住友金属鉱山の沿革・歴史的証言
1927年〜2025年
住友金属鉱山の1927年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1927 1-12月 | 住友別子鉱山株式会社を設立 | 元禄以来236年の直営を法人化した原点事業の転換点 | ||||
1937 1-12月 | 住友別子鉱山と住友炭鉱を合併・住友鉱業を設立 | |||||
1939 1-12月 | 研究開発 | 電気ニッケルの生産を開始 1939年11月、住友鉱業として電気ニッケルの生産を開始した。これによりニッケル製錬技術を内製化し、後年のフェロニッケル・低品位酸化鉱HPAL事業に至る非鉄製錬の事業基盤が形成された。 | ||||
1946 1-12月 | 社名を井華鉱業に改称 1946年1月、財閥解体の流れを受けて住友鉱業から井華鉱業へ社名を変更した。住友本社からの資本面の距離を保つための一時的な改称であり、1952年に住友金属鉱山へ再改称されるまでの過渡期の措置となった。 | |||||
FY50 1950/3 | 金属部門を分離・住友金属鉱山(別子鉱業)を設立 | |||||
FY51 1951/3 | 株式上場 | 東京証券取引所市場第一部に上場 1950年6月、別子鉱業として東京証券取引所市場第一部へ株式を上場した。戦後再発足から3か月後の上場であり、市場からの資金調達を通じて鉱山再開発と非鉄製錬の設備投資を進める足場が整った。 | ||||
FY53 1953/3 | 社名を別子鉱業から住友金属鉱山に改称 1952年6月、別子鉱業から住友金属鉱山に商号を変更した。住友グループ系列としての復権を社名で示すとともに、銅・ニッケル等の非鉄金属全般を扱う総合事業会社としての位置づけを明確化した。 | |||||
FY57 1957/3 | 子会社日向製錬所を設立 | |||||
FY62 1962/3 | 国内鉱山の閉山を本格化 | |||||
FY66 1966/3 | 中央研究所を施設 | |||||
FY68 1968/3 | 青海工場を新設(電子金属事業) | |||||
FY71 1971/3 | 新居浜ニッケル新工場を新設 | |||||
東予製錬所を新設 | ||||||
FY73 1973/3 | 別子鉱山を閉山 | |||||
FY77 1977/3 | 海外進出 | シンガポールでリードフレーム生産を開始 1977年1月、シンガポールにSumitomo Metal Mining Singapore Pte. Ltd.を設立し、リードフレームの生産を開始した。海外におけるエレクトロニクス材料の製造事業に初めて進出した出来事であり、後の半導体材料グローバル展開の起点となった。なお同事業は2017年に譲渡された。 | ||||
FY82 1982/3 | 菱刈鉱区で高品位金鉱脈を発見 1981年8月、金属鉱業事業団の広域調査によって、当社の鹿児島県菱刈鉱区で高品位の金鉱脈が確認された。1985年の出鉱開始に先行する発見であり、国内唯一の商業金山としての菱刈の位置づけを決定づけた。 | |||||
FY85 1985/3 | 菱刈鉱山を開山(鹿児島県) | 1000万円の鉱区が国内唯一の金山に化けた構造的背景 | ||||
FY86 1986/3 | 米モレンシー銅山の権益取得 | |||||
FY89 1989/3 | PTインターナショナルニッケルインドネシアの株式取得 | |||||
FY92 1992/3 | 売上高 5,391億円 | 当期純利益 101億円 | 海外進出 | チリ・カンデラリア銅鉱床の開発PJに参加 1992年1月、米Phelps Dodgeが所有するチリのカンデラリア銅鉱床の開発プロジェクトに参加した。1990年代の海外資源開発の本格化を象徴する案件であり、銅の長期安定供給確保を目的とした権益獲得の一環であった。 | ||
FY93 1993/3 | 売上高 5,079億円 | 当期純利益 61億円 | ||||
FY94 1994/3 | 売上高 4,467億円 | 当期純利益 19億円 | ||||
FY95 1995/3 | 売上高 4,648億円 | 当期純利益 12億円 | ||||
FY96 1996/3 | 売上高 5,118億円 | 当期純利益 106億円 | 海外進出業務提携 | 中国・金隆銅業有限公司に資本参加 1995年9月、中国の金隆銅業有限公司に資本参加した。中国本土での銅製錬事業へ初めて関与した案件であり、アジア地域における銅原料および製錬出口の確保を目的とした。 | ||
