重要な意思決定
19852月

商号をニチレイに変更

背景

事業構成の変化に社名が追いつかず企業像の刷新が課題に

1980年代前半、ニチレイにおいては冷凍食品を中心とする食品事業が拡大し、冷蔵倉庫業を中核とした旧来の事業構成から大きく変化していた。一方で社名の「日本冷蔵」は冷蔵倉庫業を想起させる色合いが強く、事業実態との乖離が顕在化していた。消費者市場ではブランドや企業イメージが購買行動に影響を与える局面に入っており、業務用・BtoB色の強い企業像では家庭用冷凍食品の拡販に限界があった。

社内においても、事業拡張に比べて組織文化や意識の変化が追いついていないとの問題意識が共有されつつあった。食品メーカーとしての認知を確立するには、社名変更を含む企業イメージの抜本的な刷新が必要であった。

決断

「日本冷蔵」から「ニチレイ」への商号変更とCI刷新による企業再定義

1985年、日本冷蔵は商号を「株式会社ニチレイ」へ変更した。冷蔵倉庫の会社という連想を切り離し、総合食品企業としての認知を再構築する狙いがあった。同時にCIを刷新し「N」マークを中核とした統一デザインを導入した。視覚的な統一により社内外に企業の方向転換を示す意図が込められていた。

この商号変更は社外向けのブランド施策にとどまらなかった。社内では「明日のニチレイ」キャンペーンや「FN運動」といった全社運動が展開され、品質管理や職場改善を通じて現場主導の改善活動を積み上げた。社名変更を実態面でも裏づけるプロセスが採られ、倉庫会社から食品会社への意識転換が組織全体で推進された。