沿革年表 1945〜2026年における重要度別の出来事(合計21件)

年月区分社長/CEO出来事年度売上高純利益
重要事項
日本建設産業を発足(現・住友商事)
歴史的意義yutaka sugiura
住友商事のリスク回避的な経営姿勢は、経営理念の選択というよりも、25年間の「商社設立禁止宣言」を撤回して生まれた出自に構造的に規定されている。禁じ手を破った以上、業績悪化は宣言撤回の判断そのものへの否定を意味し、堅実経営が組織的な必然となった。競合商社がロッキード事件やIJPCで巨額損失を被る中、住友商事はリスクを回避することで相対的な地位を高めた。この構造は「何もしないことが競争優位になる」という、商社業界に固有の生存戦略を示唆している。
1945
1-12月
鉄鋼取引を拡大。「金ヘン」商社へ
終戦後の住友グループ各社のうち、鉄鋼生産に従事する住友金属工業、非鉄生産(主に銅)に従事する住友金属鉱山がそれぞれ業容を拡大し、住友商事はこれらグループ企業の販売部門としての役割を担った。この結果、住友商事の取り扱い品目は「鉄・非鉄」に傾斜する形となり、金属を取り扱う「金へん商社」として認識されるに至った。
FY57
1957/3
商品本部制を導入
鉄鋼取引の偏重から脱却してするために、1962年12月に組織改革を実施して商品本部制を導入。9本部を設置することで、鉄鋼・非鉄金属・電機・機械・農水産・化成品・繊維・物資燃料・不動産の9つの領域で取り扱いの拡大を志向した。この組織改革を経て、住友商事は「金へん商社」から「総合商社」への転換を目指す。
FY63
1963/3
リース事業に参入
SIer・情報サービスに参入
FY70
1970/3
FY71
1971/3
売上高
15,465億円
当期純利益
32億円
FY72
1972/3
売上高
18,704億円
当期純利益
25億円
FY73
1973/3
売上高
22,757億円
当期純利益
44億円
FY74
1974/3
売上高
38,505億円
当期純利益
74億円
マツダ向け北米自動車販売を開始
FY75
1975/3
売上高
51,178億円
当期純利益
72億円
FY76
1976/3
売上高
55,095.61億円
当期純利益
73.02億円
住友金属と共同でサウジ向けシームレスパイプに投資
FY77
1977/3
売上高
58,254.44億円
当期純利益
75.42億円
FY78
1978/3
売上高
58,335.97億円
当期純利益
73.58億円
FY79
1979/3
売上高
58,491.5億円
当期純利益
76.59億円
FY80
1980/3
売上高
76,006.05億円
当期純利益
100.59億円
海外大型PJの参画を見送り
1970年代までに三菱商事がブルネイLNG、三井物産がイランIJPC(のちに巨額損失を計上)のような大型事業投資を志向する中で、住友商事は海外の大型PJへの参画を見送った。
FY81
1981/3
売上高
96,551.91億円
当期純利益
111.7億円
自動車向けリース事業に参入
FY82
1982/3
売上高
109,643.38億円
当期純利益
155.73億円
FY83
1983/3
売上高
113,539.08億円
当期純利益
171.88億円
FY84
1984/3
売上高
116,243.3億円
当期純利益
186.81億円
FY85
1985/3
売上高
131,647.53億円
当期純利益
208.57億円
総合事業会社構想を発表
トレーディングに加えて、事業投資を推進するために「総合事業会社構想」を発表。1991年には事業投資を具現化するために中期事業計画「戦略95」を策定
FY88
1988/3
FY92
1992/3
売上高
199,367億円
当期純利益
365億円
FY93
1993/3
売上高
180,270億円
当期純利益
205億円
FY94
1994/3
売上高
170,003億円
当期純利益
73億円
岡素之
ケーブルテレビ事業に参入
FY95
1995/3
売上高
161,395億円
当期純利益
73億円
岡素之
FY96
1996/3
売上高
161,700億円
当期純利益
203億円
重要事項
岡素之
銅地金不正取引が発覚(不祥事)
リスク回避を経営原則とする住友商事において、一人のトレーダーが10年間にわたり簿外取引を継続できたことは、組織的な管理体制の盲点を示している。浜中は銅市場で「5%の男」と呼ばれるほどの実績を持ち、その属人的な収益貢献が内部統制による監視を形骸化させた構造がうかがえる。危機対応においては英米当局への全面協力を最優先とし、国際的な信用毀損の回避に成功した点も注目に値する。
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FY97
1997/3
売上高
134,354億円
当期純利益
-1,456億円
岡素之
FY98
1998/3
売上高
125,963億円
当期純利益
257億円
岡素之
FY99
1999/3
売上高
113,952億円
当期純利益
-225億円
岡素之
FY00
2000/3
売上高
106,724億円
当期純利益
260億円
岡素之
FY01
2001/3
売上高
101,006億円
当期純利益
266億円
岡素之
「9事業部門・28本部」に体制変更
FY02
2002/3
売上高
96,654億円
当期純利益
272億円
岡素之
FY03
2003/3
収益
15,383億円
当期純利益
138億円
岡素之
FY04
2004/3
収益
17,085億円
当期純利益
666億円
岡素之
FY05
2005/3
収益
20,492億円
当期純利益
850億円
加藤進
マダガスカルのニッケルPJに参画決定
歴史的意義yutaka sugiura
住友商事は創業以来「10年以上の長期プロジェクトには手を出さない」という方針のもとで大型案件を見送ってきた。アンバトビーへの参画はその路線からの明確な転換であり、47.7%の出資比率でプロジェクトをリードする形をとった。しかし建設コストの倍増と市況下落が重なり、投資額に見合うリターンを生み出せない構造に陥った。リスク回避で優位性を築いた商社が、路線転換で最大の損失案件を生んだ構造は示唆的である。
