重要な意思決定
202412月

ホンダ・日産自動車・三菱自動車の3社が経営統合を協議

背景

EV開発コストの増大と単独メーカーでの競争力維持の限界

2020年代に入り自動車産業はEVへの転換が加速し、各メーカーは電動車両の開発に巨額の投資を求められるようになっていた。ホンダは2040年までにEV・FCVの販売比率を100%にする目標を掲げていたが、EV専用プラットフォームの開発やバッテリー調達に必要な資金は年間数千億円規模に達しており、研究開発費の負担が収益を圧迫しつつあった。日産自動車もリーフで先行した電動化技術を持ちながら販売台数の減少に直面し、三菱自動車はASEAN市場への依存度が高く単独でのEV開発投資に限界が見えていた。

3社はそれぞれ異なる経営課題を抱えていたが、共通するのはEV関連の開発コストを単独で負担し続けることの困難さであった。ホンダは北米市場においてGMとのEV共同開発計画を2023年に白紙化しており、新たなパートナーシップの構築が急務となっていた。日産は2024年に入り業績が急速に悪化し、北米・中国市場でのシェア低下が経営の安定性を脅かしていた。自動車産業の再編がグローバルに進むなかで、国内メーカー間の連携が選択肢として浮上した。

決断

共同持株会社の設立を軸とした3社の経営統合協議の開始

2024年12月23日にホンダ・日産自動車・三菱自動車の3社は経営統合を目指す協議を開始したことを正式に発表した。構想の中心は共同持株会社の設立であり、ホンダが統括会社の主導権を握る枠組みが想定されていた。すでに12月18日にメディアを通じて経営統合に関する情報がリークされていたこともあり、市場への影響を考慮して正式発表に踏み切った形であった。3社が統合した場合の年間販売台数は約800万台となり、トヨタ・フォルクスワーゲンに次ぐ世界第3位の自動車グループが誕生する計算であった。

協議の公表と同時にホンダは1.1兆円規模の自社株買いを発表した。これは発行済み株式数の約23%に相当する大規模な資本還元であり、現在の株価水準を割安と判断したうえで、経営統合による企業価値の向上を織り込んだ株主へのメッセージであった。統合の実質的な狙いはEV開発における研究開発費の分担と部品調達の共通化によるコスト削減にあり、ソフトウェア定義型車両の開発基盤を3社で共有することが構想されていた。