ユニチカの沿革・歴史的証言

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1889年〜2025

ユニチカの1889年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言

年度売上高純利益年月区分出来事歴史的意義
1889
1-12月
尼崎紡績会社を設立
大阪紡績の実証が引き起こした装置産業型の模倣参入
1890
1-12月
綿糸の製造を開始
設立翌年に主力品である綿糸の製造を開始した。創業期の収益基盤を確立し、後の業容拡大の起点となった。
1892
1-12月
株式上場
大阪株式取引所に株式上場
設立から約3年で大阪株式取引所に株式を上場した。資本市場からの調達余地を得て、設備拡張と地位確立に踏み出した。
1909
1-12月
綿布の生産開始
1918
1-12月
大日本紡績株式会社に商号変更
1918年に尼崎紡績と摂津紡績が合併。合併後に商号を大日本紡績株式会社に変更
1926
1-12月
日本レイヨンを設立
子会社の再統合ハードル
1933
1-12月
羊毛紡績を開始
FY50
1950/3
東京証券取引所に株式上場
FY51
1951/3
売上高
407億円
当期純利益
69億円
ビニロン繊維の生産開始
合理的判断の限界点
FY52
1952/3
売上高
575億円
当期純利益
51億円
FY53
1953/3
売上高
349億円
当期純利益
16億円
FY54
1954/3
売上高
367億円
当期純利益
20億円
FY55
1955/3
売上高
318億円
当期純利益
10億円
FY56
1956/3
売上高
342億円
当期純利益
16億円
日本レイヨンがナイロン繊維の製造を開始
子会社・日本レイヨン株式会社が国内におけるナイロン繊維の製造を開始した。当時の合成繊維の主力品目に進出し、戦後の事業多角化の柱の一つとなった。
FY57
1957/3
売上高
390億円
当期純利益
30億円
FY58
1958/3
売上高
363億円
当期純利益
17億円
FY59
1959/3
売上高
322億円
当期純利益
2億円
FY60
1960/3
売上高
443億円
当期純利益
21億円
FY61
1961/3
売上高
463億円
当期純利益
20億円
FY62
1962/3
売上高
478億円
当期純利益
16億円
FY63
1963/3
売上高
494億円
当期純利益
12億円
FY64
1964/3
売上高
604億円
当期純利益
12億円
日本レイヨンがポリエステル繊維の製造を開始
日本レイヨンがポリエステル繊維の製造を開始し、合成繊維のラインアップを拡張した。1966年には日本エステル株式会社へ製造移管し、後のグループ再編につながった。
FY65
1965/3
売上高
675億円
当期純利益
8億円
商号をニチボー株式会社に変更
大日本紡績からニチボーに商号変更
FY66
1966/3
売上高
682億円
当期純利益
2億円
FY67
1967/3
売上高
697億円
当期純利益
5億円
FY68
1968/3
売上高
751億円
当期純利益
12億円
FY69
1969/3
売上高
753億円
当期純利益
10億円
FY70
1970/3
売上高
1,335億円
当期純利益
18億円
組織再編
ニチボーと日本レイヨンが合併(ユニチカ発足)
合併による「規模の確保」が生んだ調整コストの常態化
住宅・不動産事業に進出
FY71
1971/3
売上高
2,216億円
当期純利益
14億円
FY72
1972/3
売上高
2,138億円
当期純利益
1億円
事業売却
資産売却益の計上
資産売却による時間稼ぎが構造改革の先送りを固定化した構図
FY73
1973/3
売上高
2,135億円
当期純利益
-72億円
FY74
1974/3
売上高
2,617億円
当期純利益
73億円
FY75
1975/3
売上高
2,338億円
当期純利益
8億円
FY76
1976/3
売上高
2,697億円
当期純利益
1億円
事業売却
国内3工場を閉鎖
「防衛的調整」にとどまった合併後初の構造改革の限界
FY77
1977/3
売上高
2,453億円
当期純利益
-87億円
三和銀行が経営介入
銀行の経営関与が「管理重視の運営」を定着させた逆説
FY78
1978/3
売上高
1,842億円
当期純利益
-9億円
ビニロン事業およびレーヨン事業を子会社分離
FY79
1979/3
売上高
1,810億円
当期純利益
1億円
FY80
1980/3
売上高
1,962億円
当期純利益
5億円
FY81
1981/3
売上高
2,151億円
当期純利益
8億円
PETフィルムに参入
技術の連続性を活かした「隣接領域への参入」という現実解
FY82
1982/3
売上高
2,145億円
当期純利益
0億円
FY83
1983/3
売上高
2,463億円
当期純利益
-43億円
医療機器事業に参入
FY84
1984/3
売上高
2,821億円
当期純利益
1億円
合理化を発表
FY85
1985/3
売上高
2,829億円
当期純利益
6億円
FY86
1986/3
活性炭繊維の生産開始
FY90
1990/3
子会社4社を吸収合併
FY92
1992/3
売上高
3,915億円
当期純利益
81億円
FY93
1993/3
売上高
3,437億円
当期純利益
5億円
FY94
1994/3
売上高
3,282億円
当期純利益
-69億円
FY95
1995/3
売上高
3,520億円
当期純利益
-80億円
FY96
