沿革年表 1949〜2025年における重要度別の出来事(合計36件)

年月区分社長/CEO出来事年度売上高純利益
重要事項
日本政府により日本専売公社を設立
歴史的意義yutaka sugiura
日本専売公社の設立は、官営体制の維持でも民間企業への転換でもない折衷策であった。GHQ主導の制度改革下で、財政収入の連続性と労働不安の抑制を同時に満たすため、経営裁量を限定した公共企業体が選択された。この判断は短期の安定を確保した一方、予算の国会承認や葉たばこ全量買取といった政治的制約を組み込むことで、長期的な経営自由度と資本効率の向上を構造的に制約する結果をもたらした。
1949
1-12月
ホープ(10)を発売
1957
1-12月
たばこ工場の集約再編を開始
専売公社では国内の葉たばこ産地に隣接して数十箇所の工場が存在した。だが小規模かつ老朽化が進み、生産効率が低下していた。そこで1970年代後半から国内工場の再編に着手。1986年までに4工場を新設する一方で8工場を閉鎖し、生産性改善を図った。しかし地方の雇用拠点であり政治色も強く閉鎖は難航し、再編がほぼ完了したのは2010年代であった。したがってJTは1970年から約50年以上をかけて統廃合を進める形となり、経営上のボトルネックとなった。
1977
1-12月
専売公社の民営化を検討開始
1980年代前半まで、海外のたばこ企業は「資本自由化の対象外」とされて日本に進出できない状況が続き、貿易摩擦の問題に発展。そこで、1982年に日本政府は「臨時行政調査会」を通じて専売公社の民営化を提言。自動車や半導体の日米貿易摩擦が深刻化する中で、規制緩和による懐柔の一手として「外国産たばこの進出容認」と「専売公社の民営化」が具現化した。
1982
1-12月
重要事項会社設立
日本たばこ産業を発足
JTの発足は完全な民営化ではなく、政府が全株式を保有したまま株式会社に転換する移行措置であった。国会承認に縛られた予算制度から解放されることで事業投資の自由度は高まったが、葉たばこ全量買取義務や株式保有構造には政治的関与が残された。急激な制度転換を避けつつ経営裁量を段階的に拡大する設計は、発足直後のシェア急落という試練を経て、多角化と海外展開の前提条件を整える機能を果たした。
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FY86
1986/3
組織再編
福岡・鳥栖両工場を廃止し北九州工場を新設
たばこ製造の近代化と効率化を進めるために福岡・鳥栖両工場を廃止し、新たに北九州工場を設置した。1970年代後半から続く国内工場集約再編の一環として位置づけられる。
JTのブランドを採用
FY89
1989/3
FY93
1993/3
売上高
33,334億円
当期純利益
503億円
組織再編
医薬総合研究所を設置
医薬事業の研究開発体制を充実・強化するため医薬総合研究所を設けた。1980年代から育成してきた医薬事業を中核第二事業へ押し上げる意図がにじむ布石となった。
FY94
1994/3
売上高
33,935億円
当期純利益
636億円
東京証券取引所に株式上場
日本政府(大蔵大臣)による株式保有を希薄化させるために、株式上場及び政府保有株式の売却を実施
FY95
1995/3
売上高
35,024億円
当期純利益
694億円
FY96
1996/3
売上高
35,488億円
当期純利益
679億円
政府保有株式の第二次売出し
1994年の上場・第一次売出しに続き、政府保有比率を段階的に低下させる第二次売出しを実施した。すなわち民営化の設計思想に沿った株主構成の希薄化が進んだ。
FY97
1997/3
売上高
36,974億円
当期純利益
801億円
事業撤退
塩専売事業が終了
塩専売制度の廃止に伴い、専売公社時代から継承していた塩専売事業が終了した。同時にたばこ共済年金を厚生年金に統合した。すなわち専売公社の遺制が法制度面でも整理された節目となった。
FY98
1998/3
売上高
35,969億円
当期純利益
580億円
ユニマットコーポレーションと飲料事業で提携
清涼飲料に参入するために、ユニマットコーポレーションと提携へ
FY99
1999/3
売上高
38,765億円
当期純利益
746億円
企業買収
鳥居薬品を公開買付で過半数取得
医薬事業強化に向け、鳥居薬品の発行済株式の過半数を公開買付(TOB)により取得した。よって鳥居薬品はJTグループに組み込まれ、医薬事業の中核子会社となった。
重要事項企業買収
RJRナビスコ社のたばこ事業(米国以外)を買収
RJRナビスコの海外たばこ事業買収は、業界寡占化が進むなかで世界市場への参加条件を短期間で確保する判断であった。段階的な自力拡大では間に合わない局面において、ブランドと販売網を一括取得することで時間を資本で代替した。米国を除外し訴訟リスクを回避しつつ成長市場を選択的に取得した設計は、単なる規模拡大ではなく競争からの排除回避と独立性維持を兼ねた戦略的買収であった。
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FY00
2000/3
売上高
43,712億円
当期純利益
507億円
旭化成の食品事業を買収
鳥居薬品と業務提携を締結
FY01
2001/3
売上高
45,017億円
当期純利益
436億円
FY02
2002/3
売上高
45,441億円
当期純利益
368億円
希望退職4000名を募集。不採算工場を閉鎖
縮小する国内たばこ需要に対応するため、生産性の低い国内工場の閉鎖を継続
FY03
2003/3
売上高
44,922億円
当期純利益
753億円
組織再編
広島・府中・松山・那覇工場を閉鎖
国内たばこ需要の縮小に対応するため、広島・府中・松山・那覇の各工場を閉鎖した。前年度の仙台・名古屋・橋本工場閉鎖に続く工場集約再編の継続となった。
FY04
2004/3
売上高
46,251億円
当期純利益
-76億円
木村宏
政府保有株式の第三次売出し
民営化スキームに沿って政府保有株式の第三次売出しを実施した。したがって政府保有比率はさらに低下し、株主構成の希薄化が進展した。
FY05
2005/3
売上高
46,645億円
当期純利益
625億円
国内8工場を閉鎖(上田・函館・高崎・高松・徳島・臼杵・鹿児島・都城)
事業撤退
木村宏
マールボロ国内ライセンス契約終了
1972年から続いていたマールボロ製品の日本国内における製造・販売ライセンス契約を終了した。すなわちフィリップ・モリスの自販体制移行に伴いJTは国内における外資ブランド受託事業を失った。
FY06
2006/3
売上高
46,376億円
当期純利益
2,015億円
木村宏
