重要な意思決定
20175月

Vanderlande Industries HDを買収

背景

フォークリフト世界首位を脅かすキオンの物流ソリューション参入

豊田自動織機は1986年に物流ソリューション事業に参入し、国内顧客を中心に自動倉庫や物流システムの構築を手がけてきた。しかし、参入から30年間は国内中心の展開にとどまり、世界シェアはごく小さかった。転機となったのは、フォークリフト世界シェア2位の独キオン・グループが2016年に物流ソリューション世界3位のデマティック社を21億ドルで買収したことであった。フォークリフトの最大のライバルが物流システムとフォークリフトを組み合わせた提案力を持てば、豊田自動織機のフォークリフト世界首位の座も脅かされる構図が生まれた。

eコマースの急拡大が物流ソリューション市場の成長を加速させていた。北米のeコマース市場は2014年の53兆円から2018年の79兆円へ約1.5倍に成長する見込みであり、アマゾンをはじめとする大手が競うように自動倉庫を建設していた。フォークリフト単品の販売からシステム提案へと業界の流れが変わる中、豊田自動織機にとってグローバルでの物流ソリューション事業の拡大は急務となった。

決断

バスティアン社とVanderlande社の連続買収で世界4位へ

2017年2月、豊田自動織機は北米の物流システムインテグレーターであるバスティアン社の買収を発表した。続く同年3月には、オランダに本社を置くVanderlande Industries Holding B.V.の全株式を約1,400億円で取得することに合意した。Vanderlande社は1949年設立で、小売業・小包郵便事業向けの物流システムと空港旅客手荷物処理システムに強みを持ち、50拠点・約4,500名の体制でグローバルに展開していた。2016年の売上高は約1,300億円で、前年比18.4%の成長を記録していた。

2社の買収により、豊田自動織機の物流ソリューション事業の売上高は合計で約16.9億ドルとなり、それまで4位であった村田機械を抜いて世界4位に浮上した。国内中心で世界シェアがごく小さかった物流ソリューション事業を、2件のM&Aで一気に世界5本の指に入る規模に引き上げた。フォークリフト世界首位のブランドと販路に、自動倉庫・物流システムの提案力を加えることで、キオンに対抗する体制が整った。