重要な意思決定
ギフト商品の販売を開始
背景
雑貨問屋からギフト商品の企画・直営店展開への事業転換
1962年にサンリオは自社のオリジナル商品としてギフト商品の取り扱いを開始した。自社企画で「いちご」をデザインした文具などの雑貨を販売し、子供向けおよび若い女性向けの商品ラインナップを拡充していった。この参入によりサンリオは雑貨問屋からギフト用雑貨の企画を手がける企業へと転身を果たした。1967年12月には贈答用の小型絵本「ギフトブックシリーズ」の発刊を開始し、出版事業にも参入している。
創業以来、サンリオは問屋として事業を展開しており小売業は手がけてこなかった。しかし自社商品の充実に合わせて消費者との直接的な接点を構築するため、小売への進出を決めた。1971年に新宿3丁目に直営店「ギフトゲート」を出店し、当時の資本金2000万円に対して手付金だけで2億円という規模の投資を行った。その後も全国各地に非直営の取扱店を拡充し、1976年までに直営6店を含む計125店の販売網を整備した。
決断
情緒的な価値を訴求するギフト戦略で不況下の急成長を実現
1973年度から1975年度にかけて、サンリオの売上高は年間122%から350%という成長率を記録した。売上高に対する税引前利益率は11%から20%の水準を確保し、サンリオは収益力の高い企業として業界内で注目を集めた。日本経済がオイルショックに伴う不況下にある中での業績好調は「サン・リオ旋風」と形容された。
売上構成は筆記具・紙製品・アクセサリーが中心であり、いずれも機能性ではなくキャラクターが持つ情緒的な価値によって支持された商品であった。中学生や高校生を中心とする若い女性層のニーズを捉え、商品を贈答品として位置づけるギフトの切り口が購買動機として機能した。ギフト商品の企画から小売店舗の展開に至る事業構造の転換が、サンリオの急成長を支える基盤となった。