FY07
2007/3
売上高
47,693億円
当期純利益
2,107億円
重要事項企業買収
木村宏
Gallaher社を買収
ギャラハー買収は突発的な機会対応ではなく、国内事業のコスト構造改革と事業選別によって蓄積した投資余力に基づく判断であった。JT PLAN-Vによる工場統廃合と人員再編が利益基盤を引き上げ、RJRI買収・統合の実務経験が大型案件への対応力を形成した。事前準備と実行能力の両面が揃ったことで欧州最大規模の買収が実現可能となった点に特徴がある。
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FY08
2008/3
売上高
64,097億円
当期純利益
2,387億円
加ト吉をTOBにより買収
組織再編
木村宏
金沢工場を閉鎖
国内たばこ需要縮小に対応する工場集約の一環として金沢工場を閉鎖した。
FY09
2009/3
売上高
68,323億円
当期純利益
1,234億円
組織再編
木村宏
盛岡・米子工場を閉鎖
国内たばこ需要縮小に対応する工場集約の一環として盛岡・米子両工場を閉鎖した。
FY10
2010/3
売上高
61,346億円
当期純利益
1,384億円
小泉光臣
国内1工場を閉鎖(小田原)
FY11
2011/3
売上収益
20,593億円
当期利益
2,433億円
小泉光臣
国内1工場を閉鎖(防府)
FY12
2012/3
売上収益
20,338億円
当期利益
3,208億円
小泉光臣
「マイルドセブン」を「メビウス」に刷新
国内主力ブランドであった「マイルドセブン」を、海外展開を見据えて「メビウス」へ刷新した。1977年発売以来35年使われた基幹ブランドの統合が、グローバル展開の象徴となった。
FY13
2013/3
売上高
21,201億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,435億円
1600名を人員削減。不採算工場の閉鎖を継続
縮小する国内たばこ需要に対応するため、生産性の低い国内工場の閉鎖を継続
小泉光臣
FY14
2014/3
売上高
20,197億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,629億円
重要事項企業買収
小泉光臣
American Spiritを買収
歴史的意義yutaka sugiura
ナチュラル・アメリカン・スピリットの買収は、売上高176億円の事業に約6000億円を投下した判断であり、数量規模ではなく価格帯とブランド特性が投資根拠であった。数量成長が見込めない成熟市場において利益率を維持するには価格転嫁力のあるプレミアムブランドの確保が必要であり、自社育成の時間的制約を資本で解決する選択が採られた。成否は短期ROIではなく価格ミックス改善への長期的貢献で検証される。
FY15
2015/3
売上高
22,528億円
親会社株主に帰属する当期純利益
4,856億円
小泉光臣
飲料事業から撤退(飲料事業部の廃止)
JTの飲料事業は2015年時点で売上高500億円規模・業界10位と低迷した。飲料業界は過当競争が進み、2013年時点で営業赤字13億円を計上するなど採算が取れない状況に陥った。よって1988年に参入した飲料事業は約30年で行き詰まった。2015年にJTは飲料事業からの撤退を決定。「桃の天然水」など強いブランドを保持していたこともあり、同業のサントリー食品インターナショナルに対し約1500億円で事業売却を決めた。
FY16
2016/3
売上高
21,432億円
親会社株主に帰属する当期純利益
4,216億円
寺畠正道
FY17
2017/3
売上高
21,396億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,924億円
寺畠正道
FY18
2018/3
売上高
22,159億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,856億円
寺畠正道
加熱式たばこの発売
FY19
2019/3
売上高
21,756億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,481億円
寺畠正道
FY20
2020/3
売上高
20,925億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,102億円
組織再編
寺畠正道
本社を東京都港区虎ノ門に移転
本社所在地を従来の港区赤坂から港区虎ノ門四丁目(神谷町トラストタワー)に移転した。
FY21
2021/3
売上高
23,248億円
親会社株主に帰属する当期純利益
3,384億円
寺畠正道
たばこ事業の本社機能をジュネーブに統合
FY22
2022/3
売上高
26,578億円
親会社株主に帰属する当期純利益
4,427億円
寺畠正道
FY23
2023/3
売上高
28,410億円
親会社株主に帰属する当期純利益
4,822億円
寺畠正道
FY24
2024/3
売上高
30,567億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1,792億円
企業買収
中野恵
米Vector Group Ltd.を取得
米国の中堅たばこメーカーVector Group Ltd.の発行済株式を取得した。これにより米国市場におけるディスカウントブランドのプレゼンス拡大を狙った布石となった。
FY25
2025/3
売上高
34,676億円
親会社株主に帰属する当期純利益
5,101億円
重要事項事業撤退
医薬事業を塩野義製薬に譲渡
1993年の医薬総合研究所設立から30年余で築いた医薬事業を塩野義製薬に譲渡した。同年5月に承継合意を締結、9月に鳥居薬品の全株式を譲渡したうえで12月に医薬事業本体の譲渡を完了した。すなわちJTは医薬から撤退し、たばこ事業への集中を一段と強めた。
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  1. 日本政府により日本専売公社を設立
    日本専売公社の設立は、官営体制の維持でも民間企業への転換でもない折衷策であった。GHQ主導の制度改革下で、財政収入の連続性と労働不安の抑制を同時に満たすため、経営裁量を限定した公共企業体が選択された。この判断は短期の安定を確保した一方、予算の国会承認や葉たばこ全量買取といった政治的制約を組み込むことで、長期的な経営自由度と資本効率の向上を構造的に制約する結果をもたらした。
  2. ホープ(10)を発売
  3. たばこ工場の集約再編を開始

