住友重機械工業の沿革(1888〜2026年)
住友重機械工業の創業から現在までの主要な出来事・経営判断・組織変化を年月順に一覧できる沿革(社史年表)ページです。 各年の売上高・純利益などの業績推移と、歴史的意義の解説をあわせて掲載しています。 社史・報道資料などの公開情報をもとに重要事項を判断の上、作成しています。
| 年度 | 売上高 | 純利益 | 年月 | 区分 | 出来事 | 歴史的意義 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1888 1-12月 | 創業 | 住友別子鉱業所工作方を設立 別子銅山の機械設備内製化のため愛媛県新居浜に設置 | 住友重機械の祖業。住友家の鉱山経営を支える機械部門の原点 | |||
1934 1-12月 | 創業 | 住友機械製作所株式会社を設立 産業機械メーカーとして法人化 | 住友重機械工業の前身。住友グループ向け産業機械メーカーとしてスタート | |||
1935 1-12月 | 戦略 | 独サイクロ社と提携 サイクロ減速機の国内展開 | 戦前唯一の先発参入事業。歯車を使わないサイクロ減速機は戦後の主力製品に成長 | |||
FY50 1950/3 | 上場 | 東京証券取引所に株式上場 | 戦後復興期の証券市場再開に合わせた上場 | |||
FY53 1953/3 | 売上高 28.2億円 | 当期純利益 1.76億円 | ||||
FY54 1954/3 | 売上高 27.8億円 | 当期純利益 -0.66億円 | 業績 | 経営危機と鮫島社長引責辞任 1954・1955年3月期2期連続赤字、1955年3月期最終赤字6.9億円 | 新居浜1拠点・総合化志向の高コスト体質が露呈し債務超過寸前に。住友機械にとって最初の経営危機 | |
FY55 1955/3 | 売上高 25.7億円 | 当期純利益 -6.97億円 | ||||
FY56 1956/3 | 売上高 26.1億円 | 当期純利益 0.19億円 | ||||
FY57 1957/3 | 売上高 43.8億円 | 当期純利益 2.28億円 | ||||
FY58 1958/3 | 売上高 65.4億円 | 当期純利益 2.9億円 | ||||
FY59 1959/3 | 売上高 72.2億円 | 当期純利益 3.5億円 | ||||
FY60 1960/3 | 売上高 88.1億円 | 当期純利益 4.5億円 | ||||
FY61 1961/3 | 売上高 122億円 | 当期純利益 6.4億円 | 設備 | 名古屋製造所を新設 サイクロ減速機の専門工場として大府に建設 | 新居浜1拠点体制からの脱却。生産合理化の起点 | |
FY62 1962/3 | 売上高 180億円 | 当期純利益 9.4億円 | ||||
FY63 1963/3 | 売上高 181億円 | 当期純利益 10.3億円 | ||||
FY64 1964/3 | 売上高 175億円 | 当期純利益 10.2億円 | ||||
FY65 1965/3 | 売上高 200億円 | 当期純利益 10.6億円 | ||||
FY66 1966/3 | 売上高 208億円 | 当期純利益 8.9億円 | 戦略 | 射出成形機に参入 スイスのネスタール社と提携 | 後のプラスチック機械事業の原点。2008年のDemag買収につながる起点 | |
FY67 1967/3 | 売上高 231億円 | 当期純利益 8.5億円 | ||||
FY68 1968/3 | 売上高 341億円 | 当期純利益 10.4億円 | ||||
FY69 1969/3 | 売上高 417億円 | 当期純利益 15.6億円 | ||||
FY70 1970/3 | 売上高 904億円 | 当期純利益 28.2億円 | 組織 | 住友機械工業と浦賀重工業が合併 住友重機械工業株式会社が発足、従業員約1万名 | 住友機械が造船事業を手に入れ重工業メーカーへ。浦賀側は累積赤字30億円で大型ドック資金を求めていた | |
FY71 1971/3 | 売上高 1,119億円 | 当期純利益 31.1億円 | ||||
FY72 1972/3 | 売上高 1,092億円 | 当期純利益 46.7億円 | ||||
FY73 1973/3 | 売上高 1,292億円 | 当期純利益 46億円 | 設備 | 追浜造船所(現横須賀製造所)開設 50万トンドック | 大型タンカー受注のための投資。後に造船撤退で油圧ショベル工場に転用される | |
| 設備 | 愛媛製造所西条工場を新設 | |||||
FY74 1974/3 | 売上高 1,739億円 | 当期純利益 99億円 | ||||
FY75 1975/3 | 売上高 2,329億円 | 当期純利益 57億円 | ||||
FY76 1976/3 | 売上高 2,077億円 | 当期純利益 44億円 | ||||
