沿革年表 2013〜2025年における重要度別の出来事(合計37件)

年月区分社長/CEO出来事年度売上高純利益
重要事項会社設立
株式会社コウゾウを設立(現メルカリ)
歴史的意義yutaka sugiura
山田進太郎氏はウノウの設立・売却を経て、プロダクトの質こそが勝敗を分けるという確信を持っていた。GoogleもFacebookも先発ではなかったという認識のもと、既存のPC型オークション市場をスマホで再定義するアプローチを選択した。創業時からVCの資金で「自分の財布と会社の財布を分ける」ことで採用投資に踏み切れた点や、WebViewを途中で廃棄してネイティブに切り替えた判断には、完成度より市場適合を優先する姿勢が表れている。
FY13
2013/6
売上高
0億円
経常利益
-0.02億円
重要事項
スマホアプリ「メルカリ」をリリース
メルカリがヤフオクと決定的に異なるのは、オークション方式を採用せず即決価格を基本とした点にある。価格が決まっている方が購入の意思決定が速く、出品者にとっても値付けの心理的負担が軽い。この設計により出品から購入までの回転速度が上がり、取引の「日常化」が実現した。完成度よりも実利用からの学習を優先し、UIや文言を高頻度で更新し続けたことで、従来CtoCに参加しなかった層を巻き込み、フリマアプリという新カテゴリそのものを市場に定着させた。
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FY14
2014/6
売上高
0億円
経常利益
-13.7億円
組織再編
社名を株式会社メルカリに変更
アプリ名「メルカリ」と社名を一致させるため、設立時の「株式会社コウゾウ」から「株式会社メルカリ」へ社名を変更した。アプリのブランド浸透を優先し、企業名としても統一を図った。
Mercari, Inc.を設立(米国)
重要事項
14.5億円を調達・テレビCMの放映
2014年時点でスタートアップがテレビCMを打つことは異例であり、オンライン完結型サービスにマス広告は不要という見方が主流だった。しかし小泉文明氏は入社直後から資金調達・CM制作・仙台CSオフィス立ち上げを同時並行で進め、わずか3ヶ月で実行に移した。この判断の核心は、フリマアプリを一部のIT層に留めず一般生活者に認知させるには、短期間で大規模なリーチが必要だという認識にある。CM放映後の半年間で500万DLから700万DLへと加速し、ニッチからマスへの転換点となった。
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重要事項海外進出
米国で「Mercari」の提供を開始
米国子会社Mercari, Inc.を通じてCtoCマーケットプレイス「Mercari」を米国で提供開始した。日本国内モデルを米国市場に展開する形で、海外展開の第一歩を踏み出した。
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FY15
2015/6
売上高
42億円
経常利益
-10.9億円
販売手数料を有料化。売上計上を開始
ユーザーの拡大を受けてメルカリの出品者に対する手数料の徴収を開始。取引完了時点の出品者に対して売上高の10%を手数料として徴収。2014/10/1 9:00以降に出品された商品が対象で、メルカリは収益化のフェーズへ。ユーザーには9/26メールで通知しており猶予期間はわずか4日。プレスリリースは見当たらず。実質的な値上げで、プレスによる発表を回避したと推察される
本社を六本木ヒルズに移転
著名ビルに入居して人員採用を強化
ヤマト運輸と提携
山田進太郎
完全子会社ソウゾウを設立
CtoCのメルカリ以外の新規事業を本格化。特にシェアサイクルの「メルチャリ」に投資するも撤退へ
FY16
2016/6
売上高
122億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-3億円
Mercari Europe Ltd.を設立(英国)
「メルカリ」で匿名配送サービスを開始
ヤマト運輸との連携を活用し、出品者・購入者がそれぞれの住所・氏名を相手に開示せず取引できる匿名配送機能を導入した。CtoC取引における個人情報懸念を緩和し、利用者層を広げる狙いがあった。
83.5億円を資金調達
歴史的意義yutaka sugiura
83.5億円の調達は競合が本格参入する前に規模で圧倒するための先行投資であり、市場そのものを固定化する狙いがあった。実際、FY2015-FY2017の広告宣伝費率は55〜97%と異常に高く、売上の大半を広告に再投資する構造が常態化していた。この投資モデルはネットワーク効果による独占的地位の確立には有効だったが、一度組み上がった高固定費構造は成長鈍化局面での調整余地を狭めるリスクも孕んでいた。黒字化より規模を優先するという明確な意思表示が、メルカリの成長軌道と経営課題の両方を規定した転換点である。
