荏原製作所の沿革(1905〜2025年)
荏原製作所の創業から現在までの主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に一覧できる沿革(社史年表)ページです。 各年の売上高・純利益などの業績推移と、歴史的意義の解説をあわせて掲載しています。 社史・報道資料などの公開情報をもとに重要事項を判断の上、作成しています。
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1905 1-12月 | 文脈 | 井口在屋が渦巻ポンプ理論を発表 東京帝国大学教授。世界初の渦巻ポンプ理論 | 荏原製作所の技術的起源。国友鉄工所による事業化は失敗 | |||
1912 1-12月 | 創業 | ゐのくち式機械事務所を創業 畠山一清が東京日暮里で渦巻ポンプの設計・製造・販売を開始 | 荏原製作所の創業。東京帝大井口在屋博士の渦巻ポンプ理論を実用化。輸入品主体の国内ポンプ市場に国産メーカーとして参入 | |||
1920 1-12月 | 組織 | 荏原製作所を設立 本社工場を東京府荏原郡品川町に設置、ゐのくち式の事業を継承 | 社名の由来は移転先の荏原郡。昭和初期には国内ポンプシェア60%を確保し国産トップメーカーに | |||
1938 1-12月 | 設備 | 羽田工場を建設し本社・工場を移転 | 後年2007年の閉鎖・ヤマト運輸への売却まで約70年間、本社工場として機能 | |||
1945 1-12月 | 設備 | 戦災により羽田工場から川崎工場へ生産移管 | ||||
FY50 1950/3 | 上場 | 東証一部・大証一部に上場 | 戦後復興期に証券市場再開とともに上場した老舗企業 | |||
FY56 1956/3 | 子会社 | 荏原インフィルコ株式会社を設立 水処理装置の製造販売 | 水処理事業の発祥。後年1994年に吸収合併、2009年に水ingへ統合される長期事業 | |||
FY65 1965/3 | 戦略 | 戦後初の海外事務所をタイ・バンコクに開設 | 海外展開の起点 | |||
FY66 1966/3 | 設備 | 藤沢工場を新設 日本で初めて標準ポンプ量産体制を確立 | 荏原の量産ポンプ事業の基盤となる拠点。1987年には同工場内に半導体向け真空機器工場を建設、後の精密電子事業の揺籃となる | |||
FY75 1975/3 | 戦略 | ブラジルに初の海外生産拠点を設立 Ebara Industrias Mecanicas e Comercio | 戦後初の海外生産拠点。ポンプのグローバル生産体制の第一歩 | |||
FY76 1976/3 | 売上高 928億円 | 当期純利益 30.8億円 | 設備 | 袖ヶ浦工場を新設 コンプレッサ・タービンの製造拠点 | 回転機械事業の国内主力拠点。後年の羽田閉鎖時にはここに機能集約される | |
FY77 1977/3 | 売上高 950億円 | 当期純利益 27.3億円 | ||||
FY78 1978/3 | 売上高 1,028億円 | 当期純利益 26.4億円 | ||||
FY79 1979/3 | 売上高 1,168億円 | 当期純利益 27.8億円 | ||||
FY80 1980/3 | 売上高 1,266億円 | 当期純利益 35.9億円 | 戦略 | インドネシアにPT. Ebara Indonesiaを設立 東南アジアの標準ポンプ生産拠点 | ||
FY81 1981/3 | 売上高 1,362億円 | 当期純利益 38.8億円 | 戦略 | 米国にEbara International Corporationを設立 北米ポンプ事業拠点 | ||
FY82 1982/3 | 売上高 1,515億円 | 当期純利益 45億円 | ||||
FY83 1983/3 | 売上高 1,515億円 | 当期純利益 28.4億円 | ||||
FY84 1984/3 | 売上高 1,525億円 | 当期純利益 27.6億円 | ||||
FY86 1986/3 | 人事 | 藤村宏幸が社長就任 | 後のガバナンス改革・事業再編を主導 | |||
FY88 1988/3 | 戦略 | 藤沢工場内に精密機械工場を建設し半導体向け真空機器生産開始 | 半導体精密電子事業の起点。後年2020年代に主力事業に成長する事業の開始点 | |||
