重要な意思決定
20186月

ファンタジースプリングスへの3,200億円投資を決定

背景

TDS開業から17年、大型投資の空白期間

東京ディズニーシーの開業から17年が経過し、パーク内のテーマポートは7つのまま大きな拡張が行われていなかった。入園料の値上げにより短期的な収益は確保できていたものの、テーマパークの競争力は新規投資の規模と頻度に依存する。世界のディズニーリゾートが次々と大型拡張を行う中、TDSの投資規模は相対的に見劣りし始めていた。

さらに、ディズニー社とのライセンス契約の更新時期が近づいていた。契約を超長期で延長するためには、TDRの長期的な発展ビジョンをディズニー社に示す必要があった。オリエンタルランドにとって、大型投資の決断はパークの鮮度維持と契約延長交渉の両方に関わる経営課題であった。

決断

3,200億円の投資とライセンス契約の2076年延長

2018年6月、オリエンタルランドはディズニー社とのライセンス契約を最長2076年まで延長した。同時に、TDSに8番目のテーマポート「ファンタジースプリングス」を建設する計画を発表した。総投資額は約3,200億円で、TDS開業時(約3,350億円)に次ぐ規模の開発となった。

ファンタジースプリングスは、ディズニー映画『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』の世界を再現する4つのアトラクション、飲食施設、および「ファンタジースプリングスホテル」で構成された。2019年5月に工事を開始し、約5年の工期で総開発面積約14万㎡の大規模開発に着手した。

結果

2024年開業、売上高・営業利益が過去最高を更新

2024年6月6日、ファンタジースプリングスが開業した。TDS開業以来最大の開発面積を持つ8番目のテーマポートであり、通年稼働時の連結売上高への押し上げ効果は年間約750億円と見込まれた。

ファンタジースプリングスの開業を含む2025年3月期の業績は、売上高6,794億円、営業利益1,721億円でいずれも過去最高を更新した。2076年までのライセンス延長により、オリエンタルランドは向こう50年以上にわたってディズニーブランドの独占運営権を保持する。3,200億円の投資と半世紀の契約延長を一体で決めたこの判断は、テーマパーク事業が「10年単位ではなく50年単位で設計するもの」であるというオリエンタルランドの経営観を端的に示している。