ショーボンドホールディングスの沿革・歴史的証言
1958年〜2025年
ショーボンドホールディングスの1958年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1958 1-12月 | 会社設立 | 昭和工業株式会社として創業 上田昭が31歳で東京都世田谷区に設立。当初は硬質塩化ビニールの加工・配管工事が主事業 | 後のショーボンドの母体。創業者個人経営の起点 | |||
1959 1-12月 | 研究開発新規事業 | エポキシ樹脂系高性能強力接着剤を独自開発 八久和ダム排水路ひび割れ補修でエポキシ樹脂を使った経験から開発。「ショーボンド」の登録商標で同年11月から生産開始 | コンクリート補修事業の原点。塩ビ配管屋から接着剤メーカーへの転換 | |||
1960 1-12月 | 業態転換 | 本社を東京都千代田区に移転しショーボンド事業を開始 エポキシ樹脂系接着剤「ショーボンド」の製造・販売・施工を本格化。配合比率を整数比に揃え土木現場での誤配合を防ぐ工夫 | 接着剤メーカーとしての事業基盤確立 | |||
設備投資 | 埼玉県川口市に川口工場を新設 接着剤の生産拠点 | 生産能力の確保 | ||||
1962 1-12月 | 研究開発 | SBアンカー(ガラスカプセル入り鉄筋埋込固定用接着剤)を開発 | 接着剤製品ラインの拡張 | |||
1963 1-12月 | 東京都知事建設業登録 登録番号と第28045号 | 自社施工体制の制度的基盤 | ||||
社名を株式会社ショーボンドに変更 接着剤メーカーから建設業会社への第一歩 | 商号改称により事業方針を明示 | |||||
1964 1-12月 | 新規事業 | 新潟地震で落橋した昭和大橋床版の復旧工事に採用 建設省土木研究所の推薦で同社のエポキシ樹脂が採用され、同年冬に完了。施工後50年超経過した現在も供用継続 | 橋梁補修事業の決定的転機。同社の進むべき道を決定付けた工事 | |||
1965 1-12月 | 研究開発業務提携 | 日本道路公団と共同開発した道路橋伸縮装置「カットオフジョイント」を名神高速道路で試験施工 一宮〜小牧間で試験施工。その後の高速道路建設の波に乗って全国の橋梁へ採用拡大 | 官公庁との共同開発体制の確立。高速道路市場への足掛かり | |||
1967 1-12月 | 研究開発 | 埼玉県川口市に研究所を設置 | 研究開発体制の制度化 | |||
研究開発 | 「増設げた合成工法」(橋梁床版補強工法の一つ)を日本で初めて施工 | 床版補強分野での先行優位の確立 | ||||
1969 1-12月 | 建設業の登録を都知事から建設大臣許可に変更 建設大臣登録(ワ)第6942号 | 全国展開の制度的根拠 | ||||
1970 1-12月 | 研究開発 | 橋梁床版補強を目的とする「鋼板接着工法」を開発 既存橋梁床版を生かしたまま補強する技術 | 後年の床版補強・耐震補強工事を請け負う基盤 | |||
1972 1-12月 | 研究開発業務提携 | 建設省建設技術研究補助金を受け「橋梁床版の補強工法の研究・開発」に成果 | 官公庁との技術連携が制度として深化 | |||
1975 1-12月 | 組織再編 | エポキシ樹脂等の製造部門を分離しショーボンド化学株式会社を設立 工事会社の純度を上げ、内製の素材調達と工事の外注体制を両立 | 接着剤メーカーから特殊土木工事会社への質的転換 | |||
社名をショーボンド建設株式会社に変更 株式会社ショーボンドからの社名変更。本社を東京都新宿区に移転、資本金を2億円から4.6億円へ増資 | 工事会社としての性格を対外的に明示 | |||||
FY77 1977/6 | 売上高 107.55億円 | 当期純利益 1.37億円 | 一般建設業許可業種の一部について特定建設業の許可を受ける 建設大臣許可(特-51)第1345号 | 大型工事への対応力強化 | ||
新規事業 | ショーボンド化工株式会社を設立 関東地区の民間市場開拓のため。現・化工建設株式会社で連結子会社 | 民間市場への進出 | ||||
FY78 1978/6 | 売上高 110.17億円 | 当期純利益 0.77億円 | 研究開発 | 研究所を埼玉県川口市から大宮市に移転し中央技術研究所として新設 化学技術と土木技術の融合の中核拠点 | 「技術のショーボンド」体制の核として機能 | |
FY79 1979/6 | 売上高 119.53億円 | 当期純利益 3.55億円 | 研究開発 | 「トンネル目地導水工法U型」を開発、青函トンネルに採用 | 橋梁から鉄道トンネル分野への展開 | |
