重要な意思決定
20234月

佐藤恒治が社長に就任しガバナンス再構築に着手

背景

グループ子会社の認証不正が相次いで発覚しガバナンスの課題が露呈

2022年、子会社の日野自動車でエンジンの排出ガスおよび燃費に関する試験データの不正が発覚した。2023年12月にはダイハツ工業で25の試験項目にわたる174件の認証不正が判明し、64車種が対象となり全車種の出荷が停止された。衝突試験ではタイマーによるエアバッグの不正作動、排ガス試験では触媒の差し替えなど、安全性に直結する手続きで長期間にわたる不正が行われていた。第三者委員会は上位下達の組織風土と過度にタイトな開発スケジュールが不正を助長したと結論づけた。

決断

エンジニア出身の非創業家社長が品質管理体制の再構築と電動化投資を両立

2023年4月、エンジニア出身の佐藤恒治が社長に就任し、豊田章男は会長として経営の第一線から退いた。佐藤は品質管理体制の再構築と電動化投資の両立を経営の最優先課題に据えた。グループ各社で認証プロセスの総点検を行い、開発部門と認証部門の工程分離および第三者監査の導入を推進した。佐藤は「550万人の自動車産業を守るわけじゃない」と述べ、産業保護ではなく変革を通じた競争力強化を軸に据える姿勢を明確にした。

結果

全固体電池への集中投資とグループガバナンスの再設計が進行中

電動化の中核として全固体電池の実用化に向けた投資を加速し、2027年から2028年の実用化と2030年に年間9GWh規模の本格量産を目標に掲げた。出光興産との硫化リチウム量産体制の構築、住友金属鉱山との正極材共同開発などサプライチェーン上流からの整備を進めている。FY24は営業収益48兆367億円へ増収したものの、営業利益は4兆7956億円と前年比10.4%の減益となった。佐藤は「稼ぐ力を失うのは一瞬」と述べ、好業績下でも投資と費用の規律を緩めない経営姿勢を示している。