2000 年1月

ネットバブル崩壊・投資先の株式売却

歴史的意義
時価総額20兆円のピークから負債圧縮へと転じたバブル崩壊期の資産選別

ネットバブル期のソフトバンクの時価総額はYahooの含み益に依存しており、株価下落が即座に企業価値の毀損に直結する構造であった。バブル崩壊後の対応として、2年間で合計4000億円超の売却益を確保しつつ、Ziff-Davisや日本債券信用銀行など1990年代の投資資産を段階的に処分した点は、攻めの投資期から守りの資産整理期への切り替え速度を示している。

背景

Yahooの株価高騰で時価総額20兆円に到達したネットバブル期のソフトバンク

2000年2月、ソフトバンクの時価総額は約20兆円に到達した。この評価の源泉はYahoo関連の含み益であり、米Yahooの株式で約2兆円、日本法人のヤフーで約1.2兆円の含み益を保有していた。すなわち、ソフトバンクグループの時価総額の大半はYahooの株価高騰によって支えられた構造であった。1990年代後半のインターネットバブルにおいて、IT関連株への投資マネーが集中し、実態の収益力を大幅に上回る株価水準が形成されていた。

しかし、2000年3月以降、米ナスダック市場を起点としてIT関連株の急落が始まった。バブル崩壊に伴い、ソフトバンクが保有する上場株式の含み益は急速に縮小した。同時に、1990年代後半に積み上げた有利子負債(2001年9月時点で4875億円)の返済が経営課題として浮上し、負債圧縮のための資産売却が不可避となった。

決断

投資先株式の売却で2078億円の売却益を確保し、負債圧縮と事業再編を推進

ソフトバンクはバブル崩壊の中で、保有株式の選別売却に着手した。2000年3月期には米Yahoo! Inc.の株式一部売却(売却益363億円)、シスコシステムの株式売却(売却益308億円)、スカイパーフェクトコミュニケーションズの株式売却(売却益114億円)などを実行し、合計2078億円の有価証券売却益を計上した。2001年3月期にも同額の2078億円の売却益を確保した。

事業面では2000年4月にZiff-Davisの出版部門を売却し、1990年代に買収した事業資産の整理を進めた。2000年9月には日本債券信用銀行を507億円で買収したが、2002年には同行の株式を1006億円で売却している。また、2001年にはKey3Media Group株式の一部売却、ソフトバンクインベストメントの東証上場に伴う保有株式の一部売却など、資産の現金化を連発した。