DeNAの沿革・歴史的証言
1999年〜2025年
DeNAの1999年〜2025年の主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に並べた沿革(社史年表)と、経営者・当事者の歴史的証言
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1999 1-12月 | 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)を設立 | 資金調達と無借金経営が支えたビッターズ敗北後の再選択余地 | ||||
FY00 2000/3 | 売上高 0.05億円 | 組織再編 | 株式会社へ組織変更 1999年8月に有限会社から株式会社ディー・エヌ・エーへ組織変更した。同月に本社を東京都渋谷区へ移転し、初期の事業基盤を都心側に整えた。 | |||
オークションサイト「ビッダーズ」開始 1999年11月にオークションサイト「ビッダーズ」のサービスを開始した。よってPC向けオークションでヤフー等との競合に直面し、後年のモバイル転換を促す原型となった。 | ||||||
FY01 2001/3 | 売上高 1.74億円 | 当期純利益 -8.59億円 | ||||
FY02 2002/3 | 売上高 6.19億円 | 当期純利益 -8.76億円 | ||||
FY03 2003/3 | 売上高 9.65億円 | 当期純利益 -2.77億円 | ||||
FY04 2004/3 | 売上高 15.63億円 | 当期純利益 2.03億円 | モバオクのサービス提供を開始 | PC向けオークションの敗北がモバイル転換を促した構造的契機 | ||
FY05 2005/3 | 売上高 28.7億円 | 当期純利益 4.39億円 | KDDIと提携 | キャリアとの提携で流通チャネルを押さえたモバイル戦略の設計 | ||
東証マザーズに株式上場 | ||||||
FY06 2006/3 | 売上高 64億円 | 当期純利益 14億円 | 「モバゲータウン」開始 2006年2月に携帯電話専用ゲームサイト「モバゲータウン」のサービスを開始した。すなわちモバオクで築いたモバイル基盤の上にソーシャルゲームを乗せ、後の主力収益源となるプラットフォームを立ち上げた。 | |||
FY07 2007/3 | 売上高 141億円 | 当期純利益 25億円 | ||||
FY08 2008/3 | 売上高 297億円 | 当期純利益 67億円 | 株式上場 | 東証一部に市場変更 2007年12月に東京証券取引所マザーズから市場第一部へ市場変更した。マザーズ上場から2年弱で一部に到達し、モバゲータウンの収益拡大が市場評価を押し上げた。 | ||
海外進出 | DeNA Global, Inc.を米国に設立 2008年1月にDeNA Global, Inc.を米国に設立した。すなわち国内モバイルプラットフォームの海外展開を視野に入れた前哨拠点で、後年のngmoco買収に至る布石となった。 | |||||
FY09 2009/3 | 売上高 376億円 | 当期純利益 79億円 | ||||
FY10 2010/3 | 売上高 481億円 | 当期純利益 113億円 | 怪盗ロワイヤルをリリース | 広告モデルから課金モデルへの転換を固定化した収益構造の再設計 | ||
モバゲーオープンプラットフォーム開始 2010年1月に「モバゲーオープンプラットフォーム」を開始し、外部開発者向けにAPIを公開した。よって自社開発から第三者ゲーム配信モデルへ拡張し、流通プラットフォーム化を進めた。 | ||||||
FY11 2011/3 | 売上高 1,127億円 | 当期純利益 316億円 | 企業買収 | 米ngmoco社を買収 | 国内ガラケーモデルの海外展開不能を認識した4億ドルの先行投資 | |
守安功が代表取締役社長に就任 2011年にDeNAの社長に創業期からの社員であった守安功が就任し、創業者の南場智子氏は取締役会長となった。以後、守安社長と南場会長の2頭体制で、DeNAが経営された。 | ||||||
横浜ベイスターズの株式を取得 DeNAは球団ビジネス参入のため、2011年に横浜ベイスターズの議決権66.92%を65億円で取得した。アドバイザリー費用は約600万円で、買収に伴い59億円ののれんを計上した。狙いは全国的な知名度向上にあった。買収5年後の2015年に南場智子会長は「日本全国に社名が知られるようになった。人材が命の当社にとって本業に資する」と述べている。 | ||||||
「Mobage」へ名称変更 2011年3月に「モバゲータウン」のサービス名称を「Mobage」へ変更した。海外展開を視野に入れたグローバル名称への統一であり、同年7月には海外向けMobageを開始した。 | ||||||