企業買収
山田進太郎
ザワット株式会社を100%子会社化
ブランド品フリマアプリ「スマオク」を運営するザワット株式会社を完全子会社化した。CtoCマーケットプレイスの周辺領域に対する事業ポートフォリオ拡張の一環であった。
FY17
2017/6
売上高
220億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-42億円
重要事項
山田進太郎
メルペイを設立。決済の内製化に注力
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FY18
2018/6
売上高
357億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-70億円
新規事業
シェアサイクル「メルチャリ」を福岡で開始
子会社ソウゾウを通じて福岡市内でシェアサイクル事業を開始した。メルカリ以外の生活関連サービスの実証を狙ったが、後にシェアサイクル事業からは撤退した。
東証マザーズに株式上場
上場初日の終値ベースで時価総額7100億円を突破。ベンチャー企業の大型上場として注目を浴びたが、半年後に株価1/3へ
山田進太郎
マイクロサービス化の開始を公表
歴史的意義yutaka sugiura
マイクロサービス化で注目すべきは、システムの分割にとどまらず組織構造まで相似形に切り直そうとした点にある。CTOの若狭氏が述懐するように、サービスの切り方が正解かわからない段階で組織も同時に切り直した結果、ソフトウェアは修正できても組織の再編には数週間〜数ヶ月を要するという非対称性に直面した。元Google出身者が「Googleでは誰もマイクロサービスとは言っていなかった」と振り返る点も示唆的であり、急成長スタートアップが大企業の技術手法を導入する際の難しさを浮き彫りにしている。
FY19
2019/6
売上高
516億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-138億円
マイケル社を買収
自動車関連SNSサービス「CARTUNE」を展開するマイケル社(FY2019の営業赤字2億円)を12億円で買収。しかし、2020年6月時にのれん減損を計上した上で、イード社への事業売却を決定
新規事業
メルペイがスマホ決済サービスを開始
国内子会社メルペイがスマホ決済「メルペイ」の提供を開始した。フリマで得た売上金を実店舗・ネット決済で利用できる動線を整え、「メルカリ経済圏」の構築に着手した。
山田進太郎
鹿島アントラーズの株式取得
メルカリの認知向上のため、サッカークラブの運営に参入。株式61.6%を約15億円で取得すると発表。取得先は大株主の日本製鉄(新日本製鐵)から
FY20
2020/6
売上高
762億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-228億円
フリマアプリの競争激化
2019年10月にヤフーが「PayPayフリマ」のサービス提供を開始してメルカリに宣戦布告。PayPayフリマは2022年10月までの3年間でダウンロード数1500万件を突破し、スマホのフリマアプリをめぐる競争が激化へ
メルペイがOrigamiを買収
業務提携
NTTドコモとの業務提携を開始
ドコモのd払い・dポイント基盤との連携を含む業務提携を開始した。決済・ポイント領域での顧客接点拡張と、メルペイ加盟店ネットワークの実質的拡張を図った。
山田進太郎
BASEの株式6%を約70億円で売却
保有していたBASE社の株式を完全売却。売却先はメリルリンチ証券で市場外取引による。FY2021にメルカリは投資有価証券売却益(特別利益)として70億円を計上
FY21
2021/6
売上高
1,061億円
親会社株主に帰属する当期純利益
57億円
完全子会社ソウゾウを設立(2代目)
歴史的意義yutaka sugiura
メルカリShopsの狙いは、CtoC基盤の集客力を活かして事業者を取り込み、取引総額を拡張することにあった。あえて別会社とすることで既存事業のKPIから切り離し、意思決定速度を確保する設計だった。しかし出店数20万店を超えても、加盟店管理やCSのコスト負担が重く、取引拡大が収益改善に直結しなかった。28億円の減損と100名規模の人員削減は、個人間取引と事業者向け取引では求められるオペレーションが本質的に異なることを示した結果であり、プラットフォームの展開の難しさを映している。
新規事業
国内子会社メルコインを設立