FY97 1997/3 | 売上高 5,250億円 | 当期純利益 128億円 | 海外進出組織再編 | 海外資源事業統括会社SMM Americaを設立 1997年2月、海外資源事業の統括会社としてSumitomo Metal Mining America Inc.を設立した。米州大陸における銅・金鉱山事業の管理機能を集約し、後年のポゴ金鉱山やモレンシー追加取得などの体制基盤となった。 | ||
FY98 1998/3 | 売上高 4,319億円 | 当期純利益 101億円 | ||||
FY99 1999/3 | 売上高 3,502億円 | 当期純利益 -124億円 | ||||
FY00 2000/3 | 売上高 3,602億円 | 当期純利益 47億円 | JOC東海事業所で臨界事故が発生 | |||
FY01 2001/3 | 売上高 3,753億円 | 当期純利益 151億円 | ||||
FY02 2002/3 | 売上高 3,301億円 | 当期純利益 -66億円 | 国内事業の整理統合を本格化 | |||
FY03 2003/3 | 売上高 3,552億円 | 当期純利益 -11億円 | 業務提携 | 三井金属と亜鉛製錬で合弁会社を設立 2002年7月、三井金属鉱業と亜鉛製錬事業について提携し、共同出資による合弁会社エム・エスジンク株式会社を設立した。国内非鉄製錬の業界再編の流れを受け、亜鉛事業の競争力維持を目的とした統合であった。 | ||
FY04 2004/3 | 売上高 4,021億円 | 当期純利益 198億円 | ||||
FY05 2005/3 | 売上高 4,845億円 | 当期純利益 370億円 | ||||
FY06 2006/3 | 売上高 6,255億円 | 当期純利益 628億円 | 海外進出設備投資 | フィリピン・コーラルベイHPAL生産開始 2005年4月、フィリピン・パラワン島のCoral Bay Nickel Corporationが低品位酸化ニッケル鉱湿式処理(HPAL)の生産を開始した。HPALの商業運転は世界的にも先行事例であり、後年のEV電池材料供給を見据えたニッケル中間原料の自給体制の起点となった。 | ||
米ポコ金山の生産開始 | ||||||
FY07 2007/3 | 売上高 9,667億円 | 当期純利益 1,260億円 | ||||
FY08 2008/3 | 売上高 11,323億円 | 当期純利益 1,378億円 | ||||
FY09 2009/3 | 売上高 7,937億円 | 当期純利益 219億円 | ||||
FY10 2010/3 | 売上高 7,258億円 | 当期純利益 539億円 | フィリピンNickel Asia Corporationに資本参加 | |||
FY11 2011/3 | 売上高 8,640億円 | 当期純利益 839億円 | ||||
FY12 2012/3 | 売上高 8,478億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 652億円 | ||||
FY13 2013/3 | 売上高 8,085億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 866億円 | ||||
FY14 2014/3 | 売上高 8,305億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 802億円 | 海外進出設備投資 | フィリピン・タガニートHPAL生産開始 2013年9月、フィリピン・ミンダナオ島のTaganito HPAL Nickel Corporationが低品位酸化ニッケル鉱湿式処理の生産を開始した。コーラルベイに続く2拠点目のHPAL案件であり、ニッケル中間原料の生産能力をさらに拡張した。 | ||
FY15 2015/3 | 売上高 9,213億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 911億円 | ||||
FY16 2016/3 | 売上高 8,554億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -3億円 | 海外進出設備投資 | チリ・シエラゴルダ銅鉱山の生産を開始 2015年7月、チリのシエラゴルダ銅鉱山が生産を開始した。当社にとって大型の銅権益案件であったが、市況下落と操業課題が重なり、2016年2月には減損処理が実施され、2022年に権益が譲渡された。 | ||
シエラゴルダ銅鉱山で損失計上 | 操業と市況下落の同期が招いた689億円の減損処理 | |||||
FY17 2017/3 | 売上高 7,861億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -185億円 | モレンシー銅山の権益を追加取得 | |||