FY12 2012/3 | 売上高 1,465億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 344億円 | 本社を渋谷ヒカリエに移転 | |||
コンプガチャ問題 2012年に携帯ゲーム業界では18歳未満の重課金が「コンプガチャ問題」として顕在化した。そこでGREE、DeNA、mixi、サイバーエージェント、ドワンゴ、NHNの6社はコンプガチャ全廃を取り決めた。DeNAは対応として18歳未満は月1万円、15歳未満は月5,000円までと有料課金額に上限を設けた。 | ||||||
FY13 2013/3 | 売上高 2,024億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 455億円 | Cygamesの株式を取得 2012年12月にゲーム開発会社Cygamesの株式を取得し関連会社化した。Mobage向けタイトル供給と協業を強化する狙いで、後の主力ゲーム供給源の一翼を担うこととなった。 | |||
過去最高益を達成するも、利益の安定に課題。新規事業に相次いで参入 | ||||||
FY14 2014/3 | 売上高 1,813億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 316億円 | ||||
FY15 2015/3 | 売上高 1,424億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 149億円 | iemo株式会社および株式会社ペロリの買収 新規事業としてキュレーションメディアに参入するために、iemoおよびペロリの2社の買収を決定。個別の買収価格は非開示だが、2社合算の取得価格は37億円。なお、これらのキュレーションメディアの買収および運営上の問題によって、DeNAは社会的な信頼を喪失した。 | |||
株式会社横浜スタジアムの株式取得 DeNAは株式会社横浜DeNAベイスターズを通じて、株式会社横浜スタジアムの株式76.87%を取得。取得対価は80.7億円であったが、同社の純資産130億円から非支配持分20億円を差し引いた20億円を「負ののれん発生益」として計上した。DeNAとしては横浜ベイスターズとともに、球場経営を一体的に行うことで事業収益を改善する狙いがあった。 | ||||||
業務提携 | 任天堂と業務・資本提携を締結 2015年3月に任天堂と業務及び資本提携契約を締結した。すなわち任天堂IPを活用したスマートフォン向けゲームの共同開発を可能にし、後年の『マリオラン』『どうぶつの森ポケットキャンプ』等の配信に結びついた。 | |||||
FY16 2016/3 | 売上高 1,437億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 113億円 | DeNA BtoB Marketを売却 2006年から展開していた業者向けEC「DeNA BtoB Market」について、事業売却を決定。新設する株式会社NESTAに事業を継承し、同社の全株式をオークファンに譲渡して撤退した。譲渡価格は12.5億円であった。 | |||
投資有価証券を取得 FY2015に投資有価証券を231億円で取得。DeNAが保有する現預金の比率が高まり、資産運用による収益の確保を目論んだと推定。取得内容の内訳は非開示 | ||||||
FY17 2017/3 | 売上高 1,438億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 308億円 | WelQ問題が発生。第三者委員会を設置 | 「永久ベンチャー」の免罪符化が招いた公共領域での統制欠如 | ||
ライブ配信「Pococha」開始 2017年1月にライブコミュニケーションアプリ「Pococha」のサービスを開始した。ゲーム依存からの収益分散を狙った新領域で、2021年5月には海外版も提供を開始した。 | ||||||
FY18 2018/3 | 売上高 1,393億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 229億円 | 新規事業に対する投資額を80億円に拡大。タクシー配車アプリ「MOV」のサービス提供を開始 | ゲーム依存脱却を掲げた3領域への分散投資とその帰結 | ||
FY19 2019/3 | 売上高 1,241億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 127億円 | ||||
FY20 2020/3 | 売上高 1,213億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -491億円 | 自社株買いを公表 2019年5月にDeNAは500億円(発行済み株式の約26%)を上限とする自社株買いを実施する方針を発表。2019年度において、321億円で自己株式を取得した。 | |||