暗号資産・ブロックチェーン領域の事業を担う子会社としてメルコインを設立した。後にビットコイン取引・イーサリアム取扱いを展開する基盤となった。
情報漏洩・不正決済が継続的に発生
歴史的意義yutaka sugiura
メルカリの不正問題で注目すべきは、2022年上半期だけで不正決済の補償額が32億円に達した規模感である。情報漏洩1.7万件、不正決済の補償32億円という数字は、マイクロサービス移行の過渡期にシステムの攻撃面が拡大していたことを示唆する。成長フェーズでは利便性を優先し、セキュリティ投資は後回しにされがちだが、プラットフォームが一定規模に達すると統制コストが急激に顕在化する。この局面は、メルカリがスタートアップ的な運営からプラットフォーム企業としての責任体制へ移行を迫られた転換点であった。
Mercari, Inc.で巨額減損を計上
歴史的意義yutaka sugiura
FY2018に103億円、FY2021に78億円と累計181億円の減損を計上した事実は、日本で成功したCtoCモデルの米国展開がいかに困難かを物語っている。米国にはeBay・Facebook Marketplaceなど既存の中古取引文化が根付いており、メルカリの強みであるスマホ完結の手軽さだけでは差別化が不十分だった。山田氏自身が投資家との対話で「全方位の積極投資から慎重な見極めへ」と姿勢を転換したことは、上場後に高い成長期待を背負ったテック企業が直面する投資規律の再構築という普遍的な課題を映し出している。
山田進太郎
「メルカリShops」の提供を開始
子会社ソウゾウが、メルカリ上に法人・個人事業主がネットショップを開設できる「メルカリShops」の提供を開始した。CtoC基盤の上にBtoCを乗せる試みであった。
FY22
2022/6
売上高
1,470億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-76億円
株式上場
東証プライム市場へ移行
東京証券取引所の市場区分再編に伴い、マザーズからプライム市場へ移行した。グローバル投資家を含むより広い投資家層への訴求が可能となった。
新規事業
山田進太郎
「メルカード」の提供を開始
メルペイが独自AI与信を活用したクレジットカード「メルカード」の提供を開始した。メルカリでの取引データを与信に組み込み、後払い・カード経済圏の拡張を図った。一方で未収入金増・貸倒リスクへの注視点ともなった。
FY23
2023/6
売上高
1,720億円
親会社株主に帰属する当期純利益
131億円
新規事業
メルコインがビットコイン取引サービスを開始
メルカリ上で売上金を活用したビットコイン取引が可能となるサービスをメルコインが提供開始した。フリマと暗号資産を結節点とする新たな顧客動線を整えた。
未収入金が増加
メルペイを通じた「定額払い」「メルカード」の提供により、後払いの増加によって未収入金がYoYで353億円増加。この結果、営業キャッシュフローはマイナスとなり悪化した。また、FY2023期末時点の貸倒引当金は54億円であり、あと払いによる潜在的な財務リスクが発生
組織再編
山田進太郎
指名委員会等設置会社へ移行
監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へガバナンス体制を移行した。経営の監督と執行を分離し、指名・報酬・監査を独立委員会が担う形へ移した。
FY24
2024/6
売上高
1,874億円
親会社株主に帰属する当期純利益
144億円
新規事業
「メルカリハロ」を提供開始
空き時間に短時間勤務先を見つけられる「メルカリハロ」の提供を開始した。フリマで構築したユーザー基盤を労働マッチング領域へ拡張する取り組みであった。
海外進出
メルカリ越境取引で台湾に進出
メルカリ越境取引機能を通じて、台湾の購入者が日本のメルカリ商品を購入できる体制を構築した。日本側の出品在庫を海外需要に開放する形で越境機能の拡張を図った。
FY25
2025/6
売上高
1,926億円
親会社株主に帰属する当期純利益
261億円
  1. 会社設立
    株式会社コウゾウを設立(現メルカリ)
    山田進太郎氏はウノウの設立・売却を経て、プロダクトの質こそが勝敗を分けるという確信を持っていた。GoogleもFacebookも先発ではなかったという認識のもと、既存のPC型オークション市場をスマホで再定義するアプローチを選択した。創業時からVCの資金で「自分の財布と会社の財布を分ける」ことで採用投資に踏み切れた点や、WebViewを途中で廃棄してネイティブに切り替えた判断には、完成度より市場適合を優先する姿勢が表れている。
  2. 組織再編
    社名を株式会社メルカリに変更