    専売公社では国内の葉たばこ産地に隣接して数十箇所の工場が存在した。だが小規模かつ老朽化が進み、生産効率が低下していた。そこで1970年代後半から国内工場の再編に着手。1986年までに4工場を新設する一方で8工場を閉鎖し、生産性改善を図った。しかし地方の雇用拠点であり政治色も強く閉鎖は難航し、再編がほぼ完了したのは2010年代であった。したがってJTは1970年から約50年以上をかけて統廃合を進める形となり、経営上のボトルネックとなった。

  4. 専売公社の民営化を検討開始

    1980年代前半まで、海外のたばこ企業は「資本自由化の対象外」とされて日本に進出できない状況が続き、貿易摩擦の問題に発展。そこで、1982年に日本政府は「臨時行政調査会」を通じて専売公社の民営化を提言。自動車や半導体の日米貿易摩擦が深刻化する中で、規制緩和による懐柔の一手として「外国産たばこの進出容認」と「専売公社の民営化」が具現化した。

  5. 組織再編
    福岡・鳥栖両工場を廃止し北九州工場を新設

    たばこ製造の近代化と効率化を進めるために福岡・鳥栖両工場を廃止し、新たに北九州工場を設置した。1970年代後半から続く国内工場集約再編の一環として位置づけられる。