FY18 2018/3 | 売上高 9,335億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 916億円 | ||||
FY19 2019/3 | 売上高 9,121億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 645億円 | ||||
FY20 2020/3 | 売上高 8,519億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 606億円 | ||||
FY21 2021/3 | 売上高 9,261億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 946億円 | ||||
FY22 2022/3 | 売上高 12,590億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 2,810億円 | 2021年中期経営計画を策定 2022年2月に住友金属鉱山は「中期経営計画」を公表。企業価値の拡大を目的として「大型プロジェクトの推進」に注力する方針を打ち出した。具体的な注力PJは、電池材料(ニッケル系正極材)の増産に加え、海外資源開発として「ポマラPJ(インドネシア・ニッケル)、ケブラタブランカ2PJ(チリ・銅鉱山)、コテ金開発PJ(カナダ・金鉱山)」とした。 | |||
FY23 2023/3 | 売上高 14,229億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,605億円 | 株式上場 | 東証プライム市場へ移行 2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行した。 | ||
FY24 2024/3 | 売上高 14,453億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 586億円 | チリ・ケブラダブランカ銅鉱山の開山 | |||
FY25 2025/3 | 売上高 15,933億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 164億円 | カナダ・コテ金鉱山で商業生産を開始 2017年7月、住友金属鉱山はIMG社が権益を持つカナダ金鉱山「コテ金開発プロジェクト」への参画を決定し、約30%弱の権益を215億円で取得して2021年の採掘開始を目指した。しかし金価格低迷で着工を延期。その後2020年の金価格上昇を受け、2023年操業を目指して着工した。2023年6月から生産を開始し同年8月から商業生産。運営子会社SMM GOLD COTE INC.へFY23末時点で1,330億円を貸付。 | |||
設備投資 | 電池材料事業本部新居浜工場が完成 2024年9月、電池材料事業本部の新居浜工場が完成した。EV向けニッケル系正極材の増産を目的としており、住友金属鉱山の電池材料事業に占める国内主力拠点として位置づけられた。 |
- 住友別子鉱山株式会社を設立元禄以来236年の直営を法人化した原点事業の転換点
- 住友別子鉱山と住友炭鉱を合併・住友鉱業を設立
- 電気ニッケルの生産を開始
1939年11月、住友鉱業として電気ニッケルの生産を開始した。これによりニッケル製錬技術を内製化し、後年のフェロニッケル・低品位酸化鉱HPAL事業に至る非鉄製錬の事業基盤が形成された。
- 社名を井華鉱業に改称
1946年1月、財閥解体の流れを受けて住友鉱業から井華鉱業へ社名を変更した。住友本社からの資本面の距離を保つための一時的な改称であり、1952年に住友金属鉱山へ再改称されるまでの過渡期の措置となった。
- 金属部門を分離・住友金属鉱山(別子鉱業)を設立
- 東京証券取引所市場第一部に上場
1950年6月、別子鉱業として東京証券取引所市場第一部へ株式を上場した。戦後再発足から3か月後の上場であり、市場からの資金調達を通じて鉱山再開発と非鉄製錬の設備投資を進める足場が整った。
- 社名を別子鉱業から住友金属鉱山に改称
1952年6月、別子鉱業から住友金属鉱山に商号を変更した。住友グループ系列としての復権を社名で示すとともに、銅・ニッケル等の非鉄金属全般を扱う総合事業会社としての位置づけを明確化した。
- 子会社日向製錬所を設立
- 国内鉱山の閉山を本格化
- 中央研究所を施設
- 青海工場を新設(電子金属事業)
- 新居浜ニッケル新工場を新設
- 東予製錬所を新設
- 別子鉱山を閉山
- シンガポールでリードフレーム生産を開始
