沿革年表 1949〜2024年における重要度別の出来事(合計36件)
| 年月 | 区分 | 社長/CEO | 出来事 | 年度 | 売上高 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|
重要事項会社設立 | 朝日麦酒株式会社を発足 歴史的意義yutaka sugiura 1949年の大日本麦酒の分割により、朝日麦酒は西日本を地盤とする限定的な事業基盤で再出発した。全国網を失い、特に首都圏での供給力不足は長期にわたる課題となった。一方で、分割は独立した意思決定の自由度をもたらし、後年の非連続な戦略転換を可能にする組織的条件を整えた。劣位からの出発が、結果として攻める経営の前提を形成した。 | 1949 1-12月 | ||||
東京証券取引所に株式上場 | ||||||
ニッカウヰスキーに資本参加 歴史的意義yutaka sugiura ウイスキー市場でサントリーが先行する中、朝日麦酒は自社での垂直統合ではなくニッカとの資本提携を選んだ。設備投資と熟成リスクを抑えつつ、自社の販売網とニッカの製造能力を組み合わせる補完関係が設計の基盤であった。この協業型の参入判断は、後年のアサヒグループにおけるM&Aを通じた事業拡張の原型ともいえる選択であった。 | FY54 1954/12 | |||||
FY60 1960/12 | 売上高 508億円 | |||||
柏工場を新設(飲料専門工場) | FY61 1961/12 | 売上高 686億円 | ||||
重要事項 | 大森工場を新設 歴史的意義yutaka sugiura 大森工場の新設は首都圏での供給力強化を目的とした前進配置であったが、サッポロが関西に対抗投資を行うなど、各社の設備投資は相互の重点市場を突く応酬に発展した。供給力の増強はシェア改善に直結せず、朝日麦酒は1963年に業界3位に後退した。量の競争ではキリンの優位を崩せないという現実が、この時期の投資から浮かび上がった。 | FY62 1962/12 | 売上高 728億円 | |||
国内ビール市場でシェア3位に低迷 | FY63 1963/12 | 売上高 763億円 | ||||
FY64 1964/12 | 売上高 939億円 | |||||
FY65 1965/12 | 売上高 891億円 | |||||
FY66 1966/12 | 売上高 893億円 | |||||
FY67 1967/12 | 売上高 1,007億円 | |||||
FY68 1968/12 | 売上高 1,016億円 | |||||
FY69 1969/12 | 売上高 1,065億円 | |||||
FY70 1970/12 | 売上高 1,080億円 | |||||
FY71 1971/12 | 売上高 1,022億円 | |||||
FY72 1972/12 | 売上高 1,108億円 | |||||
名古屋工場の新設 | FY73 1973/12 | 売上高 1,247億円 | ||||
FY74 1974/12 | 売上高 1,244億円 | |||||
FY75 1975/12 | 売上高 1,456億円 | 当期純利益 14億円 | ||||
FY76 1976/12 | 売上高 1,437億円 | 当期純利益 16億円 | ||||
FY77 1977/12 | 売上高 1,639億円 | 当期純利益 17億円 | ||||
FY78 1978/12 | 売上高 1,837億円 | 当期純利益 25億円 | ||||
福島工場の新設 | FY79 1979/12 | 売上高 1,810億円 | 当期純利益 15億円 | |||
FY80 1980/12 | 売上高 1,852億円 | 当期純利益 15億円 | ||||
FY81 1981/12 | 売上高 1,984億円 | 当期純利益 13億円 | ||||
重要事項 | 住友銀行が経営支援 歴史的意義yutaka sugiura 1982年の住友銀行による経営支援は、朝日ビールの低迷を組織構造の問題として捉え直す転機であった。村井社長は家庭用市場への視点転換と組織行動の質的改善を推進し、即座の業績回復ではなく再挑戦の条件を整えることに注力した。この時期に形成された組織基盤が、後年のスーパードライという非連続な戦略転換を可能にする前提となった。 | FY82 1982/12 | 売上高 2,018億円 | 当期純利益 13億円 | ||
FY83 1983/12 | 売上高 2,147億円 | 当期純利益 13億円 | ||||
FY84 1984/12 | 売上高 2,243億円 | 当期純利益 13億円 | ||||
FY85 1985/12 | 売上高 2,363億円 | 当期純利益 13億円 | ||||
樋口廣太郎氏が社長就任 | FY86 1986/12 | 売上高 2,593億円 | 当期純利益 15億円 | |||
