純利益 203億円 | ||||
FY97 1997/3 | 売上高 134,354億円 | 当期純利益 -1,456億円 | 銅地金不正取引が発覚(不祥事) | 「浮利を追わず」の住友で投機損失2,800億円が生じた管理の盲点 | ||
FY98 1998/3 | 売上高 125,963億円 | 当期純利益 257億円 | ||||
FY99 1999/3 | 売上高 113,952億円 | 当期純利益 -225億円 | ||||
FY00 2000/3 | 売上高 106,724億円 | 当期純利益 260億円 | ||||
FY01 2001/3 | 売上高 101,006億円 | 当期純利益 266億円 | ||||
FY02 2002/3 | 売上高 96,654億円 | 当期純利益 272億円 | 「9事業部門・28本部」に体制変更 | |||
FY03 2003/3 | 収益 15,383億円 | 当期純利益 138億円 | ||||
FY04 2004/3 | 収益 17,085億円 | 当期純利益 666億円 | ||||
FY05 2005/3 | 収益 20,492億円 | 当期純利益 850億円 | ||||
FY06 2006/3 | 収益 25,814億円 | 当期純利益 1,602億円 | マダガスカルのニッケルPJに参画決定 | リスク回避路線を転換して踏み切った大型投資が最大の損失案件に | ||
FY07 2007/3 | 収益 30,772億円 | 当期純利益 2,110億円 | ||||
FY08 2008/3 | 収益 36,708億円 | 当期純利益 2,389億円 | ||||
FY10 2010/3 | 収益 28,767億円 | 当期利益 1,653億円 | ||||
FY11 2011/3 | 収益 31,001億円 | 当期利益 2,002億円 | ブラジル・ウジミナス鉱山の権益取得 ブラジルの鉄鉱石(ウジミナス鉱山)の権益取得を決定。運営会社の30%の株式を約1700億円で取得した。 | |||
FY12 2012/3 | 収益 32,609億円 | 当期利益 2,506億円 | 住商情報システムとCSKが経営統合・SCSKを発足 2011年に住商情報システムとCSKが経営統合してSCSKを発足。経営難に陥ったCSKを住商情報システムが救済する形の統合であり、統合後も住友商事が筆頭株主であり続けた。経営統合後の2012年3月末時点で、住友商事はSCSKの株式48%を保有。 | |||
FY13 2013/3 | 収益 30,162億円 | 当期利益 2,324億円 | 米テキサス州でタイトオイルPJに参画 原油価格高騰により、シェールガス・タイトオイルで採算が取れることを見込み、住友商事は米テキサス州におけるタイトオイルプロジェクト(生産物:原油6割、NGL*2割、天然ガス2割)への参画を決定。Devon社から既存検疫30%を13.65億ドル(推定約1100億円)で取得した。 | |||
FY14 2014/3 | 収益 33,174億円 | 当期利益 2,230億円 | ||||
FY15 2015/3 | 収益 37,622億円 | 当期利益 -731億円 | 投資損失で最終赤字に転落 2015年3月、住友商事は業績予想の下方修正を発表し、当初予定の100億円の黒字から850億円の最終赤字に転落する見込みを公表した。赤字転落の主因は海外の資源開発事業における採算悪化であり、2014年後半からの資源価格の全般的な下落が、住友商事が2000年代後半から積み上げてきた資源投資ポートフォリオを直撃した。主な減損の内訳は、米国タイトオイル開発PJ(テキサス州)で1,992億円、ブラジル鉄鉱石事業で623億円、米国シェールガス事業で311億円であった。
住友商事は2015年3月期に減損損失として3,103億円を一括計上し、当期純損失は731億円に達した。住友商事としては1996年の銅事件以来の最終赤字であり、減損額の規模は銅事件の2,852億円を上回った。リスク回避を経営原則としてきた住友商事が、2000年代の路線転換以降に積み上げた資源投資が、市況反転によって一斉に損失化した帰結であった。 | 堅実路線からの転換後に資源投資で3,103億円の減損を計上した帰結 | ||
FY16 2016/3 | 収益 40,108億円 | 当期利益 745億円 | ||||
FY17 2017/3 | 収益 39,969億円 | 当期利益 1,708億円 | ||||
FY18 2018/3 | 収益 48,273億円 | 当期利益 3,085億円 | ||||
FY19 2019/3 | 収益 53,392億円 | 当期利益 3,205億円 | ||||
FY20 2020/3 | 収益 52,998億円 | 当期利益 1,713億円 | ||||
FY21 2021/3 | 収益 46,450億円 | 当期利益 -1,530億円 | ||||
FY22 2022/3 | 収益 54,950億円 | 当期利益 4,636億円 | ||||
FY23 2023/3 | 収益 68,178億円 | 当期利益 5,651億円 | ||||
FY24 2024/3 | マダガスカルのニッケル事業で減損計上 マダガスカルにおけるニッケル事業(アンバトビー)の低迷は2016年の初回減損以降も継続した。2020年にはコロナウイルスの影響で操業が全面停止し、PJ会社の収益4.1億円に対して当期損失2,430億円という状況に陥った。同年7月にはパートナーであったシェリット・インターナショナルが経営不振に陥り、住友商事はPJ会社の株式を追加取得した。その後稼働を再開したものの業績は好転せず、FY2020に減損損失848億円、FY2023にも約890億円の減損を計上した。
