重要な意思決定
「リクルートスタッフィング」を発足
背景
派遣規制緩和と市場拡大
1987年、リクルートは子会社シーズスタッフを設立し人材派遣業に参入した。当初は業種が限定され、市場規模も小さかったが、1990年代後半に入り規制緩和の流れが加速する。特に製造業派遣の解禁は、企業の固定費圧縮ニーズと合致し、市場拡大が確実視される局面を迎えた。
バブル崩壊後の企業は雇用を抑制しつつ人材を確保する手段を模索していた。こうした環境変化を受け、派遣は構造的成長市場へ転換するとの見通しが広がる。リクルートにとっても、情報誌中心の収益構造を補完する新たな柱として、人材派遣の位置づけが高まっていった。
決断
商号変更と積極投資
1999年7月、子会社の商号を「リクルートスタッフィング」に変更し、派遣事業を本格成長領域として位置づけた。ブランドを親会社と統一することで信用力を高め、市場拡大局面で一気にシェア獲得を狙う戦略を採った。
さらに地方展開を強化するため、有力派遣会社の買収を推進。2004年のオリファ買収を皮切りに拠点網を拡大し、全国約40拠点体制を構築した。専門特化ではなく幅広い業種を対象とする全方位型モデルを採用し、量的拡大による成長を志向した。
結果
成長牽引も競争激化
その結果、2009年3月期には単体売上高1,700億円規模に到達し、リクルート連結売上の中核事業へ成長した。規制緩和と企業の外部化需要を背景に、派遣事業は2000年代の売上成長を牽引する存在となった。
一方で、競合他社が広告投下と大量営業戦略でシェアを拡大し、業界順位は上位に食い込めなかった。さらに2008年以降の景気悪化により需要は急減し、2011年3月期には売上高が大きく落ち込んだ。成長産業である一方、景気変動の影響を強く受ける構造も明確となった。