    アプリ名「メルカリ」と社名を一致させるため、設立時の「株式会社コウゾウ」から「株式会社メルカリ」へ社名を変更した。アプリのブランド浸透を優先し、企業名としても統一を図った。

  3. Mercari, Inc.を設立(米国)
  4. 販売手数料を有料化。売上計上を開始

    ユーザーの拡大を受けてメルカリの出品者に対する手数料の徴収を開始。取引完了時点の出品者に対して売上高の10%を手数料として徴収。2014/10/1 9:00以降に出品された商品が対象で、メルカリは収益化のフェーズへ。ユーザーには9/26メールで通知しており猶予期間はわずか4日。プレスリリースは見当たらず。実質的な値上げで、プレスによる発表を回避したと推察される

  5. 本社を六本木ヒルズに移転

    著名ビルに入居して人員採用を強化

  6. ヤマト運輸と提携
  7. 完全子会社ソウゾウを設立

    CtoCのメルカリ以外の新規事業を本格化。特にシェアサイクルの「メルチャリ」に投資するも撤退へ

  8. Mercari Europe Ltd.を設立(英国)
  9. 「メルカリ」で匿名配送サービスを開始

    ヤマト運輸との連携を活用し、出品者・購入者がそれぞれの住所・氏名を相手に開示せず取引できる匿名配送機能を導入した。CtoC取引における個人情報懸念を緩和し、利用者層を広げる狙いがあった。

  10. 83.5億円を資金調達
    83.5億円の調達は競合が本格参入する前に規模で圧倒するための先行投資であり、市場そのものを固定化する狙いがあった。実際、FY2015-FY2017の広告宣伝費率は55〜97%と異常に高く、売上の大半を広告に再投資する構造が常態化していた。この投資モデルはネットワーク効果による独占的地位の確立には有効だったが、一度組み上がった高固定費構造は成長鈍化局面での調整余地を狭めるリスクも孕んでいた。黒字化より規模を優先するという明確な意思表示が、メルカリの成長軌道と経営課題の両方を規定した転換点である。
  11. 企業買収
    ザワット株式会社を100%子会社化

    ブランド品フリマアプリ「スマオク」を運営するザワット株式会社を完全子会社化した。CtoCマーケットプレイスの周辺領域に対する事業ポートフォリオ拡張の一環であった。

  12. 新規事業
    シェアサイクル「メルチャリ」を福岡で開始

    子会社ソウゾウを通じて福岡市内でシェアサイクル事業を開始した。メルカリ以外の生活関連サービスの実証を狙ったが、後にシェアサイクル事業からは撤退した。

  13. 東証マザーズに株式上場

    上場初日の終値ベースで時価総額7100億円を突破。ベンチャー企業の大型上場として注目を浴びたが、半年後に株価1/3へ

  14. マイクロサービス化の開始を公表
    マイクロサービス化で注目すべきは、システムの分割にとどまらず組織構造まで相似形に切り直そうとした点にある。CTOの若狭氏が述懐するように、サービスの切り方が正解かわからない段階で組織も同時に切り直した結果、ソフトウェアは修正できても組織の再編には数週間〜数ヶ月を要するという非対称性に直面した。元Google出身者が「Googleでは誰もマイクロサービスとは言っていなかった」と振り返る点も示唆的であり、急成長スタートアップが大企業の技術手法を導入する際の難しさを浮き彫りにしている。
  15. マイケル社を買収

    自動車関連SNSサービス「CARTUNE」を展開するマイケル社(FY2019の営業赤字2億円)を12億円で買収。しかし、2020年6月時にのれん減損を計上した上で、イード社への事業売却を決定

  16. 新規事業
    メルペイがスマホ決済サービスを開始

    国内子会社メルペイがスマホ決済「メルペイ」の提供を開始した。フリマで得た売上金を実店舗・ネット決済で利用できる動線を整え、「メルカリ経済圏」の構築に着手した。

  17. 鹿島アントラーズの株式取得

    メルカリの認知向上のため、サッカークラブの運営に参入。株式61.6%を約15億円で取得すると発表。取得先は大株主の日本製鉄(新日本製鐵)から

  18. フリマアプリの競争激化

    2019年10月にヤフーが「PayPayフリマ」のサービス提供を開始してメルカリに宣戦布告。PayPayフリマは2022年10月までの3年間でダウンロード数1500万件を突破し、スマホのフリマアプリをめぐる競争が激化へ