研究開発新規事業 | 「ビックス工法」(コンクリートのひび割れに樹脂系接着剤を注入する工法)を開発 | 土木から建築物補修分野への参入起点 | ||||
FY80 1980/6 | 売上高 138.87億円 | 当期純利益 5.43億円 | 研究開発 | 「グライディングジョイント」(積雪地用道路橋梁伸縮装置)を開発 | 積雪地域市場への対応強化 | |
FY81 1981/6 | 売上高 159.05億円 | 当期純利益 2.7億円 | 研究開発業務提携 | 建設省建築研究所「日米共同大型耐震実験」にビックス工法が採用される | 耐震補修技術への官公庁評価獲得 | |
研究開発 | 「SBパネル」(プレキャスト版による橋梁床版打換工法)の開発に着手 | 床版打換分野の整備 | ||||
FY82 1982/6 | 売上高 158.12億円 | 当期純利益 2.5億円 | 設備投資 | 埼玉県川越市にショーボンド化学川越工場を新設 接着剤等生産拡大 | 生産能力の増強 | |
FY83 1983/6 | 売上高 170.57億円 | 当期純利益 3.32億円 | ||||
FY84 1984/6 | 売上高 185.84億円 | 当期純利益 2.7億円 | 研究開発業務提携 | 「DDビックス工法」を日本電信電話・通信建築研究所と共同開発、建築物補修に採用 | NTTグループとの共同開発体制 | |
FY85 1985/6 | 売上高 207.15億円 | 当期純利益 3.17億円 | ||||
FY86 1986/6 | 売上高 228.48億円 | 当期純利益 5.08億円 | 研究開発 | 「スパンガード」(浸透性コンクリート防水塗材)を開発 | 防水塗材製品ラインの追加 | |
FY87 1987/6 | 売上高 253.92億円 | 当期純利益 7.35億円 | 株式上場 | 東京証券取引所市場第二部に株式上場 創業から29年。当時売上高228億円・経常利益14億円 | 公開市場への船出。創業者個人色から上場企業への移行 | |
FY88 1988/6 | 売上高 283.03億円 | 当期純利益 8.59億円 | ||||
FY89 1989/6 | 売上高 309.68億円 | 当期純利益 10.59億円 | 研究開発 | コンクリートのアルカリ骨材反応による劣化対策工法を開発 | 塩害・アルカリ反応対策市場への対応 | |
FY90 1990/6 | 売上高 338.45億円 | 当期純利益 8.78億円 | 株式上場 | 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定 二部上場から2年半 | メイン市場への昇格 | |
FY91 1991/6 | 売上高 377.93億円 | 当期純利益 8.78億円 | ||||
FY92 1992/6 | 売上高 406.33億円 | 当期純利益 9.36億円 | 株主対応 | 初のスイス・フラン建新株引受権付社債(ワラント債)を発行 | 海外資本市場での資金調達の初例 | |
社長交代 | 初代社長の上田昭が会長に退き、桧垣茂が二代社長に就任 「65歳になったら第一線を引く」という上田氏の哲学に基づく交代。創業者経営から組織経営への移行 | 世代交代と組織管理体制への移行 | ||||
FY93 1993/6 | 売上高 447.38億円 | 当期純利益 14.83億円 | 研究開発業務提携 | 「外ケーブル定着システム」を株式会社富士ピーエスと共同開発、実橋への展開を進める | プレストレストコンクリート分野への対応 | |
FY94 1994/6 | 研究開発業務提携 | 「ドライブラスト」を昭和炭酸株式会社と共同開発、土木・建築構造物の表面処理と洗浄に適用 | 表面処理分野の整備 | |||
FY95 1995/6 | 新規事業 | 阪神・淡路大震災で補強済み橋脚に被害なく耐震補修工法が市場の標準に 震災直前に同社が補強を施した橋脚は無傷。阪神高速道路や東海道新幹線の復旧・復興に同社技術が投入された | 耐震補修市場の存在を社会に証明。受注の質的拡大の起点 | |||
FY96 1996/6 | 新規事業組織再編 | メカニカル継手「ストラブカップリング」部門をショーボンド化学から分離 ショーボンドカップリング株式会社を設立 | 継手事業の独立。製品ポートフォリオの拡大 | |||
研究開発 | 「低騒音床版解体工法」(ジャッキビーム)を開発、既設コンクリート床版を低騒音で迅速に撤去 | 都市部の補修施工への対応 | ||||