FY77 1977/3 | 売上高 2,502億円 | 当期純利益 47億円 | ||||
FY78 1978/3 | 売上高 2,766億円 | 当期純利益 28億円 | ||||
FY79 1979/3 | 売上高 1,919億円 | 当期純利益 4億円 | ||||
FY80 1980/3 | 売上高 2,250億円 | 当期純利益 5億円 | ||||
FY81 1981/3 | 売上高 2,635億円 | 当期純利益 10億円 | ||||
FY82 1982/3 | 売上高 2,816億円 | 当期純利益 41億円 | ||||
FY83 1983/3 | 売上高 2,940億円 | 当期純利益 37億円 | ||||
FY84 1984/3 | 売上高 2,956億円 | 当期純利益 27億円 | M&A | 米Eaton社と合弁で住友イートンノバを設立 高電流イオン注入装置NV-10の生産開始 | 半導体イオン注入装置事業の起点。Eaton(後のAxcelis)との技術提携で後の主力半導体装置事業が生まれた | |
FY85 1985/3 | 売上高 3,041億円 | 当期純利益 25億円 | ||||
FY86 1986/3 | 売上高 2,631億円 | 当期純利益 -73億円 | ||||
FY87 1987/3 | 売上高 2,697億円 | 当期純利益 -110億円 | 組織 | 住友建機株式会社を設立 建設機械事業を分社化 | ||
| 業績 | 造船部門中心に1,000名希望退職 プラザ合意後の円高で造船採算悪化 | 1985年プラザ合意後の造船不況を受けた大規模リストラ。合田茂会長が後年「あんな経験は2度としたくない」と回想する事態 | ||||
FY88 1988/3 | 売上高 2,000億円 | 当期純利益 3億円 | ||||
FY92 1992/3 | 売上高 4,802億円 | 当期純利益 32億円 | ||||
FY93 1993/3 | 売上高 4,839億円 | 当期純利益 -10億円 | ||||
FY94 1994/3 | 売上高 4,820億円 | 当期純利益 -11億円 | ||||
FY95 1995/3 | 売上高 4,907億円 | 当期純利益 -28億円 | ||||
FY96 1996/3 | 売上高 4,999億円 | 当期純利益 60億円 | ||||
FY97 1997/3 | 売上高 6,065億円 | 当期純利益 59億円 | ||||
FY98 1998/3 | 売上高 5,567億円 | 当期純利益 46億円 | ||||
FY99 1999/3 | 売上高 5,544億円 | 当期純利益 -122億円 | ||||
FY00 2000/3 | 売上高 5,666億円 | 当期純利益 -63億円 | ||||
FY01 2001/3 | 売上高 5,137億円 | 当期純利益 -286億円 | 業績 | 大規模な赤字 造船・建機不振が重なる | 経営陣の原体験となる危機。下村真司が後年「最も業績が厳しかった2001年ごろに大赤字を出した」と回想 | |
FY02 2002/3 | 売上高 5,171億円 | 当期純利益 16億円 | 業績 | 1,000名削減・年収15%カットを実施 2001年の業績悪化を受けた緊急リストラ | 1987年に続く大規模人員削減。住友重機械の2度目の大リストラ | |
FY03 2003/3 | 売上高 4,812億円 | 当期純利益 26億円 | ||||
FY04 2004/3 | 売上高 4,827億円 | 当期純利益 162億円 | 組織 | 新日本造機を完全子会社化 株式交換により | ||
| 組織 | 造船事業を住友重機械マリンエンジニアリングへ分社 販売部門を除く | 造船事業の分社化。将来の撤退シナリオの布石 | ||||
FY05 2005/3 | 売上高 5,213億円 | 当期純利益 227億円 | ||||
FY06 2006/3 | 売上高 5,513億円 | 当期純利益 297億円 | ||||
FY07 2007/3 | 売上高 6,002億円 | 当期純利益 373億円 | ||||
FY08 2008/3 | 売上高 6,607億円 | 当期純利益 429億円 | M&A | 独Demag Ergotechを買収 プラスチック射出成形機メーカー | 1966年ネスタール提携から続くプラスチック機械事業の欧州拠点化。後に欧州不振の構造改革対象となる | |
FY09 2009/3 | 売上高 6,429億円 | 当期純利益 136億円 | M&A | SEN-SHI・アクセリスを完全子会社化 Eatonとのイオン注入装置合弁を解消、住友単独事業へ | 1983年開始の合弁解消。半導体イオン注入装置事業が住友単独の戦略事業に。後のパワー半導体装置事業の中核となる | |
FY10 2010/3 | 売上高 5,161億円 | 当期純利益 132億円 | ||||