1977年1月、シンガポールにSumitomo Metal Mining Singapore Pte. Ltd.を設立し、リードフレームの生産を開始した。海外におけるエレクトロニクス材料の製造事業に初めて進出した出来事であり、後の半導体材料グローバル展開の起点となった。なお同事業は2017年に譲渡された。
- 菱刈鉱区で高品位金鉱脈を発見
1981年8月、金属鉱業事業団の広域調査によって、当社の鹿児島県菱刈鉱区で高品位の金鉱脈が確認された。1985年の出鉱開始に先行する発見であり、国内唯一の商業金山としての菱刈の位置づけを決定づけた。
- 菱刈鉱山を開山(鹿児島県)1000万円の鉱区が国内唯一の金山に化けた構造的背景
- 米モレンシー銅山の権益取得
- PTインターナショナルニッケルインドネシアの株式取得
- チリ・カンデラリア銅鉱床の開発PJに参加
1992年1月、米Phelps Dodgeが所有するチリのカンデラリア銅鉱床の開発プロジェクトに参加した。1990年代の海外資源開発の本格化を象徴する案件であり、銅の長期安定供給確保を目的とした権益獲得の一環であった。
- 中国・金隆銅業有限公司に資本参加
1995年9月、中国の金隆銅業有限公司に資本参加した。中国本土での銅製錬事業へ初めて関与した案件であり、アジア地域における銅原料および製錬出口の確保を目的とした。
- 海外資源事業統括会社SMM Americaを設立
1997年2月、海外資源事業の統括会社としてSumitomo Metal Mining America Inc.を設立した。米州大陸における銅・金鉱山事業の管理機能を集約し、後年のポゴ金鉱山やモレンシー追加取得などの体制基盤となった。
- JOC東海事業所で臨界事故が発生
- 国内事業の整理統合を本格化
- 三井金属と亜鉛製錬で合弁会社を設立
2002年7月、三井金属鉱業と亜鉛製錬事業について提携し、共同出資による合弁会社エム・エスジンク株式会社を設立した。国内非鉄製錬の業界再編の流れを受け、亜鉛事業の競争力維持を目的とした統合であった。
- フィリピン・コーラルベイHPAL生産開始
2005年4月、フィリピン・パラワン島のCoral Bay Nickel Corporationが低品位酸化ニッケル鉱湿式処理(HPAL)の生産を開始した。HPALの商業運転は世界的にも先行事例であり、後年のEV電池材料供給を見据えたニッケル中間原料の自給体制の起点となった。
- 米ポコ金山の生産開始
- フィリピンNickel Asia Corporationに資本参加
- フィリピン・タガニートHPAL生産開始
2013年9月、フィリピン・ミンダナオ島のTaganito HPAL Nickel Corporationが低品位酸化ニッケル鉱湿式処理の生産を開始した。コーラルベイに続く2拠点目のHPAL案件であり、ニッケル中間原料の生産能力をさらに拡張した。
- チリ・シエラゴルダ銅鉱山の生産を開始
2015年7月、チリのシエラゴルダ銅鉱山が生産を開始した。当社にとって大型の銅権益案件であったが、市況下落と操業課題が重なり、2016年2月には減損処理が実施され、2022年に権益が譲渡された。
- シエラゴルダ銅鉱山で損失計上操業と市況下落の同期が招いた689億円の減損処理
- モレンシー銅山の権益を追加取得
- 2021年中期経営計画を策定
2022年2月に住友金属鉱山は「中期経営計画」を公表。企業価値の拡大を目的として「大型プロジェクトの推進」に注力する方針を打ち出した。具体的な注力PJは、電池材料(ニッケル系正極材)の増産に加え、海外資源開発として「ポマラPJ(インドネシア・ニッケル)、ケブラタブランカ2PJ(チリ・銅鉱山)、コテ金開発PJ(カナダ・金鉱山)」とした。
- 東証プライム市場へ移行
2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行した。
- チリ・ケブラダブランカ銅鉱山の開山
- カナダ・コテ金鉱山で商業生産を開始
2017年7月、住友金属鉱山はIMG社が権益を持つカナダ金鉱山「コテ金開発プロジェクト」への参画を決定し、約30%弱の権益を215億円で取得して2021年の採掘開始を目指した。しかし金価格低迷で着工を延期。その後2020年の金価格上昇を受け、2023年操業を目指して着工した。2023年6月から生産を開始し同年8月から商業生産。運営子会社SMM GOLD COTE INC.へFY23末時点で1,330億円を貸付。
- 電池材料事業本部新居浜工場が完成
2024年9月、電池材料事業本部の新居浜工場が完成した。EV向けニッケル系正極材の増産を目的としており、住友金属鉱山の電池材料事業に占める国内主力拠点として位置づけられた。