FY89 1989/3 | 戦略 | イタリアにEbara Italiaを設立 ステンレスプレス製標準ポンプの欧州生産拠点 | ||||
FY92 1992/3 | 売上高 3,791億円 | 当期純利益 72億円 | ||||
FY93 1993/3 | 売上高 4,138億円 | 当期純利益 38億円 | 戦略 | 中国に青島荏原環境設備有限公司を設立 | ||
FY94 1994/3 | 売上高 4,408億円 | 当期純利益 99億円 | ||||
FY95 1995/3 | 売上高 4,676億円 | 当期純利益 54億円 | 組織 | 荏原インフィルコを吸収合併 水処理事業を本体に統合 | ||
FY96 1996/3 | 売上高 4,909億円 | 当期純利益 80億円 | ||||
FY97 1997/3 | 売上高 5,410億円 | 当期純利益 98億円 | ||||
FY98 1998/3 | 売上高 5,685億円 | 当期純利益 103億円 | ||||
FY99 1999/3 | 売上高 5,577億円 | 当期純利益 -32億円 | ||||
FY00 2000/3 | 売上高 5,663億円 | 当期純利益 86億円 | ||||
FY01 2001/3 | 売上高 5,998億円 | 当期純利益 25億円 | M&A | 米Elliott Companyを完全子会社化 コンプレッサ・タービン事業大手 | 大型回転機械事業の世界的プレゼンス獲得。後年のエネルギーセグメントの中核となるM&A | |
FY02 2002/3 | 売上高 5,625億円 | 当期純利益 -179億円 | 戦略 | 熊本で荏原九州がCMP装置生産を開始 半導体CMP装置の生産拠点 | 精密・電子事業の本格的な量産化。後の半導体製造装置主力化の起点 | |
FY03 2003/3 | 売上高 5,189億円 | 当期純利益 -285億円 | 組織 | 冷熱機械事業を分社化 荏原冷熱システム株式会社を設立 | ||
| 業績 | ゴミ処理プラント工期遅延で最終赤字285億円 ダイオキシン規制強化で受注した新型ガス化溶融炉の追加工事発生 | エンジニアリング事業の最大の失敗。環境プラント事業の採算悪化の象徴的事件 | ||||
FY04 2004/3 | 売上高 5,077億円 | 当期純利益 25億円 | ||||
FY05 2005/3 | 売上高 4,783億円 | 当期純利益 -196億円 | ||||
FY06 2006/3 | 売上高 5,149億円 | 当期純利益 33億円 | 組織 | カンパニー制を導入 風水力機械・環境事業・精密・電子事業の3カンパニー体制 | 事業別管理体制への移行。2023年の5カンパニー制への布石 | |
FY07 2007/3 | 売上高 5,380億円 | 当期純利益 54億円 | 人事 | 副社長による横領が発覚、社長交代 矢後夏之助が社長就任 | グループ内統制の不備が露呈した不祥事。ガバナンス強化の契機 | |
FY08 2008/3 | 売上高 5,671億円 | 当期純利益 76億円 | 組織 | 旧本社・羽田工場を閉鎖しヤマト運輸に売却 跡地物流センター用地として約845億円で売却 | 1938年以来69年続いた本社工場の閉鎖。固定資産売却益724億円を計上。後年アスベスト訴訟で敗訴(賠償59億円+遅延損害金) | |
FY09 2009/3 | 売上高 5,011億円 | 当期純利益 -131億円 | ||||
FY10 2010/3 | 売上高 4,858億円 | 当期純利益 54億円 | 組織 | 水処理事業を荏原エンジニアリングサービス(現水ing)へ統合 | 水処理事業の集約 | |
| 組織 | 廃棄物処理事業を荏原環境プラントへ統合 | 2003年の工期遅延事件を受けた事業整理の一環 | ||||
| 設備 | 富津工場を新設 羽田工場の機能を移転 | 羽田工場閉鎖後の生産拠点再編を完了 | ||||
| M&A | 荏原エンジニアリングサービスを三菱商事・日揮との三社提携に 総合水事業会社化 | |||||
FY11 2011/3 | 売上高 4,016億円 | 当期純利益 281億円 | ||||
FY12 2012/3 | 売上高 4,120億円 | 当期純利益 28億円 | ||||