FY11 2011/3 | 売上高 5,480億円 | 当期純利益 279億円 | M&A | ベルギーHansen Industrial Transmissionsを買収 産業用ギヤボックスメーカー | ギヤビジネスの欧州拡大。メカトロニクスセグメントの収益源として後年も評価される | |
FY12 2012/3 | 売上高 6,241億円 | 当期純利益 194億円 | 人事 | 別川俊介が社長就任 | ||
FY13 2013/3 | 売上高 5,858億円 | 当期純利益 58億円 | ||||
FY14 2014/3 | 売上高 6,152億円 | 当期純利益 178億円 | ||||
FY15 2015/3 | 売上高 6,670億円 | 当期純利益 243億円 | ||||
FY16 2016/3 | 売上高 7,008億円 | 当期純利益 331億円 | M&A | 三菱重工の産業用クレーン事業を譲受 住友重機械搬送システムが譲受 | ||
FY17 2017/3 | 売上高 6,743億円 | 当期純利益 336億円 | ||||
FY18 2018/3 | 売上高 7,910億円 | 当期純利益 346億円 | M&A | オランダFW Energie(CFBボイラ)を買収 循環流動層ボイラメーカー、現SHI FW | エネルギー事業のグローバル展開。後年の欧州子会社構造改革対象 | |
FY19 2019/3 | 売上高 9,030億円 | 当期純利益 456億円 | M&A | イタリアLafertを買収 産業用モータメーカー | 電機制御事業の拡大 | |
FY20 2020/3 | 売上高 8,644億円 | 当期純利益 328億円 | 人事 | 下村真司が社長就任 2001年の大赤字を原体験とする経営者 | 造船撤退・欧州構造改革を主導。法令順守最優先の企業体質構築を掲げる | |
| M&A | 英国Invertek Drivesを買収 インバータメーカー | Lafertと連動した欧州電気駆動事業の構築 | ||||
FY21 2021/3 | 売上高 8,490億円 | 当期純利益 267億円 | ||||
FY22 2022/3 | 売上高 8,540億円 | 当期純利益 57億円 | ||||
FY23 2023/3 | 売上高 10,815億円 | 当期純利益 327億円 | 業績 | 特別損失約263億円 造船・建機関連の減損処理を含む | 造船撤退の前段階の損失処理。翌年の新造船撤退決定の布石 | |
2024 1-12月 | 戦略 | 新造船事業からの撤退を発表 中型タンカー新造船から撤退、受注残7隻は2026年1月まで引き渡し | 1969年の浦賀重工業合併以来55年続けた新造船事業から撤退。住友重機械の事業構造の大転換 | |||
| 経営計画 | 中期経営計画26を発表 設備投資1,900億円・重点投資800億円・株主還元800億円 | PBR1倍割れ対応の資本政策明確化 | ||||
| 業績 | 欧州子会社構造改革を本格化 Lafert・DEMAG・SHI FWで人員削減・生産能力圧縮 | 2008〜2019年の欧州M&A事業群が揃って赤字化したことによる構造改革 | ||||
2025 1-12月 | 経営計画 | 株主還元を800億円から700億円に下方修正 中計26の計画未達の兆候 | ||||
2026 1-12月 | 人事 | 渡部敏朗が社長就任 元CFO。下村真司は2025年12月退任 | CFO出身者による財務規律重視の構造改革路線 | |||
| 組織 | 新日本造機を酉島製作所へ事業譲渡 1982年東証二部上場のグループ企業を売却 | 渡部新体制による構造改革の第一弾。骨太事業3つプラスアルファへの絞り込みを開始 | ||||
| 組織 | 500名規模の希望退職を実施方針 油圧ショベル・欧州子会社が主対象 | 1987年・2002年に続く3度目の大規模人員削減 | ||||
| 経営計画 | 2027年度営業利益700億円以上・ROE6%以上を目標 中計26目標800億円から下方修正 | 下村期中計26の実質的な下方修正。半導体(イオン注入+レーザーアニール)を骨太事業の軸に据える |
- 住友別子鉱業所工作方を設立
別子銅山の機械設備内製化のため愛媛県新居浜に設置
住友重機械の祖業。住友家の鉱山経営を支える機械部門の原点 - 住友機械製作所株式会社を設立
産業機械メーカーとして法人化
住友重機械工業の前身。住友グループ向け産業機械メーカーとしてスタート - 独サイクロ社と提携
サイクロ減速機の国内展開
戦前唯一の先発参入事業。歯車を使わないサイクロ減速機は戦後の主力製品に成長 - 東京証券取引所に株式上場戦後復興期の証券市場再開に合わせた上場
- 経営危機と鮫島社長引責辞任
1954・1955年3月期2期連続赤字、1955年3月期最終赤字6.9億円