1996/3
売上高
3,429億円
当期純利益
-66億円
インドネシアに現地法人を設立
FY97
1997/3
売上高
3,474億円
当期純利益
-40億円
FY98
1998/3
売上高
3,525億円
当期純利益
27億円
タイに現地法人を設立
FY99
1999/3
売上高
3,037億円
当期純利益
-141億円
組織再編
綿・羊毛事業を子会社へ分離
ユニチカテキスタイル株式会社を新設し、綿・羊毛事業を分離した。事業別の独立採算化を進め、繊維事業の経営責任明確化を図った。
FY00
2000/3
売上高
2,931億円
当期純利益
29億円
FY01
2001/3
売上高
2,771億円
当期純利益
37億円
FY02
2002/3
売上高
2,588億円
当期純利益
13億円
FY03
2003/3
売上高
2,337億円
当期純利益
-79億円
事業売却
酢ビ・ポバール事業を分割
日本酢ビ・ポバール株式会社へ酢ビ・ポバール事業を分割した。化学品分野における事業選別の一環で、収益性の劣る領域から段階的に距離を取る動きとなった。
FY04
2004/3
売上高
2,169億円
当期純利益
35億円
FY05
2005/3
売上高
2,178億円
当期純利益
42億円
FY06
2006/3
売上高
2,159億円
当期純利益
45億円
FY07
2007/3
売上高
2,205億円
当期純利益
25億円
FY08
2008/3
売上高
2,347億円
当期純利益
15億円
FY09
2009/3
売上高
2,095億円
当期純利益
-139億円
ナイロン長繊維から撤退
希望退職者を募集
FY10
2010/3
売上高
1,822億円
当期純利益
30億円
不採算事業の売却
FY11
2011/3
売上高
1,807億円
当期純利益
24億円
FY12
2012/3
売上高
1,746億円
親会社株主に帰属する当期純利益
12億円
事業売却
環境プラント事業を譲渡
水処理設備・焼却炉などを扱う環境プラント事業を譲渡した。1970年代から手掛けた公害防止事業の縮小であり、選択と集中を繊維・機能材中心へ寄せる動きであった。
FY13
2013/3
売上高
1,601億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-108億円
寺田紡績を完全子会社化
ユニチカが株式を73%保有する寺田紡績(大阪証券取引所に株式上場)について、2012年5月に完全子会社化を実施。2011年3月期の寺田紡績の業績は、売上高28億円・営業利益0.7億円であった。ユニチカによる寺田紡績の取得原価は2.6億円(追加取得分)であり、負ののれん発生益として0.4億円を計上した。
FY14
2014/3
売上高
1,626億円
親会社株主に帰属する当期純利益
5億円
FY15
2015/3
売上高
1,591億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-270億円
第三者割当増資を実施
財務体質改善(有利子負債の圧縮)のために、メインバンクの三菱UFJ銀行などから第三者割当増資による調達を実施。調達額は375億円であり、うち275億円は借入金の返済に充当
佐賀工場の閉鎖決定
国内繊維事業の子会社である「ユニチカスピニング」について、佐賀工場の閉鎖を決定。従業員約100名については配置転換で対応
事業売却
メディカル・生活健康事業を譲渡
メディカル事業および生活健康事業を譲渡した。1982年に参入した医療機器事業を含むヘルスケア領域の集中的な縮小であり、繊維・機能材へ経営資源を寄せる動きであった。
FY16
2016/3
売上高
1,464億円
親会社株主に帰属する当期純利益
69億円
FY17
2017/3
売上高
1,262億円
親会社株主に帰属する当期純利益
73億円
FY18
2018/3
売上高
1,283億円
親会社株主に帰属する当期純利益
80億円
FY19
2019/3
売上高
1,290億円
親会社株主に帰属する当期純利益
52億円
FY20
2020/3
売上高
1,195億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-21億円
FY21
2021/3
売上高
1,103億円
親会社株主に帰属する当期純利益
38億円
組織再編
本店を尼崎から大阪へ移転・欧州子会社を設立
本店所在地を兵庫県尼崎市から大阪府大阪市へ移転するとともに、UNITIKA EUROPE GmbHを設立した。本店移転は管理機能の集約が狙いで、欧州子会社設立は機能材輸出基盤の整備であった。
FY22
2022/3
売上高
1,147億円
親会社株主に帰属する当期純利益
22億円
FY23
2023/3
売上高
1,179億円
親会社株主に帰属する当期純利益
1億円
株式上場
東証プライム市場へ移行
東京証券取引所の市場区分再編に伴い、東証プライム市場へ移行した。同月にユニチカ設備技術株式会社を吸収合併し、グループの内部組織再編も並行して進めた。
FY24
2024/3
売上高
1,183億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-54億円
FY25
2025/3
売上高
1,264億円
親会社株主に帰属する当期純利益
-242億円
事業売却
繊維事業から撤退
延命は図れたが、永続はしなかった繊維事業
  1. 尼崎紡績会社を設立
    大阪紡績の実証が引き起こした装置産業型の模倣参入
  2. 綿糸の製造を開始