  6. JTのブランドを採用
  7. 組織再編
    医薬総合研究所を設置

    医薬事業の研究開発体制を充実・強化するため医薬総合研究所を設けた。1980年代から育成してきた医薬事業を中核第二事業へ押し上げる意図がにじむ布石となった。

  8. 東京証券取引所に株式上場

    日本政府(大蔵大臣)による株式保有を希薄化させるために、株式上場及び政府保有株式の売却を実施

  9. 政府保有株式の第二次売出し

    1994年の上場・第一次売出しに続き、政府保有比率を段階的に低下させる第二次売出しを実施した。すなわち民営化の設計思想に沿った株主構成の希薄化が進んだ。

  10. 事業撤退
    塩専売事業が終了

    塩専売制度の廃止に伴い、専売公社時代から継承していた塩専売事業が終了した。同時にたばこ共済年金を厚生年金に統合した。すなわち専売公社の遺制が法制度面でも整理された節目となった。

  11. ユニマットコーポレーションと飲料事業で提携

    清涼飲料に参入するために、ユニマットコーポレーションと提携へ

  12. 企業買収
    鳥居薬品を公開買付で過半数取得

    医薬事業強化に向け、鳥居薬品の発行済株式の過半数を公開買付(TOB)により取得した。よって鳥居薬品はJTグループに組み込まれ、医薬事業の中核子会社となった。

  13. 旭化成の食品事業を買収
  14. 鳥居薬品と業務提携を締結
  15. 希望退職4000名を募集。不採算工場を閉鎖

    縮小する国内たばこ需要に対応するため、生産性の低い国内工場の閉鎖を継続

  16. 組織再編
    広島・府中・松山・那覇工場を閉鎖

    国内たばこ需要の縮小に対応するため、広島・府中・松山・那覇の各工場を閉鎖した。前年度の仙台・名古屋・橋本工場閉鎖に続く工場集約再編の継続となった。

  17. 政府保有株式の第三次売出し

    民営化スキームに沿って政府保有株式の第三次売出しを実施した。したがって政府保有比率はさらに低下し、株主構成の希薄化が進展した。

  18. 国内8工場を閉鎖(上田・函館・高崎・高松・徳島・臼杵・鹿児島・都城)
  19. 事業撤退
    マールボロ国内ライセンス契約終了

    1972年から続いていたマールボロ製品の日本国内における製造・販売ライセンス契約を終了した。すなわちフィリップ・モリスの自販体制移行に伴いJTは国内における外資ブランド受託事業を失った。

  20. 加ト吉をTOBにより買収
  21. 組織再編
    金沢工場を閉鎖

    国内たばこ需要縮小に対応する工場集約の一環として金沢工場を閉鎖した。

  22. 組織再編
    盛岡・米子工場を閉鎖

    国内たばこ需要縮小に対応する工場集約の一環として盛岡・米子両工場を閉鎖した。

  23. 国内1工場を閉鎖(小田原)
  24. 国内1工場を閉鎖(防府)
  25. 「マイルドセブン」を「メビウス」に刷新

    国内主力ブランドであった「マイルドセブン」を、海外展開を見据えて「メビウス」へ刷新した。1977年発売以来35年使われた基幹ブランドの統合が、グローバル展開の象徴となった。

  26. 1600名を人員削減。不採算工場の閉鎖を継続

    縮小する国内たばこ需要に対応するため、生産性の低い国内工場の閉鎖を継続

  27. 企業買収
    American Spiritを買収
    ナチュラル・アメリカン・スピリットの買収は、売上高176億円の事業に約6000億円を投下した判断であり、数量規模ではなく価格帯とブランド特性が投資根拠であった。数量成長が見込めない成熟市場において利益率を維持するには価格転嫁力のあるプレミアムブランドの確保が必要であり、自社育成の時間的制約を資本で解決する選択が採られた。成否は短期ROIではなく価格ミックス改善への長期的貢献で検証される。
  28. 飲料事業から撤退(飲料事業部の廃止)

    JTの飲料事業は2015年時点で売上高500億円規模・業界10位と低迷した。飲料業界は過当競争が進み、2013年時点で営業赤字13億円を計上するなど採算が取れない状況に陥った。よって1988年に参入した飲料事業は約30年で行き詰まった。2015年にJTは飲料事業からの撤退を決定。「桃の天然水」など強いブランドを保持していたこともあり、同業のサントリー食品インターナショナルに対し約1500億円で事業売却を決めた。

  29. 加熱式たばこの発売
  30. 組織再編
    本社を東京都港区虎ノ門に移転

    本社所在地を従来の港区赤坂から港区虎ノ門四丁目(神谷町トラストタワー)に移転した。

  31. たばこ事業の本社機能をジュネーブに統合
  32. 企業買収
    米Vector Group Ltd.を取得

    米国の中堅たばこメーカーVector Group Ltd.の発行済株式を取得した。これにより米国市場におけるディスカウントブランドのプレゼンス拡大を狙った布石となった。