FY2015からFY2023にかけて、住友商事はマダガスカルニッケル事業関連で推定累計2,660億円の減損を計上するに至った。2023年3月末時点で帳簿価額ベース約1,231億円(持分法投資)を保有しており、FY2023の追加減損890億円を反映した後のFY2024における残存減損リスクは約300億円と推定される。投資額とほぼ同規模の累計減損に至ったこの事業は、住友商事がリスク回避路線を転換して以降の最大の損失案件となった。 | 投資額とほぼ同規模の累計2,660億円の減損に至ったニッケル事業 | ||||
エリオット・マネジメントが住友商事の株式を少数保有(5%未満) | ||||||
新中期経営計画2024-2026を公表 |
- 日本建設産業を発足(現・住友商事)「商社禁止」の掟を破った出自が規定したリスク回避経営の構造
- 鉄鋼取引を拡大。「金ヘン」商社へ
終戦後の住友グループ各社のうち、鉄鋼生産に従事する住友金属工業、非鉄生産(主に銅)に従事する住友金属鉱山がそれぞれ業容を拡大し、住友商事はこれらグループ企業の販売部門としての役割を担った。この結果、住友商事の取り扱い品目は「鉄・非鉄」に傾斜する形となり、金属を取り扱う「金へん商社」として認識されるに至った。
- 商品本部制を導入
鉄鋼取引の偏重から脱却してするために、1962年12月に組織改革を実施して商品本部制を導入。9本部を設置することで、鉄鋼・非鉄金属・電機・機械・農水産・化成品・繊維・物資燃料・不動産の9つの領域で取り扱いの拡大を志向した。この組織改革を経て、住友商事は「金へん商社」から「総合商社」への転換を目指す。
- リース事業に参入
- SIer・情報サービスに参入
- マツダ向け北米自動車販売を開始
- 住友金属と共同でサウジ向けシームレスパイプに投資
- 海外大型PJの参画を見送り
1970年代までに三菱商事がブルネイLNG、三井物産がイランIJPC(のちに巨額損失を計上)のような大型事業投資を志向する中で、住友商事は海外の大型PJへの参画を見送った。
- 自動車向けリース事業に参入
- 総合事業会社構想を発表
トレーディングに加えて、事業投資を推進するために「総合事業会社構想」を発表。1991年には事業投資を具現化するために中期事業計画「戦略95」を策定
- ケーブルテレビ事業に参入
- 銅地金不正取引が発覚(不祥事)「浮利を追わず」の住友で投機損失2,800億円が生じた管理の盲点
- 「9事業部門・28本部」に体制変更
- マダガスカルのニッケルPJに参画決定リスク回避路線を転換して踏み切った大型投資が最大の損失案件に
- ブラジル・ウジミナス鉱山の権益取得
ブラジルの鉄鉱石(ウジミナス鉱山)の権益取得を決定。運営会社の30%の株式を約1700億円で取得した。
- 住商情報システムとCSKが経営統合・SCSKを発足
2011年に住商情報システムとCSKが経営統合してSCSKを発足。経営難に陥ったCSKを住商情報システムが救済する形の統合であり、統合後も住友商事が筆頭株主であり続けた。経営統合後の2012年3月末時点で、住友商事はSCSKの株式48%を保有。
- 米テキサス州でタイトオイルPJに参画
原油価格高騰により、シェールガス・タイトオイルで採算が取れることを見込み、住友商事は米テキサス州におけるタイトオイルプロジェクト(生産物:原油6割、NGL*2割、天然ガス2割)への参画を決定。Devon社から既存検疫30%を13.65億ドル(推定約1100億円)で取得した。
- 投資損失で最終赤字に転落
2015年3月、住友商事は業績予想の下方修正を発表し、当初予定の100億円の黒字から850億円の最終赤字に転落する見込みを公表した。赤字転落の主因は海外の資源開発事業における採算悪化であり、2014年後半からの資源価格の全般的な下落が、住友商事が2000年代後半から積み上げてきた資源投資ポートフォリオを直撃した。主な減損の内訳は、米国タイトオイル開発PJ(テキサス州)で1,992億円、ブラジル鉄鉱石事業で623億円、米国シェールガス事業で311億円であった。 住友商事は2015年3月期に減損損失として3,103億円を一括計上し、当期純損失は731億円に達した。住友商事としては1996年の銅事件以来の最終赤字であり、減損額の規模は銅事件の2,852億円を上回った。リスク回避を経営原則としてきた住友商事が、2000年代の路線転換以降に積み上げた資源投資が、市況反転によって一斉に損失化した帰結であった。
堅実路線からの転換後に資源投資で3,103億円の減損を計上した帰結 - マダガスカルのニッケル事業で減損計上
マダガスカルにおけるニッケル事業(アンバトビー)の低迷は2016年の初回減損以降も継続した。2020年にはコロナウイルスの影響で操業が全面停止し、PJ会社の収益4.1億円に対して当期損失2,430億円という状況に陥った。同年7月にはパートナーであったシェリット・インターナショナルが経営不振に陥り、住友商事はPJ会社の株式を追加取得した。その後稼働を再開したものの業績は好転せず、FY2020に減損損失848億円、FY2023にも約890億円の減損を計上した。 FY2015からFY2023にかけて、住友商事はマダガスカルニッケル事業関連で推定累計2,660億円の減損を計上するに至った。2023年3月末時点で帳簿価額ベース約1,231億円(持分法投資)を保有しており、FY2023の追加減損890億円を反映した後のFY2024における残存減損リスクは約300億円と推定される。投資額とほぼ同規模の累計減損に至ったこの事業は、住友商事がリスク回避路線を転換して以降の最大の損失案件となった。
投資額とほぼ同規模の累計2,660億円の減損に至ったニッケル事業 - エリオット・マネジメントが住友商事の株式を少数保有(5%未満)
- 新中期経営計画2024-2026を公表