研究開発業務提携 | 下水道急速防食被覆「PSライニング工法」を日本下水道事業団との共同研究で開発、「スーパー床版」を北海道開発局開発土木研究所との共同研究で開発 | 下水道分野への参入と公的研究機関連携の拡大 | ||||
研究開発 | 研究所を埼玉県大宮市から茨城県つくば市に移転し補修工学研究所として新設 約2万1千平方メートルの敷地に大型実験棟・移動載荷試験棟・供試体製作棟など5棟構成。耐震デバイスの開発拠点 | 「経験技術から補修工学へ」の理念体現。耐震デバイス開発の中核拠点 | ||||
FY97 1997/6 | 1997年6月期の売上高981億円・6期連続最高益 阪神・淡路後の橋脚耐震工事急増を受けた業績拡大 | 耐震補修市場立ち上がりに伴う事業の急成長 | ||||
FY98 1998/6 | 社長交代 | 桧垣茂社長から上谷章夫氏へ社長交代 三代社長就任 | 創業期世代から純粋管理経営者世代への移行 | |||
FY99 1999/6 | 売上高 814.08億円 | 当期純利益 28.7億円 | ||||
FY00 2000/6 | 売上高 777.18億円 | 当期純利益 18.41億円 | 研究開発業務提携 | 「ウルトラパネル」「ウルトラシェッド」(鋼板サンドイッチ構造の橋梁床版・落石覆道)を北海道開発局開発土木研究所と共同開発 | 寒冷地・落石対策市場への展開 | |
研究開発 | 「ツインプレート工法」(既設床版を鋼板でサンドイッチ構造化する補強工法)を北海道開発局開発土木研究所と共同開発 | 床版補強の鋼板系工法ラインアップ拡張 | ||||
FY01 2001/6 | 売上高 809.16億円 | 当期純利益 33.21億円 | 研究開発IT投資 | 「光ファイバーを使用したコンクリート部材の劣化監視システム」を開発 | 構造物モニタリングのIT化の起点 | |
研究開発 | 「ハイブリッドシート工法」(特殊ラミネートシートを接着するコンクリートはく落対策工法)を開発 | はく落対策分野の整備 | ||||
FY02 2002/6 | 売上高 585.1億円 | 当期純利益 4.84億円 | 経営危機 | 連結売上高585億円・前期比27.7%減・営業利益▲66.1%減 公共投資縮減で受注環境悪化、売上が前期809億円から585億円へ急減 | 1997年981億ピークから5年で売上40%減の下落局面 | |
FY03 2003/6 | 売上高 440.63億円 | 当期純利益 1.71億円 | 研究開発 | 「PSシート工法」(下水道成型品防食被覆)と「e-Line・V」(電気防食工法)を開発 | 下水道・電気防食領域の製品化 | |
経営危機 | 連結売上高441億円・前期比24.7%減で2期連続急落 公共工事の縮減傾向継続、収益悪化が続く | 2000年代下落期の中盤、6年連続最高益記録の終焉から3年 | ||||
FY04 2004/6 | 売上高 353.33億円 | 当期純損失 -54.69億円 | 経営危機 | 完成工事の瑕疵による指名停止と早期退職プログラム実施で連結純損失54.7億円を計上 連結売上前期比19.8%減の353.3億円。修補費用14.9億・関係会社株式減損6.6億・早期退職優遇7.5億の特別損失29.9億を計上 | 創業以来最大の経営危機。橋梁補修専業の品質ブランドが揺らぐ | |
FY05 2005/6 | 売上高 360.92億円 | 当期純利益 5.75億円 | 研究開発業務提携 | 「応力機能目地」(農業用水路目地)を独立行政法人農業工学研究所と共同開発 | 農業インフラ分野への展開 | |
社長交代 | 石原一裕氏が四代社長に就任 2009年まで建設社長を務め、その後HD専任 | HD化準備期の経営者 | ||||
FY06 2006/6 | 売上高 369.6億円 | 当期純利益 10.23億円 | 研究開発業務提携 | 高機能排水桝「ショーボンドMS」を川口金属・前田工繊と共同開発 | 排水部材市場への対応 | |
本社を東京都千代田区から江東区へ移転 | 事業拡大に伴う本社機能の拡張 | |||||
FY07 2007/6 | 売上高 375.48億円 | 当期純利益 19.11億円 | ||||
FY08 2008/6 | 売上高 414.16億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 27.96億円 | 組織再編株式上場株主対応 | 株式移転によりショーボンドホールディングスを設立、東証一部に上場 持株会社体制への移行。目的は「機動的な経営判断とグループ各社の採算性・事業責任の明確化」。2007年8月の15%超買付に対する情報提供要求プラン整備と並行 | グループ経営体制の制度化+買収防衛策整備の同時進行 | |