重要事項 | アサヒスーパードライを発売 歴史的意義yutaka sugiura スーパードライは、消費者調査を起点に味を再定義し、広告販促への集中投資でブランドを浸透させた非連続な一手であった。シェア9.6%という劣位が、逆に既存を捨てる自由度を生んだ。競合は既存顧客を抱えるがゆえに主力の味覚転換に踏み込めず、先行者の優位が構造的に保護された。成熟市場でシェア構造を書き換えた稀有な事例である。 | FY87 1987/12 | 売上高 3,451億円 | 当期純利益 25億円 | ||
FY88 1988/12 | 売上高 5,448億円 | 当期純利益 47億円 | ||||
アサヒビール株式会社に商号変更 | FY89 1989/12 | 売上高 6,550億円 | 当期純利益 60億円 | |||
東京吾妻橋に本社ビルを竣工 | ||||||
明石工場を新設(飲料専門工場) | ||||||
茨城工場を新設 | FY91 1991/12 | 売上高 9,131億円 | 当期純利益 48億円 | |||
FY92 1992/12 | 売上高 9,491億円 | 当期純利益 38億円 | ||||
FY93 1993/12 | 売上高 9,511億円 | 当期純利益 34億円 | ||||
中国に現地法人を新設 | FY94 1994/12 | 売上高 10,755億円 | 当期純利益 64億円 | |||
伊藤忠と共同で中国企業2社の経営権を取得 | FY95 1995/12 | 売上高 10,879億円 | 当期純利益 66億円 | |||
FY96 1996/12 | 売上高 12,120億円 | 当期純利益 82億円 | ||||
FY97 1997/12 | 売上高 13,132億円 | 当期純利益 115億円 | ||||
四国工場を新設 | FY98 1998/12 | 売上高 13,572億円 | 当期純利益 5億円 | |||
FY99 1999/12 | 売上高 13,968億円 | 当期純利益 40億円 | ||||
FY00 2000/12 | 売上高 13,991億円 | 当期純利益 -157億円 | ||||
FY01 2001/12 | 売上高 14,333億円 | 当期純利益 136億円 | ||||
神奈川工場を新設(大森工場を閉鎖) | FY02 2002/12 | 売上高 13,752億円 | 当期純利益 147億円 | |||
協和発酵および旭化成から酒類事業を取得 | ||||||
FY03 2003/12 | 売上高 14,003億円 | 当期純利益 232億円 | ||||
FY04 2004/12 | 売上高 14,442億円 | 当期純利益 305億円 | ||||
| 荻田伍 | FY05 2005/12 | 売上高 14,300億円 | 当期純利益 398億円 | |||
| 荻田伍 | 和光堂を買収 | FY06 2006/12 | 売上高 14,463億円 | 当期純利益 447億円 | ||
| 荻田伍 | FY07 2007/12 | 売上高 14,640億円 | 当期純利益 447億円 | |||
| 荻田伍 | 朝日飲料を完全子会社化(親子上場の解消) | FY08 2008/12 | 売上高 14,627億円 | 当期純利益 450億円 | ||
| 泉谷直木 | SCHWEPPES HD飲料事業を買収(豪州) | FY09 2009/12 | 売上高 14,724億円 | 当期純利益 476億円 | ||
| 泉谷直木 | FY10 2010/12 | 売上高 14,894億円 | 当期純利益 530億円 | |||
| 泉谷直木 | 商号をアサヒグループホールディングスに変更 | FY11 2011/12 | 売上高 14,627億円 | 当期純利益 550億円 | ||
Flavoured Beverages社を買収(NZ・豪州) | ||||||
重要事項企業買収 | 泉谷直木 | カルピスを買収 歴史的意義yutaka sugiura カルピス買収は、新商品開発の積み上げではなく、既に定着したメガブランドの取得によって飲料事業の質を転換させた案件であった。90年の歴史を持つ定番ブランドは価格競争に陥りにくく、安定的なキャッシュフローを生む。業界3位の規模確保以上に、新商品依存からの脱却と事業の予見可能性向上がこの買収の本質的な意義であった。 | FY12 2012/12 | 売上高 15,790億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 571億円 | |
| 泉谷直木 | FY13 2013/12 | 売上高 17,142億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 617億円 | |||