創業者の南場智子氏が経団連副会長に就任 | ||||||
最終赤字に転落 ゲーム事業で減損損失511億円を計上。ngmoco社の買収は失敗へ | ||||||
FY21 2021/3 | 売上高 1,369億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 256億円 | ||||
FY22 2022/3 | 売上高 1,308億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 305億円 | 社長交代 | 業績不振で社長交代 | 成長前提の組織規模と収益停滞が生んだ「成長なきベンチャー」の矛盾 | |
IRIAM社を買収 ライブストリーミング事業を強化するためにIRIAM社の買収を決定。株式100%を89億円で取得した。 | ||||||
FY23 2023/3 | 売上高 1,349億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 88億円 | 株式上場 | 東証プライム市場へ移行 2022年4月の東京証券取引所市場区分の見直しに伴い、第一部からプライム市場へ移行した。 | ||
アルム社を買収 医療・ヘルスケア分野を強化するために、アルム社の買収を決定。株式52.3%を247億円で取得した。 | ||||||
FY24 2024/3 | 売上高 1,367億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 -286億円 | 最終赤字に転落 FY2023/3Qにおいて、買収企業であるアルム社およびIRIAM社について、業績不振を理由に減損損失の計上を決定。加えてゲーム事業でも減損計上した結果、FY2023/1Q-3Qにおいて、DeNAは189億円の最終赤字に転落した。 | |||
FY25 2025/3 | 売上高 1,639億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 241億円 | 『ポケポケ』を提供開始 2024年10月にスマートフォン向け『Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』を提供開始した。世界同時配信で短期間に大型ヒットとなり、ゲーム事業の収益回復を牽引した。 |
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)を設立資金調達と無借金経営が支えたビッターズ敗北後の再選択余地
- 株式会社へ組織変更
1999年8月に有限会社から株式会社ディー・エヌ・エーへ組織変更した。同月に本社を東京都渋谷区へ移転し、初期の事業基盤を都心側に整えた。
- オークションサイト「ビッダーズ」開始
1999年11月にオークションサイト「ビッダーズ」のサービスを開始した。よってPC向けオークションでヤフー等との競合に直面し、後年のモバイル転換を促す原型となった。
- モバオクのサービス提供を開始PC向けオークションの敗北がモバイル転換を促した構造的契機
- KDDIと提携キャリアとの提携で流通チャネルを押さえたモバイル戦略の設計
- 東証マザーズに株式上場
- 「モバゲータウン」開始
2006年2月に携帯電話専用ゲームサイト「モバゲータウン」のサービスを開始した。すなわちモバオクで築いたモバイル基盤の上にソーシャルゲームを乗せ、後の主力収益源となるプラットフォームを立ち上げた。
- 東証一部に市場変更
2007年12月に東京証券取引所マザーズから市場第一部へ市場変更した。マザーズ上場から2年弱で一部に到達し、モバゲータウンの収益拡大が市場評価を押し上げた。
- DeNA Global, Inc.を米国に設立
2008年1月にDeNA Global, Inc.を米国に設立した。すなわち国内モバイルプラットフォームの海外展開を視野に入れた前哨拠点で、後年のngmoco買収に至る布石となった。
- 怪盗ロワイヤルをリリース広告モデルから課金モデルへの転換を固定化した収益構造の再設計
- モバゲーオープンプラットフォーム開始
2010年1月に「モバゲーオープンプラットフォーム」を開始し、外部開発者向けにAPIを公開した。よって自社開発から第三者ゲーム配信モデルへ拡張し、流通プラットフォーム化を進めた。
- 米ngmoco社を買収国内ガラケーモデルの海外展開不能を認識した4億ドルの先行投資
- 守安功が代表取締役社長に就任
2011年にDeNAの社長に創業期からの社員であった守安功が就任し、創業者の南場智子氏は取締役会長となった。以後、守安社長と南場会長の2頭体制で、DeNAが経営された。
- 横浜ベイスターズの株式を取得