新居浜1拠点・総合化志向の高コスト体質が露呈し債務超過寸前に。住友機械にとって最初の経営危機 - 名古屋製造所を新設
サイクロ減速機の専門工場として大府に建設
新居浜1拠点体制からの脱却。生産合理化の起点 - 射出成形機に参入
スイスのネスタール社と提携
後のプラスチック機械事業の原点。2008年のDemag買収につながる起点 - 住友機械工業と浦賀重工業が合併
住友重機械工業株式会社が発足、従業員約1万名
住友機械が造船事業を手に入れ重工業メーカーへ。浦賀側は累積赤字30億円で大型ドック資金を求めていた - 追浜造船所(現横須賀製造所)開設
50万トンドック
大型タンカー受注のための投資。後に造船撤退で油圧ショベル工場に転用される - 愛媛製造所西条工場を新設
- 米Eaton社と合弁で住友イートンノバを設立
高電流イオン注入装置NV-10の生産開始
半導体イオン注入装置事業の起点。Eaton(後のAxcelis)との技術提携で後の主力半導体装置事業が生まれた - 住友建機株式会社を設立
建設機械事業を分社化
- 造船部門中心に1,000名希望退職
プラザ合意後の円高で造船採算悪化
1985年プラザ合意後の造船不況を受けた大規模リストラ。合田茂会長が後年「あんな経験は2度としたくない」と回想する事態 - 大規模な赤字
造船・建機不振が重なる
経営陣の原体験となる危機。下村真司が後年「最も業績が厳しかった2001年ごろに大赤字を出した」と回想 - 1,000名削減・年収15%カットを実施
2001年の業績悪化を受けた緊急リストラ
1987年に続く大規模人員削減。住友重機械の2度目の大リストラ - 新日本造機を完全子会社化
株式交換により
- 造船事業を住友重機械マリンエンジニアリングへ分社
販売部門を除く
造船事業の分社化。将来の撤退シナリオの布石 - 独Demag Ergotechを買収
プラスチック射出成形機メーカー
1966年ネスタール提携から続くプラスチック機械事業の欧州拠点化。後に欧州不振の構造改革対象となる - SEN-SHI・アクセリスを完全子会社化
Eatonとのイオン注入装置合弁を解消、住友単独事業へ
1983年開始の合弁解消。半導体イオン注入装置事業が住友単独の戦略事業に。後のパワー半導体装置事業の中核となる - ベルギーHansen Industrial Transmissionsを買収
産業用ギヤボックスメーカー
ギヤビジネスの欧州拡大。メカトロニクスセグメントの収益源として後年も評価される - 別川俊介が社長就任
- 三菱重工の産業用クレーン事業を譲受
住友重機械搬送システムが譲受
- オランダFW Energie(CFBボイラ)を買収
循環流動層ボイラメーカー、現SHI FW
エネルギー事業のグローバル展開。後年の欧州子会社構造改革対象 - イタリアLafertを買収
産業用モータメーカー
電機制御事業の拡大 - 下村真司が社長就任
2001年の大赤字を原体験とする経営者
造船撤退・欧州構造改革を主導。法令順守最優先の企業体質構築を掲げる - 英国Invertek Drivesを買収
インバータメーカー
Lafertと連動した欧州電気駆動事業の構築 - 特別損失約263億円
造船・建機関連の減損処理を含む
造船撤退の前段階の損失処理。翌年の新造船撤退決定の布石 - 新造船事業からの撤退を発表
中型タンカー新造船から撤退、受注残7隻は2026年1月まで引き渡し
1969年の浦賀重工業合併以来55年続けた新造船事業から撤退。住友重機械の事業構造の大転換 - 中期経営計画26を発表
設備投資1,900億円・重点投資800億円・株主還元800億円
PBR1倍割れ対応の資本政策明確化 - 欧州子会社構造改革を本格化
Lafert・DEMAG・SHI FWで人員削減・生産能力圧縮
2008〜2019年の欧州M&A事業群が揃って赤字化したことによる構造改革 - 株主還元を800億円から700億円に下方修正
中計26の計画未達の兆候
- 渡部敏朗が社長就任
元CFO。下村真司は2025年12月退任
CFO出身者による財務規律重視の構造改革路線 - 新日本造機を酉島製作所へ事業譲渡
1982年東証二部上場のグループ企業を売却
渡部新体制による構造改革の第一弾。骨太事業3つプラスアルファへの絞り込みを開始 - 500名規模の希望退職を実施方針
油圧ショベル・欧州子会社が主対象
1987年・2002年に続く3度目の大規模人員削減 - 2027年度営業利益700億円以上・ROE6%以上を目標
中計26目標800億円から下方修正
下村期中計26の実質的な下方修正。半導体(イオン注入+レーザーアニール)を骨太事業の軸に据える
参考文献・出所
有価証券報告書
決算説明会 FY25
経済時代 28(3) 1963年
日経ビジネス 1993/2/15
日本経済新聞(2024/5、2026/2)
決算説明会 FY23
決算説明会 FY24
東洋経済オンライン 2022/7
ダイヤモンド 2025/12