| 泉谷直木 | Etikaを買収(マレーシア・乳製品) | FY14 2014/12 | 売上高 17,854億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 691億円 | ||
| 小路明善 | エノテカ株式会社を買収 | FY15 2015/12 | 売上高 18,574億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 764億円 | ||
重要事項企業買収 | 小路明善 | 旧SABMillerの西欧プレミアムビール事業を取得 歴史的意義yutaka sugiura AB InBevによる旧SABMiller買収に伴う分離資産のうち、Peroni・Grolsch・Meantimeなど西欧のプレミアムブランド群を約3,000億円で取得した判断であった。国内のビール需要が縮むなか、量の競争から降りて高付加価値ブランドで稼ぐ土俵を海外に確保し、翌2017年の中東欧事業取得へ続く欧州展開の第一歩とした。 | FY16 2016/12 | 売上高 18,903億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 817億円 | |
重要事項企業買収 | 小路明善 | 旧SABMillerの中東欧事業を取得(子会社化) AB InBev から旧 SABMiller plc の中東欧事業その他関連資産を取得し、子会社化した。2016年10月に取得した伊・蘭・英事業に続く欧州M&Aの第二弾であり、プレミアム軸の欧州事業を中東欧へ拡張した。 経営判断をよむ → | FY17 2017/12 | 売上高 20,848億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,410億円 | |
青島ビールの譲渡(中国事業の縮小) | ||||||
| 小路明善 | FY18 2018/12 | 売上高 21,202億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,510億円 | |||
企業買収 | 小路明善 | Asahi UK Holdings 等を取得 Asahi UK Holdings Ltd. ほか3社の株式を取得し連結子会社化した。英国市場での販売・流通体制を強化するM&Aであり、SABMiller 取得後の欧州事業の補完として位置づけられた。 | FY19 2019/12 | 売上高 20,890億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,422億円 | |
企業買収 | 勝木敦志 | AB InBev社の豪州事業を買収 歴史的意義yutaka sugiura ABインベブがSABMiller買収後の負債圧縮を急ぐ中、アサヒは買い手として交渉上の優位を確保し、豪州ビール市場の約5割を占めるCUB事業を取得した。欧州に続く大型買収により日本・欧州・豪州の三極体制が確立され、地域分散とプレミアム戦略の相互展開が可能となった。売り手の事情を活かした高収益事業の連続取得である。 | FY20 2020/12 | 売上高 20,277億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 928億円 | |
組織再編 | 勝木敦志 | アサヒグループジャパンを設立 国内事業の事業管理等を担うアサヒグループジャパン株式会社を新設した。翌2022年1月に国内事業の事業管理等を会社分割により承継し、純粋持株会社体制下での日本事業の中間統括会社として機能した。 | FY21 2021/12 | 売上高 22,360億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,535億円 | |
| 勝木敦志 | 新九州工場の新設計画(鳥栖工場) 2025年末を目処に新九州工場の新設稼働を決定し、博多工場の閉鎖移設を決定した。新工場は「鳥栖工場」として稼働する予定であったが、2023年11月に計画の遅延を発表。予定よりも3年遅れの2029年に稼働する方針を打ち出した。遅延の理由は、建設などにかかる設備投資費用が高騰したため。 | FY22 2022/12 | 売上高 25,111億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,515億円 | ||
| 勝木敦志 | 国内2工場を閉鎖(神奈川工場・四国工場) | FY23 2023/12 | 売上高 27,690億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,640億円 | ||