DeNAは球団ビジネス参入のため、2011年に横浜ベイスターズの議決権66.92%を65億円で取得した。アドバイザリー費用は約600万円で、買収に伴い59億円ののれんを計上した。狙いは全国的な知名度向上にあった。買収5年後の2015年に南場智子会長は「日本全国に社名が知られるようになった。人材が命の当社にとって本業に資する」と述べている。
- 「Mobage」へ名称変更
2011年3月に「モバゲータウン」のサービス名称を「Mobage」へ変更した。海外展開を視野に入れたグローバル名称への統一であり、同年7月には海外向けMobageを開始した。
- 本社を渋谷ヒカリエに移転
- コンプガチャ問題
2012年に携帯ゲーム業界では18歳未満の重課金が「コンプガチャ問題」として顕在化した。そこでGREE、DeNA、mixi、サイバーエージェント、ドワンゴ、NHNの6社はコンプガチャ全廃を取り決めた。DeNAは対応として18歳未満は月1万円、15歳未満は月5,000円までと有料課金額に上限を設けた。
- Cygamesの株式を取得
2012年12月にゲーム開発会社Cygamesの株式を取得し関連会社化した。Mobage向けタイトル供給と協業を強化する狙いで、後の主力ゲーム供給源の一翼を担うこととなった。
- 過去最高益を達成するも、利益の安定に課題。新規事業に相次いで参入
- iemo株式会社および株式会社ペロリの買収
新規事業としてキュレーションメディアに参入するために、iemoおよびペロリの2社の買収を決定。個別の買収価格は非開示だが、2社合算の取得価格は37億円。なお、これらのキュレーションメディアの買収および運営上の問題によって、DeNAは社会的な信頼を喪失した。
- 株式会社横浜スタジアムの株式取得
DeNAは株式会社横浜DeNAベイスターズを通じて、株式会社横浜スタジアムの株式76.87%を取得。取得対価は80.7億円であったが、同社の純資産130億円から非支配持分20億円を差し引いた20億円を「負ののれん発生益」として計上した。DeNAとしては横浜ベイスターズとともに、球場経営を一体的に行うことで事業収益を改善する狙いがあった。
- 任天堂と業務・資本提携を締結
2015年3月に任天堂と業務及び資本提携契約を締結した。すなわち任天堂IPを活用したスマートフォン向けゲームの共同開発を可能にし、後年の『マリオラン』『どうぶつの森ポケットキャンプ』等の配信に結びついた。
- DeNA BtoB Marketを売却
2006年から展開していた業者向けEC「DeNA BtoB Market」について、事業売却を決定。新設する株式会社NESTAに事業を継承し、同社の全株式をオークファンに譲渡して撤退した。譲渡価格は12.5億円であった。
- 投資有価証券を取得
FY2015に投資有価証券を231億円で取得。DeNAが保有する現預金の比率が高まり、資産運用による収益の確保を目論んだと推定。取得内容の内訳は非開示
- WelQ問題が発生。第三者委員会を設置「永久ベンチャー」の免罪符化が招いた公共領域での統制欠如
- ライブ配信「Pococha」開始
2017年1月にライブコミュニケーションアプリ「Pococha」のサービスを開始した。ゲーム依存からの収益分散を狙った新領域で、2021年5月には海外版も提供を開始した。
- 新規事業に対する投資額を80億円に拡大。タクシー配車アプリ「MOV」のサービス提供を開始ゲーム依存脱却を掲げた3領域への分散投資とその帰結
- 自社株買いを公表
2019年5月にDeNAは500億円(発行済み株式の約26%)を上限とする自社株買いを実施する方針を発表。2019年度において、321億円で自己株式を取得した。
- 創業者の南場智子氏が経団連副会長に就任
- 最終赤字に転落
ゲーム事業で減損損失511億円を計上。ngmoco社の買収は失敗へ
- 業績不振で社長交代成長前提の組織規模と収益停滞が生んだ「成長なきベンチャー」の矛盾
- IRIAM社を買収
ライブストリーミング事業を強化するためにIRIAM社の買収を決定。株式100%を89億円で取得した。
- 東証プライム市場へ移行
2022年4月の東京証券取引所市場区分の見直しに伴い、第一部からプライム市場へ移行した。
- アルム社を買収
医療・ヘルスケア分野を強化するために、アルム社の買収を決定。株式52.3%を247億円で取得した。
- 最終赤字に転落
FY2023/3Qにおいて、買収企業であるアルム社およびIRIAM社について、業績不振を理由に減損損失の計上を決定。加えてゲーム事業でも減損計上した結果、FY2023/1Q-3Qにおいて、DeNAは189億円の最終赤字に転落した。
- 『ポケポケ』を提供開始
2024年10月にスマートフォン向け『Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』を提供開始した。世界同時配信で短期間に大型ヒットとなり、ゲーム事業の収益回復を牽引した。