FY09 2009/6 | 売上高 427.37億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 19.41億円 | 組織再編 | ショーボンド化学・化工建設・ショーボンドカップリングを100%子会社化 ショーボンド建設との吸収分割契約 | グループ内の持株関係整理 | |
FY10 2010/6 | 売上高 505.82億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 43.71億円 | 本社を東京都江東区から中央区へ移転 | 本社機能の集約 | ||
FY11 2011/6 | 売上高 474.3億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 47.84億円 | 組織再編 | 化工建設をショーボンド建設に承継させる簡易吸収分割を実施 グループ内事業重複の整理 | 組織再編の最終段階 | |
FY12 2012/6 | 売上高 443.68億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 36.87億円 | ||||
FY13 2013/6 | 売上高 517.92億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 43.49億円 | ||||
FY14 2014/6 | 売上高 495.99億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 50.08億円 | ||||
FY15 2015/6 | 売上高 521.24億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 59.26億円 | ||||
FY16 2016/6 | 売上高 523.34億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 62.67億円 | ||||
FY17 2017/6 | 売上高 532.5億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 69.97億円 | 社長交代 | 岸本達也氏がショーボンド建設社長に就任 藤井宗司氏から建設社長の交代 | 元・熊谷組出身の橋梁設計実務家への移行 | |
FY18 2018/6 | 売上高 596.82億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 73.01億円 | ||||
FY19 2019/6 | 売上高 608.24億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 80.8億円 | 社長交代 | 岸本達也氏がショーボンドホールディングス代表取締役社長に昇格 二代目HD社長 | 設計・補修の現場経験を持つ社長による経営移行 | |
合弁設立海外進出 | 三井物産と合弁会社SHO-BOND & MITインフラメンテナンス(SB&M)を設立 SB51%・三井物産49%出資。世界62カ国・124拠点の三井物産ネットワークを活用 | 海外メンテナンス事業の起点 | ||||
FY20 2020/6 | 売上高 675.9億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 90.05億円 | 合弁設立海外進出 | タイCPAC社との合弁CPAC SB&M Lifetime Solutionをバンコクに設立 SCG傘下のCPAC社と連携。SCGの販売網経由で東南アジア工事案件取り込み | 東南アジアでの事業拠点確保 | |
FY21 2021/6 | 売上高 800.65億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 113.4億円 | ||||
FY22 2022/6 | 売上高 811.93億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 123.66億円 | 東証市場区分見直しでプライム市場へ移行 | 新市場区分での上場継続 | ||