FY13 2013/3 | 売上高 4,263億円 | 当期純利益 153億円 | 人事 | 前田東一が社長就任 | ||
FY14 2014/3 | 売上高 4,486億円 | 当期純利益 189億円 | ||||
FY15 2015/3 | 売上高 4,826億円 | 当期純利益 235億円 | ||||
FY16 2016/3 | 売上高 4,862億円 | 当期純利益 172億円 | 組織 | 指名委員会等設置会社へ移行 | ガバナンス改革の到達点。2007年の横領事件以降の統制強化の結実 | |
| 業績 | 羽田工場跡地アスベスト訴訟損失引当金64億円を特別損失計上 | 2007年売却の延長線上の損失。2019年1月最高裁で敗訴確定 | ||||
FY17 2017/3 | 売上高 3,819億円 | 当期純利益 95億円 | 設備 | 熊本事業所に半導体製造装置工場・ドライ真空ポンプサービス工場を増設竣工 | 半導体製造装置事業の増産投資。精密電子事業の主力化を加速 | |
FY18 2018/3 | 売上高 5,091億円 | 当期純利益 182億円 | 人事 | 浅見正男が社長就任 2019年4月代表執行役社長 | IFRS移行・半導体事業主力化期の経営者 | |
FY19 2019/3 | 売上高 5,224億円 | 当期純利益 233億円 | ||||
FY20 2020/3 | 売上収益 5,224億円 | 当期利益 242億円 | ||||
FY21 2021/3 | 売上収益 6,032億円 | 当期利益 436億円 | 経営計画 | IFRSへ移行、営業利益613億円 | 会計基準変更と同時に売上収益・利益とも過去最高を更新 | |
FY22 2022/3 | 売上収益 6,808億円 | 当期利益 504億円 | M&A | トルコのポンプメーカVansan傘下のCigli Su Teknolojileriを買収 | 中東・トルコ市場のポンプ事業強化 | |
FY23 2023/3 | 売上収益 7,593億円 | 当期利益 602億円 | 上場 | 東証プライム市場へ移行 | ||
| M&A | カナダ・米国のHayward Gordon Holdingsを買収 産業ポンプ・ミキサーメーカ6社を傘下 | 浅見期の主要M&A。北米産業ポンプ市場での拠点獲得 | ||||
| 組織 | 対面市場別5カンパニー制へ移行 建築・産業、エネルギー、インフラ、環境、精密・電子 | 2005年以来の事業体制の抜本的再編。顧客市場別への転換 | ||||
| 組織 | 中国に地域統括会社・荏原(中国)有限公司を設立 | |||||
2024 1-12月 | 業績 | 売上収益8,667億円・営業利益980億円の過去最高 半導体精密電子事業の牽引 | 1兆円視野の水準に到達。細田新体制の1兆円目標の土台 | |||
2025 1-12月 | 人事 | 細田修吾が社長就任 浅見正男の後任 | 1兆円達成を公約した経営者。2020年代後半の成長戦略を担う |
- 井口在屋が渦巻ポンプ理論を発表
東京帝国大学教授。世界初の渦巻ポンプ理論
荏原製作所の技術的起源。国友鉄工所による事業化は失敗 - ゐのくち式機械事務所を創業
畠山一清が東京日暮里で渦巻ポンプの設計・製造・販売を開始
荏原製作所の創業。東京帝大井口在屋博士の渦巻ポンプ理論を実用化。輸入品主体の国内ポンプ市場に国産メーカーとして参入 - 荏原製作所を設立
本社工場を東京府荏原郡品川町に設置、ゐのくち式の事業を継承
社名の由来は移転先の荏原郡。昭和初期には国内ポンプシェア60%を確保し国産トップメーカーに - 羽田工場を建設し本社・工場を移転後年2007年の閉鎖・ヤマト運輸への売却まで約70年間、本社工場として機能
- 戦災により羽田工場から川崎工場へ生産移管
- 東証一部・大証一部に上場戦後復興期に証券市場再開とともに上場した老舗企業
- 荏原インフィルコ株式会社を設立
水処理装置の製造販売
水処理事業の発祥。後年1994年に吸収合併、2009年に水ingへ統合される長期事業 - 戦後初の海外事務所をタイ・バンコクに開設海外展開の起点
- 藤沢工場を新設
日本で初めて標準ポンプ量産体制を確立