FY06
2006/3
収益
25,814億円
当期純利益
1,602億円
加藤進
FY07
2007/3
収益
30,772億円
当期純利益
2,110億円
加藤進
FY08
2008/3
収益
36,708億円
当期純利益
2,389億円
加藤進
FY09
2009/3
収益
35,115億円
当期純利益(住友商事㈱に帰属)
2,150億円
加藤進
FY10
2010/3
収益
28,841億円
当期純利益(住友商事㈱に帰属)
1,551億円
中村邦晴
ブラジル・ウジミナス鉱山の権益取得
ブラジルの鉄鉱石(ウジミナス鉱山)の権益取得を決定。運営会社の30%の株式を約1700億円で取得した。
FY11
2011/3
収益
31,001億円
当期利益(親会社の所有者に帰属)
2,002億円
中村邦晴
住商情報システムとCSKが経営統合・SCSKを発足
2011年に住商情報システムとCSKが経営統合してSCSKを発足。経営難に陥ったCSKを住商情報システムが救済する形の統合であり、統合後も住友商事が筆頭株主であり続けた。経営統合後の2012年3月末時点で、住友商事はSCSKの株式48%を保有。
FY12
2012/3
売上高
32,609億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,506億円
中村邦晴
米テキサス州でタイトオイルPJに参画
原油価格高騰により、シェールガス・タイトオイルで採算が取れることを見込み、住友商事は米テキサス州におけるタイトオイルプロジェクト(生産物:原油6割、NGL*2割、天然ガス2割)への参画を決定。Devon社から既存検疫30%を13.65億ドル(推定約1100億円)で取得した。
FY13
2013/3
売上高
30,162億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,324億円
中村邦晴
FY14
2014/3
売上高
33,174億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2,230億円
中村邦晴
投資損失で最終赤字に転落
2015年3月、住友商事は業績予想を下方修正し、当初100億円黒字予想から850億円の最終赤字に転落見込みと公表した。主因は海外資源開発の採算悪化で、2014年後半からの資源価格下落が2000年代後半以降の資源投資を直撃した。米テキサス州タイトオイル1,992億円、ブラジル鉄鉱石623億円、米シェールガス311億円など減損3,103億円を一括計上。1996年銅事件以来の最終赤字となった。
堅実路線からの転換後に資源投資で3,103億円の減損を計上した帰結
FY15
2015/3
売上高
37,622億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-731億円
中村邦晴
FY16
2016/3
売上高
40,108億円
親会社株主に帰属する当期純利益
745億円
兵頭誠之
FY17
2017/3
売上高
39,969億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,708億円
兵頭誠之
FY18
2018/3
売上高
48,273億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,085億円
兵頭誠之
FY19
2019/3
売上高
53,392億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,205億円
兵頭誠之
FY20
2020/3
売上高
52,998億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,713億円
兵頭誠之
FY21
2021/3
売上高
46,450億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-1,530億円
兵頭誠之
FY22
2022/3
売上高
54,950億円
親会社株主に帰属する当期純利益
4,636億円
上野真吾
FY23
2023/3
売上高
68,178億円
親会社株主に帰属する当期純利益
5,653億円
上野真吾
マダガスカルのニッケル事業で減損計上
マダガスカルのニッケル事業(アンバトビー)は2016年初回減損後も低迷が続き、2020年はコロナで操業全面停止し当期損失2,430億円。同年7月にはパートナーのシェリットが経営不振となり、住友商事はPJ会社株式を追加取得した。FY2020に848億円、FY2023にも約890億円を減損。FY2015〜FY2023の累計減損は推定2,660億円に達し、リスク回避路線転換以降の最大損失案件となった。
投資額とほぼ同規模の累計2,660億円の減損に至ったニッケル事業
FY24
2024/3
売上高
69,103億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,863億円
上野真吾
エリオット・マネジメントが住友商事の株式を少数保有(5%未満)
FY25
2025/3
売上高
72,920億円
親会社株主に帰属する当期純利益
5,618億円
新中期経営計画2024-2026を公表
FY26
2026/3
売上高
73,373億円
親会社株主に帰属する当期純利益
6,003億円
  1. 日本建設産業を発足(現・住友商事)
    住友商事のリスク回避的な経営姿勢は、経営理念の選択というよりも、25年間の「商社設立禁止宣言」を撤回して生まれた出自に構造的に規定されている。禁じ手を破った以上、業績悪化は宣言撤回の判断そのものへの否定を意味し、堅実経営が組織的な必然となった。競合商社がロッキード事件やIJPCで巨額損失を被る中、住友商事はリスクを回避することで相対的な地位を高めた。この構造は「何もしないことが競争優位になる」という、商社業界に固有の生存戦略を示唆している。
  2. 鉄鋼取引を拡大。「金ヘン」商社へ