FY23 2023/6 | 売上高 839.24億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 128.87億円 | ||||
FY24 2024/6 | 売上高 854.19億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 143.21億円 | 企業買収海外進出 | 米国インフラ補修事業者Structural Technologies LLCに出資 | ||
FY25 2025/6 | 売上高 907.12億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 150.61億円 | 組織再編海外進出 | ショーボンド建設内に海外事業部を新設 工事材料販売一本足から、現地施工指導と技術提供を組み合わせた直接展開型モデルへ転換 | 海外事業のビジネスモデル再構築の制度化 | |
経営計画 | 中期経営計画2027(2025〜2027年6月期)を策定 「事業性と社会性を追求した企業価値の向上」を基本方針に5項目を掲げる | 新中計期入り。配当性向60%・総還元性向90%を明示 | ||||
タイCPAC SB&Mが創業以来初の黒字化を達成 2020年合弁設立から4期目で黒字転換 | 海外メンテナンスの収益化第一歩 | |||||
組織再編 | 2020年から続けた東西カンパニー制を見直し より柔軟な人員配置体制へ転換 | 全社最適配置への再編 |
- 昭和工業株式会社として創業
上田昭が31歳で東京都世田谷区に設立。当初は硬質塩化ビニールの加工・配管工事が主事業
後のショーボンドの母体。創業者個人経営の起点 - エポキシ樹脂系高性能強力接着剤を独自開発
八久和ダム排水路ひび割れ補修でエポキシ樹脂を使った経験から開発。「ショーボンド」の登録商標で同年11月から生産開始
コンクリート補修事業の原点。塩ビ配管屋から接着剤メーカーへの転換 - 本社を東京都千代田区に移転しショーボンド事業を開始
エポキシ樹脂系接着剤「ショーボンド」の製造・販売・施工を本格化。配合比率を整数比に揃え土木現場での誤配合を防ぐ工夫
接着剤メーカーとしての事業基盤確立 - 埼玉県川口市に川口工場を新設
接着剤の生産拠点
生産能力の確保 - SBアンカー(ガラスカプセル入り鉄筋埋込固定用接着剤)を開発接着剤製品ラインの拡張
- 東京都知事建設業登録
登録番号と第28045号
自社施工体制の制度的基盤 - 社名を株式会社ショーボンドに変更
接着剤メーカーから建設業会社への第一歩
商号改称により事業方針を明示 - 新潟地震で落橋した昭和大橋床版の復旧工事に採用
建設省土木研究所の推薦で同社のエポキシ樹脂が採用され、同年冬に完了。施工後50年超経過した現在も供用継続
橋梁補修事業の決定的転機。同社の進むべき道を決定付けた工事 - 日本道路公団と共同開発した道路橋伸縮装置「カットオフジョイント」を名神高速道路で試験施工
一宮〜小牧間で試験施工。その後の高速道路建設の波に乗って全国の橋梁へ採用拡大
官公庁との共同開発体制の確立。高速道路市場への足掛かり - 埼玉県川口市に研究所を設置研究開発体制の制度化
- 「増設げた合成工法」(橋梁床版補強工法の一つ)を日本で初めて施工床版補強分野での先行優位の確立
- 建設業の登録を都知事から建設大臣許可に変更
建設大臣登録(ワ)第6942号
全国展開の制度的根拠 - 橋梁床版補強を目的とする「鋼板接着工法」を開発
既存橋梁床版を生かしたまま補強する技術
後年の床版補強・耐震補強工事を請け負う基盤 - 建設省建設技術研究補助金を受け「橋梁床版の補強工法の研究・開発」に成果官公庁との技術連携が制度として深化
- エポキシ樹脂等の製造部門を分離しショーボンド化学株式会社を設立
工事会社の純度を上げ、内製の素材調達と工事の外注体制を両立
接着剤メーカーから特殊土木工事会社への質的転換 - 社名をショーボンド建設株式会社に変更
株式会社ショーボンドからの社名変更。本社を東京都新宿区に移転、資本金を2億円から4.6億円へ増資
工事会社としての性格を対外的に明示 - 一般建設業許可業種の一部について特定建設業の許可を受ける
建設大臣許可(特-51)第1345号
大型工事への対応力強化 - ショーボンド化工株式会社を設立
関東地区の民間市場開拓のため。現・化工建設株式会社で連結子会社
民間市場への進出 - 研究所を埼玉県川口市から大宮市に移転し中央技術研究所として新設
化学技術と土木技術の融合の中核拠点
「技術のショーボンド」体制の核として機能 - 「トンネル目地導水工法U型」を開発、青函トンネルに採用橋梁から鉄道トンネル分野への展開