    設立翌年に主力品である綿糸の製造を開始した。創業期の収益基盤を確立し、後の業容拡大の起点となった。

  3. 株式上場
    大阪株式取引所に株式上場

    設立から約3年で大阪株式取引所に株式を上場した。資本市場からの調達余地を得て、設備拡張と地位確立に踏み出した。

  4. 綿布の生産開始
  5. 大日本紡績株式会社に商号変更

    1918年に尼崎紡績と摂津紡績が合併。合併後に商号を大日本紡績株式会社に変更

  6. 日本レイヨンを設立
    子会社の再統合ハードル
  7. 羊毛紡績を開始
  8. 東京証券取引所に株式上場
  9. ビニロン繊維の生産開始
    合理的判断の限界点
  10. 日本レイヨンがナイロン繊維の製造を開始

    子会社・日本レイヨン株式会社が国内におけるナイロン繊維の製造を開始した。当時の合成繊維の主力品目に進出し、戦後の事業多角化の柱の一つとなった。

  11. 日本レイヨンがポリエステル繊維の製造を開始

    日本レイヨンがポリエステル繊維の製造を開始し、合成繊維のラインアップを拡張した。1966年には日本エステル株式会社へ製造移管し、後のグループ再編につながった。

  12. 商号をニチボー株式会社に変更

    大日本紡績からニチボーに商号変更

  13. 組織再編
    ニチボーと日本レイヨンが合併(ユニチカ発足)
    合併による「規模の確保」が生んだ調整コストの常態化
  14. 住宅・不動産事業に進出
  15. 事業売却
    資産売却益の計上
    資産売却による時間稼ぎが構造改革の先送りを固定化した構図
  16. 事業売却
    国内3工場を閉鎖
    「防衛的調整」にとどまった合併後初の構造改革の限界
  17. 三和銀行が経営介入
    銀行の経営関与が「管理重視の運営」を定着させた逆説
  18. ビニロン事業およびレーヨン事業を子会社分離
  19. PETフィルムに参入
    技術の連続性を活かした「隣接領域への参入」という現実解
  20. 医療機器事業に参入
  21. 合理化を発表
  22. 活性炭繊維の生産開始
  23. 子会社4社を吸収合併
  24. インドネシアに現地法人を設立
  25. タイに現地法人を設立
  26. 組織再編
    綿・羊毛事業を子会社へ分離

    ユニチカテキスタイル株式会社を新設し、綿・羊毛事業を分離した。事業別の独立採算化を進め、繊維事業の経営責任明確化を図った。

  27. 事業売却
    酢ビ・ポバール事業を分割

    日本酢ビ・ポバール株式会社へ酢ビ・ポバール事業を分割した。化学品分野における事業選別の一環で、収益性の劣る領域から段階的に距離を取る動きとなった。

  28. ナイロン長繊維から撤退
  29. 希望退職者を募集
  30. 不採算事業の売却
  31. 事業売却
    環境プラント事業を譲渡

    水処理設備・焼却炉などを扱う環境プラント事業を譲渡した。1970年代から手掛けた公害防止事業の縮小であり、選択と集中を繊維・機能材中心へ寄せる動きであった。

  32. 寺田紡績を完全子会社化

    ユニチカが株式を73%保有する寺田紡績(大阪証券取引所に株式上場)について、2012年5月に完全子会社化を実施。2011年3月期の寺田紡績の業績は、売上高28億円・営業利益0.7億円であった。ユニチカによる寺田紡績の取得原価は2.6億円(追加取得分)であり、負ののれん発生益として0.4億円を計上した。

  33. 第三者割当増資を実施

    財務体質改善(有利子負債の圧縮)のために、メインバンクの三菱UFJ銀行などから第三者割当増資による調達を実施。調達額は375億円であり、うち275億円は借入金の返済に充当

  34. 佐賀工場の閉鎖決定

    国内繊維事業の子会社である「ユニチカスピニング」について、佐賀工場の閉鎖を決定。従業員約100名については配置転換で対応

  35. 事業売却
    メディカル・生活健康事業を譲渡

    メディカル事業および生活健康事業を譲渡した。1982年に参入した医療機器事業を含むヘルスケア領域の集中的な縮小であり、繊維・機能材へ経営資源を寄せる動きであった。

  36. 組織再編
    本店を尼崎から大阪へ移転・欧州子会社を設立

    本店所在地を兵庫県尼崎市から大阪府大阪市へ移転するとともに、UNITIKA EUROPE GmbHを設立した。本店移転は管理機能の集約が狙いで、欧州子会社設立は機能材輸出基盤の整備であった。

  37. 株式上場
    東証プライム市場へ移行

    東京証券取引所の市場区分再編に伴い、東証プライム市場へ移行した。同月にユニチカ設備技術株式会社を吸収合併し、グループの内部組織再編も並行して進めた。

  38. 事業売却
    繊維事業から撤退
    延命は図れたが、永続はしなかった繊維事業

参考文献・出所

有価証券報告書
繊研新聞 2024/11/29
日本経済新聞 2025/5/20