荏原の量産ポンプ事業の基盤となる拠点。1987年には同工場内に半導体向け真空機器工場を建設、後の精密電子事業の揺籃となる - ブラジルに初の海外生産拠点を設立
Ebara Industrias Mecanicas e Comercio
戦後初の海外生産拠点。ポンプのグローバル生産体制の第一歩 - 袖ヶ浦工場を新設
コンプレッサ・タービンの製造拠点
回転機械事業の国内主力拠点。後年の羽田閉鎖時にはここに機能集約される - インドネシアにPT. Ebara Indonesiaを設立
東南アジアの標準ポンプ生産拠点
- 米国にEbara International Corporationを設立
北米ポンプ事業拠点
- 藤村宏幸が社長就任後のガバナンス改革・事業再編を主導
- 藤沢工場内に精密機械工場を建設し半導体向け真空機器生産開始半導体精密電子事業の起点。後年2020年代に主力事業に成長する事業の開始点
- イタリアにEbara Italiaを設立
ステンレスプレス製標準ポンプの欧州生産拠点
- 中国に青島荏原環境設備有限公司を設立
- 荏原インフィルコを吸収合併
水処理事業を本体に統合
- 米Elliott Companyを完全子会社化
コンプレッサ・タービン事業大手
大型回転機械事業の世界的プレゼンス獲得。後年のエネルギーセグメントの中核となるM&A - 熊本で荏原九州がCMP装置生産を開始
半導体CMP装置の生産拠点
精密・電子事業の本格的な量産化。後の半導体製造装置主力化の起点 - 冷熱機械事業を分社化
荏原冷熱システム株式会社を設立
- ゴミ処理プラント工期遅延で最終赤字285億円
ダイオキシン規制強化で受注した新型ガス化溶融炉の追加工事発生
エンジニアリング事業の最大の失敗。環境プラント事業の採算悪化の象徴的事件 - カンパニー制を導入
風水力機械・環境事業・精密・電子事業の3カンパニー体制
事業別管理体制への移行。2023年の5カンパニー制への布石 - 副社長による横領が発覚、社長交代
矢後夏之助が社長就任
グループ内統制の不備が露呈した不祥事。ガバナンス強化の契機 - 旧本社・羽田工場を閉鎖しヤマト運輸に売却
跡地物流センター用地として約845億円で売却
1938年以来69年続いた本社工場の閉鎖。固定資産売却益724億円を計上。後年アスベスト訴訟で敗訴(賠償59億円+遅延損害金) - 水処理事業を荏原エンジニアリングサービス(現水ing)へ統合水処理事業の集約
- 廃棄物処理事業を荏原環境プラントへ統合2003年の工期遅延事件を受けた事業整理の一環
- 富津工場を新設
羽田工場の機能を移転
羽田工場閉鎖後の生産拠点再編を完了 - 荏原エンジニアリングサービスを三菱商事・日揮との三社提携に
総合水事業会社化
- 前田東一が社長就任
- 指名委員会等設置会社へ移行ガバナンス改革の到達点。2007年の横領事件以降の統制強化の結実
- 羽田工場跡地アスベスト訴訟損失引当金64億円を特別損失計上2007年売却の延長線上の損失。2019年1月最高裁で敗訴確定
- 熊本事業所に半導体製造装置工場・ドライ真空ポンプサービス工場を増設竣工半導体製造装置事業の増産投資。精密電子事業の主力化を加速
- 浅見正男が社長就任
2019年4月代表執行役社長
IFRS移行・半導体事業主力化期の経営者 - IFRSへ移行、営業利益613億円会計基準変更と同時に売上収益・利益とも過去最高を更新
- トルコのポンプメーカVansan傘下のCigli Su Teknolojileriを買収中東・トルコ市場のポンプ事業強化
- 東証プライム市場へ移行
- カナダ・米国のHayward Gordon Holdingsを買収
産業ポンプ・ミキサーメーカ6社を傘下
浅見期の主要M&A。北米産業ポンプ市場での拠点獲得 - 対面市場別5カンパニー制へ移行
建築・産業、エネルギー、インフラ、環境、精密・電子
2005年以来の事業体制の抜本的再編。顧客市場別への転換 - 中国に地域統括会社・荏原(中国)有限公司を設立
- 売上収益8,667億円・営業利益980億円の過去最高
半導体精密電子事業の牽引
1兆円視野の水準に到達。細田新体制の1兆円目標の土台 - 細田修吾が社長就任
浅見正男の後任
1兆円達成を公約した経営者。2020年代後半の成長戦略を担う
参考文献・出所
有価証券報告書
東洋経済オンライン 2025年
化学工業日報 2025年
JBpress 2022年