| 勝木敦志 | FY24 2024/12 | 売上高 29,394億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 1,920億円 |
- 朝日麦酒株式会社を発足1949年の大日本麦酒の分割により、朝日麦酒は西日本を地盤とする限定的な事業基盤で再出発した。全国網を失い、特に首都圏での供給力不足は長期にわたる課題となった。一方で、分割は独立した意思決定の自由度をもたらし、後年の非連続な戦略転換を可能にする組織的条件を整えた。劣位からの出発が、結果として攻める経営の前提を形成した。
- 東京証券取引所に株式上場
- ニッカウヰスキーに資本参加ウイスキー市場でサントリーが先行する中、朝日麦酒は自社での垂直統合ではなくニッカとの資本提携を選んだ。設備投資と熟成リスクを抑えつつ、自社の販売網とニッカの製造能力を組み合わせる補完関係が設計の基盤であった。この協業型の参入判断は、後年のアサヒグループにおけるM&Aを通じた事業拡張の原型ともいえる選択であった。
- 柏工場を新設(飲料専門工場)
- 大森工場を新設大森工場の新設は首都圏での供給力強化を目的とした前進配置であったが、サッポロが関西に対抗投資を行うなど、各社の設備投資は相互の重点市場を突く応酬に発展した。供給力の増強はシェア改善に直結せず、朝日麦酒は1963年に業界3位に後退した。量の競争ではキリンの優位を崩せないという現実が、この時期の投資から浮かび上がった。
- 国内ビール市場でシェア3位に低迷
- 名古屋工場の新設
- 福島工場の新設
- 住友銀行が経営支援1982年の住友銀行による経営支援は、朝日ビールの低迷を組織構造の問題として捉え直す転機であった。村井社長は家庭用市場への視点転換と組織行動の質的改善を推進し、即座の業績回復ではなく再挑戦の条件を整えることに注力した。この時期に形成された組織基盤が、後年のスーパードライという非連続な戦略転換を可能にする前提となった。
- 樋口廣太郎氏が社長就任
- アサヒスーパードライを発売スーパードライは、消費者調査を起点に味を再定義し、広告販促への集中投資でブランドを浸透させた非連続な一手であった。シェア9.6%という劣位が、逆に既存を捨てる自由度を生んだ。競合は既存顧客を抱えるがゆえに主力の味覚転換に踏み込めず、先行者の優位が構造的に保護された。成熟市場でシェア構造を書き換えた稀有な事例である。
- アサヒビール株式会社に商号変更
- 東京吾妻橋に本社ビルを竣工
- 明石工場を新設(飲料専門工場)
- 茨城工場を新設
- 中国に現地法人を新設
- 伊藤忠と共同で中国企業2社の経営権を取得
- 四国工場を新設
- 神奈川工場を新設(大森工場を閉鎖)
- 協和発酵および旭化成から酒類事業を取得
- 和光堂を買収
- 朝日飲料を完全子会社化(親子上場の解消)
- SCHWEPPES HD飲料事業を買収(豪州)
- 商号をアサヒグループホールディングスに変更
- Flavoured Beverages社を買収(NZ・豪州)
- カルピスを買収カルピス買収は、新商品開発の積み上げではなく、既に定着したメガブランドの取得によって飲料事業の質を転換させた案件であった。90年の歴史を持つ定番ブランドは価格競争に陥りにくく、安定的なキャッシュフローを生む。業界3位の規模確保以上に、新商品依存からの脱却と事業の予見可能性向上がこの買収の本質的な意義であった。
- Etikaを買収(マレーシア・乳製品)
- エノテカ株式会社を買収
- 青島ビールの譲渡(中国事業の縮小)
- Asahi UK Holdings 等を取得
Asahi UK Holdings Ltd. ほか3社の株式を取得し連結子会社化した。英国市場での販売・流通体制を強化するM&Aであり、SABMiller 取得後の欧州事業の補完として位置づけられた。
- AB InBev社の豪州事業を買収ABインベブがSABMiller買収後の負債圧縮を急ぐ中、アサヒは買い手として交渉上の優位を確保し、豪州ビール市場の約5割を占めるCUB事業を取得した。欧州に続く大型買収により日本・欧州・豪州の三極体制が確立され、地域分散とプレミアム戦略の相互展開が可能となった。売り手の事情を活かした高収益事業の連続取得である。
- アサヒグループジャパンを設立
国内事業の事業管理等を担うアサヒグループジャパン株式会社を新設した。翌2022年1月に国内事業の事業管理等を会社分割により承継し、純粋持株会社体制下での日本事業の中間統括会社として機能した。
- 新九州工場の新設計画(鳥栖工場)
2025年末を目処に新九州工場の新設稼働を決定し、博多工場の閉鎖移設を決定した。新工場は「鳥栖工場」として稼働する予定であったが、2023年11月に計画の遅延を発表。予定よりも3年遅れの2029年に稼働する方針を打ち出した。遅延の理由は、建設などにかかる設備投資費用が高騰したため。
- 国内2工場を閉鎖(神奈川工場・四国工場)