重要な意思決定
20111月

三菱地所レジデンスを発足。ザ・パークハウスの展開開始

背景

藤和不動産の経営悪化を受けて三菱地所が資本参加から子会社化へ

三菱地所は住宅分譲事業の強化を目的に、2005年3月にマンション分譲の藤和不動産に資本参加した。藤和不動産は1972年に東京証券取引所に上場した企業であったが、2005年頃に業績が悪化し自己資本比率が5%台に低迷していた。三菱地所による出資は経営支援としての側面を持つとともに、住宅分譲事業の規模拡大という戦略的意図も含まれていた。

2008年のリーマンショックにより藤和不動産の業績と財務状況がさらに悪化した。2008年1月に藤和不動産が増資を実施し、三菱地所が引受先となることで同社を連結子会社化した。翌2009年4月には株式の100%を取得して完全子会社化し、藤和不動産は上場廃止となった。リーマンショックという外部環境の急変が、資本参加から完全子会社化への移行を加速させた。

決断

三菱地所レジデンスを設立し住宅分譲ブランドを統一

2011年1月に三菱地所は完全子会社として三菱地所レジデンスを設立した。藤和不動産・三菱地所の住宅事業・三菱地所リアルエステートサービスの住宅事業の3部門を新会社に集約し、住宅分譲事業の一元的な運営体制を構築した。分譲マンションのブランドとして「ザ・パークハウス」の展開を決定し、従来の「パークハウス」ブランドを継承・発展させる形でブランド価値の向上を図った。

ザ・パークハウスの1号物件として2011年7月に「ザ・パークハウス芝公園」(地上7階建)の販売が予定された。最寄駅は地下鉄日比谷線神谷町駅徒歩5分であり、予定販売価格は8000万円台中心に設定された。都心部を中心に展開することで職住近接のニーズに対応する方針が示され、三菱地所レジデンスは東京を中心とした都市部での分譲マンション事業を本格化させた。

結果

ザ・パークハウスが三菱地所の住宅分譲ブランドとして定着

2010年代を通じて三菱地所レジデンスはザ・パークハウスブランドによるマンション分譲事業を拡大した。都心部の立地を重視する戦略はマンション市場の価格上昇局面と合致し、ブランドの認知度と資産価値の両面で実績を積み上げた。三菱地所グループにおいてオフィス賃貸に次ぐ収益基盤として住宅分譲事業の存在感が高まった。

藤和不動産の買収から三菱地所レジデンスの設立に至る一連のプロセスは、業績不振企業への資本参加がリーマンショックを経て完全子会社化に発展し、最終的にブランド統一による事業再編に帰結した事例であった。三菱地所はオフィス賃貸の丸ノ内事業を中核としつつ、住宅分譲のザ・パークハウスを第二の事業基盤として確立する展開となった。