  19. メルペイがOrigamiを買収
  20. 業務提携
    NTTドコモとの業務提携を開始

    ドコモのd払い・dポイント基盤との連携を含む業務提携を開始した。決済・ポイント領域での顧客接点拡張と、メルペイ加盟店ネットワークの実質的拡張を図った。

  21. BASEの株式6%を約70億円で売却

    保有していたBASE社の株式を完全売却。売却先はメリルリンチ証券で市場外取引による。FY2021にメルカリは投資有価証券売却益(特別利益)として70億円を計上

  22. 完全子会社ソウゾウを設立(2代目)
    メルカリShopsの狙いは、CtoC基盤の集客力を活かして事業者を取り込み、取引総額を拡張することにあった。あえて別会社とすることで既存事業のKPIから切り離し、意思決定速度を確保する設計だった。しかし出店数20万店を超えても、加盟店管理やCSのコスト負担が重く、取引拡大が収益改善に直結しなかった。28億円の減損と100名規模の人員削減は、個人間取引と事業者向け取引では求められるオペレーションが本質的に異なることを示した結果であり、プラットフォームの展開の難しさを映している。
  23. 新規事業
    国内子会社メルコインを設立

    暗号資産・ブロックチェーン領域の事業を担う子会社としてメルコインを設立した。後にビットコイン取引・イーサリアム取扱いを展開する基盤となった。

  24. 情報漏洩・不正決済が継続的に発生
    メルカリの不正問題で注目すべきは、2022年上半期だけで不正決済の補償額が32億円に達した規模感である。情報漏洩1.7万件、不正決済の補償32億円という数字は、マイクロサービス移行の過渡期にシステムの攻撃面が拡大していたことを示唆する。成長フェーズでは利便性を優先し、セキュリティ投資は後回しにされがちだが、プラットフォームが一定規模に達すると統制コストが急激に顕在化する。この局面は、メルカリがスタートアップ的な運営からプラットフォーム企業としての責任体制へ移行を迫られた転換点であった。
  25. Mercari, Inc.で巨額減損を計上
    FY2018に103億円、FY2021に78億円と累計181億円の減損を計上した事実は、日本で成功したCtoCモデルの米国展開がいかに困難かを物語っている。米国にはeBay・Facebook Marketplaceなど既存の中古取引文化が根付いており、メルカリの強みであるスマホ完結の手軽さだけでは差別化が不十分だった。山田氏自身が投資家との対話で「全方位の積極投資から慎重な見極めへ」と姿勢を転換したことは、上場後に高い成長期待を背負ったテック企業が直面する投資規律の再構築という普遍的な課題を映し出している。
  26. 「メルカリShops」の提供を開始

    子会社ソウゾウが、メルカリ上に法人・個人事業主がネットショップを開設できる「メルカリShops」の提供を開始した。CtoC基盤の上にBtoCを乗せる試みであった。

  27. 株式上場
    東証プライム市場へ移行

    東京証券取引所の市場区分再編に伴い、マザーズからプライム市場へ移行した。グローバル投資家を含むより広い投資家層への訴求が可能となった。

  28. 新規事業
    「メルカード」の提供を開始

    メルペイが独自AI与信を活用したクレジットカード「メルカード」の提供を開始した。メルカリでの取引データを与信に組み込み、後払い・カード経済圏の拡張を図った。一方で未収入金増・貸倒リスクへの注視点ともなった。

  29. 新規事業
    メルコインがビットコイン取引サービスを開始

    メルカリ上で売上金を活用したビットコイン取引が可能となるサービスをメルコインが提供開始した。フリマと暗号資産を結節点とする新たな顧客動線を整えた。

  30. 未収入金が増加

    メルペイを通じた「定額払い」「メルカード」の提供により、後払いの増加によって未収入金がYoYで353億円増加。この結果、営業キャッシュフローはマイナスとなり悪化した。また、FY2023期末時点の貸倒引当金は54億円であり、あと払いによる潜在的な財務リスクが発生

  31. 組織再編
    指名委員会等設置会社へ移行

    監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へガバナンス体制を移行した。経営の監督と執行を分離し、指名・報酬・監査を独立委員会が担う形へ移した。

  32. 新規事業
    「メルカリハロ」を提供開始

    空き時間に短時間勤務先を見つけられる「メルカリハロ」の提供を開始した。フリマで構築したユーザー基盤を労働マッチング領域へ拡張する取り組みであった。

  33. 海外進出
    メルカリ越境取引で台湾に進出

    メルカリ越境取引機能を通じて、台湾の購入者が日本のメルカリ商品を購入できる体制を構築した。日本側の出品在庫を海外需要に開放する形で越境機能の拡張を図った。