- 「ビックス工法」(コンクリートのひび割れに樹脂系接着剤を注入する工法)を開発土木から建築物補修分野への参入起点
- 「グライディングジョイント」(積雪地用道路橋梁伸縮装置)を開発積雪地域市場への対応強化
- 建設省建築研究所「日米共同大型耐震実験」にビックス工法が採用される耐震補修技術への官公庁評価獲得
- 「SBパネル」(プレキャスト版による橋梁床版打換工法)の開発に着手床版打換分野の整備
- 埼玉県川越市にショーボンド化学川越工場を新設
接着剤等生産拡大
生産能力の増強 - 「DDビックス工法」を日本電信電話・通信建築研究所と共同開発、建築物補修に採用NTTグループとの共同開発体制
- 「スパンガード」(浸透性コンクリート防水塗材)を開発防水塗材製品ラインの追加
- 東京証券取引所市場第二部に株式上場
創業から29年。当時売上高228億円・経常利益14億円
公開市場への船出。創業者個人色から上場企業への移行 - コンクリートのアルカリ骨材反応による劣化対策工法を開発塩害・アルカリ反応対策市場への対応
- 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定
二部上場から2年半
メイン市場への昇格 - 初のスイス・フラン建新株引受権付社債(ワラント債)を発行海外資本市場での資金調達の初例
- 初代社長の上田昭が会長に退き、桧垣茂が二代社長に就任
「65歳になったら第一線を引く」という上田氏の哲学に基づく交代。創業者経営から組織経営への移行
世代交代と組織管理体制への移行 - 「外ケーブル定着システム」を株式会社富士ピーエスと共同開発、実橋への展開を進めるプレストレストコンクリート分野への対応
- 「ドライブラスト」を昭和炭酸株式会社と共同開発、土木・建築構造物の表面処理と洗浄に適用表面処理分野の整備
- 阪神・淡路大震災で補強済み橋脚に被害なく耐震補修工法が市場の標準に
震災直前に同社が補強を施した橋脚は無傷。阪神高速道路や東海道新幹線の復旧・復興に同社技術が投入された
耐震補修市場の存在を社会に証明。受注の質的拡大の起点 - メカニカル継手「ストラブカップリング」部門をショーボンド化学から分離
ショーボンドカップリング株式会社を設立
継手事業の独立。製品ポートフォリオの拡大 - 「低騒音床版解体工法」(ジャッキビーム)を開発、既設コンクリート床版を低騒音で迅速に撤去都市部の補修施工への対応
- 下水道急速防食被覆「PSライニング工法」を日本下水道事業団との共同研究で開発、「スーパー床版」を北海道開発局開発土木研究所との共同研究で開発下水道分野への参入と公的研究機関連携の拡大
- 研究所を埼玉県大宮市から茨城県つくば市に移転し補修工学研究所として新設
約2万1千平方メートルの敷地に大型実験棟・移動載荷試験棟・供試体製作棟など5棟構成。耐震デバイスの開発拠点
「経験技術から補修工学へ」の理念体現。耐震デバイス開発の中核拠点 - 1997年6月期の売上高981億円・6期連続最高益
阪神・淡路後の橋脚耐震工事急増を受けた業績拡大
耐震補修市場立ち上がりに伴う事業の急成長 - 桧垣茂社長から上谷章夫氏へ社長交代
三代社長就任
創業期世代から純粋管理経営者世代への移行 - 「ウルトラパネル」「ウルトラシェッド」(鋼板サンドイッチ構造の橋梁床版・落石覆道)を北海道開発局開発土木研究所と共同開発寒冷地・落石対策市場への展開
- 「ツインプレート工法」(既設床版を鋼板でサンドイッチ構造化する補強工法)を北海道開発局開発土木研究所と共同開発床版補強の鋼板系工法ラインアップ拡張
- 「光ファイバーを使用したコンクリート部材の劣化監視システム」を開発構造物モニタリングのIT化の起点
- 「ハイブリッドシート工法」(特殊ラミネートシートを接着するコンクリートはく落対策工法)を開発はく落対策分野の整備
- 連結売上高585億円・前期比27.7%減・営業利益▲66.1%減
公共投資縮減で受注環境悪化、売上が前期809億円から585億円へ急減
1997年981億ピークから5年で売上40%減の下落局面 - 「PSシート工法」(下水道成型品防食被覆)と「e-Line・V」(電気防食工法)を開発下水道・電気防食領域の製品化
- 連結売上高441億円・前期比24.7%減で2期連続急落
公共工事の縮減傾向継続、収益悪化が続く
2000年代下落期の中盤、6年連続最高益記録の終焉から3年 - 完成工事の瑕疵による指名停止と早期退職プログラム実施で連結純損失54.7億円を計上
連結売上前期比19.8%減の353.3億円。修補費用14.9億・関係会社株式減損6.6億・早期退職優遇7.5億の特別損失29.9億を計上
