重要な意思決定
プリント配線板に参入
背景
集積回路の普及を見据えたプリント配線板市場への参入決断
1970年にイビデンは、当時普及しつつあったプリント配線板への参入を決定し、研究開発を開始した。プリント配線板は半導体部品を搭載するための積層状の基板であり、銅箔や樹脂でコーティングされる精密部品であった。集積回路(IC)の普及に伴い、半導体部品の微細化が進むとともにプリント配線板の需要拡大が見込まれていた。
イビデンがこの分野に参入できた技術的な背景には、すでに事業化していた建材(メラミン化粧板)で培ったエッチング技術があった。プリント配線板もメラミン化粧板も、化学薬品による腐食加工(エッチング)を基盤技術とする点で共通しており、イビデンの既存技術を応用できる領域であった。
決断
建材で培ったエッチング技術を応用し、1972年にプリント配線板の実用化に着手
イビデンは建材事業で蓄積したエッチング加工技術をプリント配線板の製造に転用し、1972年に実用化に至った。カーバイド事業の先行きに不安を抱えるなかで、半導体関連という新たな成長領域への布石を打った形であった。
この参入が、後のイビデンの事業構造を決定づけた。プリント配線板で培った基板製造技術は、1980年代後半のプラスチック製パッケージ基板の開発へと発展し、最終的にインテル向けパッケージ基板という主力事業の原型となった。カーバイドと建材の企業がエレクトロニクス部品メーカーへと変貌する起点であった。