期限切れの中国産鶏肉問題が発生
原田体制末期の業績悪化と品質管理体制
2013年度に大幅減益に陥った日本マクドナルドは、原田泳幸CEOの退任が決まった2014年、さらなる打撃を受けることとなった。店舗売却益の一巡と高単価商品の不発により業績が悪化していたところに、食品の品質管理に関わる重大な問題が発覚した。日本マクドナルドの仕入先であった中国・上海福喜食品において、使用期限切れの鶏肉が出荷されていたことが明らかになった。
2014年7月、日本マクドナルドは期限切れの鶏肉を使用していたことを公表し謝罪した。上海福喜食品は米OSIグループの中国子会社であり、日本マクドナルドにとっては主要な鶏肉仕入先であった。サプライチェーンの上流で発生した品質不正は、日本マクドナルドの品質管理体制そのものに対する消費者の信頼を大きく毀損した。
信頼回復に向けた対応と経営体制の刷新
期限切れ鶏肉問題の発覚を受けて、日本マクドナルドは上海福喜食品との取引を即時停止し、鶏肉の調達先をタイ産に切り替える対応を実施した。また、食品安全に関する情報公開を強化し、原材料の産地やサプライヤー情報の開示を進めた。しかし、一度失われた消費者の信頼の回復には時間を要し、問題発覚後の既存店売上高は大幅な前年割れが続いた。
経営体制においては、2014年に原田泳幸氏がCEOを退任し、2015年にはカナダ出身のサラ・カサノバ氏が社長兼CEOに就任して経営を引き継いだ。原田氏は会長に就いたものの2015年に退任し、日本マクドナルドから離れた。プロ経営者による11年間の経営が終わり、再び米マクドナルド本社主導での経営体制刷新が行われた。
2期連続の最終赤字と米本社による株式売却の検討
品質問題の影響は業績に直接的な打撃を与えた。2014年度に日本マクドナルドは最終赤字218億円を計上し、続く2015年度も最終赤字349億円と、2期連続の赤字に転落した。原田体制末期の業績悪化に品質問題が重なり、日本マクドナルドは創業以来最大級の経営危機に直面した。
この惨状を受けて、2015年12月に筆頭株主の米マクドナルドは日本法人の株式売却を検討した。ファンドに対して最大33%の株式を約1000億円で売却する想定で打診したとされる。米本社が日本法人の持分売却を検討するに至ったことは、品質問題と業績悪化が単なる一時的な危機ではなく、日本マクドナルドの事業構造そのものに対する米本社の評価が変わったことを意味していた。