    終戦後の住友グループ各社のうち、鉄鋼生産に従事する住友金属工業、非鉄生産(主に銅)に従事する住友金属鉱山がそれぞれ業容を拡大し、住友商事はこれらグループ企業の販売部門としての役割を担った。この結果、住友商事の取り扱い品目は「鉄・非鉄」に傾斜する形となり、金属を取り扱う「金へん商社」として認識されるに至った。

  3. 商品本部制を導入

    鉄鋼取引の偏重から脱却してするために、1962年12月に組織改革を実施して商品本部制を導入。9本部を設置することで、鉄鋼・非鉄金属・電機・機械・農水産・化成品・繊維・物資燃料・不動産の9つの領域で取り扱いの拡大を志向した。この組織改革を経て、住友商事は「金へん商社」から「総合商社」への転換を目指す。

  4. リース事業に参入
  5. SIer・情報サービスに参入
  6. マツダ向け北米自動車販売を開始
  7. 住友金属と共同でサウジ向けシームレスパイプに投資
  8. 海外大型PJの参画を見送り

    1970年代までに三菱商事がブルネイLNG、三井物産がイランIJPC(のちに巨額損失を計上)のような大型事業投資を志向する中で、住友商事は海外の大型PJへの参画を見送った。

  9. 自動車向けリース事業に参入
  10. 総合事業会社構想を発表

    トレーディングに加えて、事業投資を推進するために「総合事業会社構想」を発表。1991年には事業投資を具現化するために中期事業計画「戦略95」を策定

  11. ケーブルテレビ事業に参入
  12. 「9事業部門・28本部」に体制変更
  13. マダガスカルのニッケルPJに参画決定
    住友商事は創業以来「10年以上の長期プロジェクトには手を出さない」という方針のもとで大型案件を見送ってきた。アンバトビーへの参画はその路線からの明確な転換であり、47.7%の出資比率でプロジェクトをリードする形をとった。しかし建設コストの倍増と市況下落が重なり、投資額に見合うリターンを生み出せない構造に陥った。リスク回避で優位性を築いた商社が、路線転換で最大の損失案件を生んだ構造は示唆的である。
  14. ブラジル・ウジミナス鉱山の権益取得

    ブラジルの鉄鉱石(ウジミナス鉱山)の権益取得を決定。運営会社の30%の株式を約1700億円で取得した。

  15. 住商情報システムとCSKが経営統合・SCSKを発足

    2011年に住商情報システムとCSKが経営統合してSCSKを発足。経営難に陥ったCSKを住商情報システムが救済する形の統合であり、統合後も住友商事が筆頭株主であり続けた。経営統合後の2012年3月末時点で、住友商事はSCSKの株式48%を保有。

  16. 米テキサス州でタイトオイルPJに参画

    原油価格高騰により、シェールガス・タイトオイルで採算が取れることを見込み、住友商事は米テキサス州におけるタイトオイルプロジェクト(生産物:原油6割、NGL*2割、天然ガス2割)への参画を決定。Devon社から既存検疫30%を13.65億ドル(推定約1100億円)で取得した。

  17. 投資損失で最終赤字に転落

    2015年3月、住友商事は業績予想を下方修正し、当初100億円黒字予想から850億円の最終赤字に転落見込みと公表した。主因は海外資源開発の採算悪化で、2014年後半からの資源価格下落が2000年代後半以降の資源投資を直撃した。米テキサス州タイトオイル1,992億円、ブラジル鉄鉱石623億円、米シェールガス311億円など減損3,103億円を一括計上。1996年銅事件以来の最終赤字となった。

    堅実路線からの転換後に資源投資で3,103億円の減損を計上した帰結
  18. マダガスカルのニッケル事業で減損計上

    マダガスカルのニッケル事業(アンバトビー)は2016年初回減損後も低迷が続き、2020年はコロナで操業全面停止し当期損失2,430億円。同年7月にはパートナーのシェリットが経営不振となり、住友商事はPJ会社株式を追加取得した。FY2020に848億円、FY2023にも約890億円を減損。FY2015〜FY2023の累計減損は推定2,660億円に達し、リスク回避路線転換以降の最大損失案件となった。

    投資額とほぼ同規模の累計2,660億円の減損に至ったニッケル事業
  19. エリオット・マネジメントが住友商事の株式を少数保有(5%未満)
  20. 新中期経営計画2024-2026を公表