創業以来最大の経営危機。橋梁補修専業の品質ブランドが揺らぐ - 「応力機能目地」(農業用水路目地)を独立行政法人農業工学研究所と共同開発農業インフラ分野への展開
- 石原一裕氏が四代社長に就任
2009年まで建設社長を務め、その後HD専任
HD化準備期の経営者 - 高機能排水桝「ショーボンドMS」を川口金属・前田工繊と共同開発排水部材市場への対応
- 本社を東京都千代田区から江東区へ移転事業拡大に伴う本社機能の拡張
- 株式移転によりショーボンドホールディングスを設立、東証一部に上場
持株会社体制への移行。目的は「機動的な経営判断とグループ各社の採算性・事業責任の明確化」。2007年8月の15%超買付に対する情報提供要求プラン整備と並行
グループ経営体制の制度化+買収防衛策整備の同時進行 - ショーボンド化学・化工建設・ショーボンドカップリングを100%子会社化
ショーボンド建設との吸収分割契約
グループ内の持株関係整理 - 本社を東京都江東区から中央区へ移転本社機能の集約
- 化工建設をショーボンド建設に承継させる簡易吸収分割を実施
グループ内事業重複の整理
組織再編の最終段階 - 岸本達也氏がショーボンド建設社長に就任
藤井宗司氏から建設社長の交代
元・熊谷組出身の橋梁設計実務家への移行 - 岸本達也氏がショーボンドホールディングス代表取締役社長に昇格
二代目HD社長
設計・補修の現場経験を持つ社長による経営移行 - 三井物産と合弁会社SHO-BOND & MITインフラメンテナンス(SB&M)を設立
SB51%・三井物産49%出資。世界62カ国・124拠点の三井物産ネットワークを活用
海外メンテナンス事業の起点 - タイCPAC社との合弁CPAC SB&M Lifetime Solutionをバンコクに設立
SCG傘下のCPAC社と連携。SCGの販売網経由で東南アジア工事案件取り込み
東南アジアでの事業拠点確保 - 東証市場区分見直しでプライム市場へ移行新市場区分での上場継続
- 米国インフラ補修事業者Structural Technologies
LLCに出資
- ショーボンド建設内に海外事業部を新設
工事材料販売一本足から、現地施工指導と技術提供を組み合わせた直接展開型モデルへ転換
海外事業のビジネスモデル再構築の制度化 - 中期経営計画2027(2025〜2027年6月期)を策定
「事業性と社会性を追求した企業価値の向上」を基本方針に5項目を掲げる
新中計期入り。配当性向60%・総還元性向90%を明示 - タイCPAC SB&Mが創業以来初の黒字化を達成
2020年合弁設立から4期目で黒字転換
海外メンテナンスの収益化第一歩 - 2020年から続けた東西カンパニー制を見直し
より柔軟な人員配置体制へ転換
全社最適配置への再編
歴史的証言
「橋梁補修に関しては、昭和39年、新潟地震により落橋した昭和大橋の床版に無数のひびわれが発生し、このひびわれ補修に当社のエポキシ樹脂系接着剤が建設省土木研究所のご推薦により採用され、緊急復旧する工事が行なわれました。20数年経過した現在も増大する交通量に耐え供用されています。」
「わたしには会長のようなリーダーシップはなく、それに会社も一人で引っぱっていける規模でなくなってきたので、これからは組織管理に移していく。基本的な路線はこれまでと同じだが、社員が何でもいえて、何でもやれる、バイタリティのある会社にしていきたい。向う傷は問わない」
「ショーボンドの歴史は合理化の歴史だった。営業所長は皆、どうしたら利益が出るかを自主的に考えるようになった。60人の経営者がいるようなものなのだ」
「顧客の約九割が官公庁のため、不況になると受注が増える」
橋梁補修に関しては、昭和39年、新潟地震により落橋した昭和大橋の床版に無数のひびわれが発生し、このひびわれ補修にショーボンドホールディングスのエポキシ樹脂系接着剤が建設省土木研究所のご推薦により採用され、緊急復旧する工事が行なわれました。20数年経過した現在も増大する交通量に耐え供用されています。 顧みれば、設立当初、エポキシ樹脂系接着剤を日本で一番早く土木業界に導入し、以後化学技術と土木技術の融合に傾注して参りました。エポキシ樹脂系接着剤の性能と土木への応用については充分な検討を重ね、また東京大学・生産技術研究所に委託しあらゆるデータを完備しましたが、施工実績がないため採用していただくまでの難さは、筆舌に尽くしがたいものがありました。
ショーボンドの歴史は合理化の歴史だった。 営業所長は皆、どうしたら利益が出るかを自主的に考えるようになった。60人の経営者がいるようなものなのだ。