重要な意思決定
自社キャラクターのライセンス供与を開始
背景
キャラクターライセンス供与の開始と売上高500億円の突破
1976年からサンリオは自社キャラクターのライセンス供与を開始した。提供先の企業がサンリオのキャラクターを使用して商品を展開できる権利を付与する事業であり、商品の種類数は3124種類に達した。筆記具や文具、紙製品から化粧衛生用品や食品に至るまで、広範な商品群にキャラクターが展開されていった。ハローキティの商品展開によって売上高は急速に拡大し、1977年7月期には売上高195億円・経常利益40億円を計上するに至った。
しかし1978年以降はキャラクターを模した類似商品が市場に氾濫したことや、サンリオが手がけていた映画事業の不振が重なり、利益率は低下に転じた。一方でライセンスによる需要喚起の効果は持続しており、1982年度には売上高が500億円を突破した。キャラクタービジネスという前例のない事業を軌道に乗せたサンリオは、高成長と高収益を両立する企業として脚光を浴びていた。
決断
キャラクター企画会社として東証二部に株式を上場
売上規模の拡大を背景として、サンリオは1982年4月に東京証券取引所第2部に株式を上場した。キャラクターの企画会社が株式市場に上場することは当時として珍しく、次世代のサービス産業として市場関係者の注目を集めた。上場によって資本市場からの資金調達の道が開かれ、キャラクタービジネスのさらなる拡大に向けた資本基盤が整備された。
上場時点のサンリオの事業構成は物販事業が売上高の大部分を占めており、ロイヤリティ収入は売上高の2%程度にとどまっていた。しかしロイヤリティ収入は在庫リスクや商品開発コストを負うことなく得られる収益であり、利益率の面では物販事業を上回る構造を持っていた。このライセンスモデルが後年のサンリオの収益構造における中核を担うことになる。