ソフトバンクグループの直近の動向と展望
ソフトバンクグループの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。
セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。
直近の動向と展望
オープンAIとStargateへ傾く戦略ピボット
2024年以降のソフトバンクグループにおける最大のテーマは、生成AI革命の到来を経営の中核に据え直すという戦略的なピボットである。2025年4月、SBGは米オープンAIへの大型出資についてアンダーライトで400億米ドルを引き受け、そのうち100億米ドルを外部投資家へシンジケートして基本線は300億米ドルという規模の投資を決定した。後藤芳光最高財務責任者は決算説明会で、営利化を断念したのではなく非営利団体の下に事業推進できる子会社を作っていく方向性で合意していると説明し、オープンAIの組織再編を前提とした投資であることを示した。SBGの持株比率は約11%と、マイノリティ投資の位置づけを維持している。
2025年9月にはStargate Projectの具体像として、米国内5拠点で3年間4,000億米ドルという投資計画が公表され、SBGとオープンAIが直接関わるのはオハイオ州ローズタウンとテキサス州ミラム郡の2拠点と示された。後藤芳光最高財務責任者は、プロジェクト費用はプロジェクトファイナンスで調達するためSBGのエクイティ出資は限定的な水準にとどまると繰り返し説明し、投資規模の大きさに対する財務面でのリスクを市場に対して否定した。2026年2月の決算説明会ではオープンAI株式のすべてをSVF2へトランスファーしたことが公表され、ファンドを通じた投資へと整理する方針が示された。LTV25%以内の財務ポリシーは堅持されている。
- 決算説明会 FY25
- 決算説明会 FY26-Q2
- 決算説明会 FY26-Q3
- 日本経済新聞 2024/5/12
- 日本経済新聞 2025/7/16
- 日経クロステック 2024/6
- 日経ビジネス
半導体結集とロボHDが描くAI総合体への進化
AI投資の大型化と並行して、ソフトバンクは自社グループにおける半導体エンジニアの結集も進めている。2025年の第4四半期決算説明会では、Arm・Ampere・Graphcoreの3社合計で8,400人規模の半導体エンジニアを結集する構想が示された。AmpereはIntel出身のエンジニアを中心とする集団で、x86アーキテクチャのサーバーチップの開発経験を継承しており、GraphcoreはGPUおよびNPUアクセラレーターの開発で実績を積み上げてきた企業である。孫正義は2024年の株主総会で「人工超知能(ASI)が2035年までに実現する」(日経クロステック 2024/06)と述べ、2025年には自社グループで「10億のAIエージェントをつくる」(日本経済新聞 2025/07/16)方針を示した。これまでArmが本格的にカバーしていなかったGPUやMPU領域への能力拡張は、AI半導体という次の時代の競争の主戦場に対する応答を形作っている。
同時に、10年以上前から孫正義が個人的に執着してきたロボティクスの取り組みも、ロボットホールディングス(ロボHD)の設立によってグループ全体での事業化へと進展している。2026年2月の決算説明会において後藤芳光最高財務責任者は、当社は投資しないリスクのほうが遥かに大きいとの判断で行動していると述べ、2000年のネットバブルとの比較論を引き合いに出しつつも、AI革命の初期段階に投資する姿勢を打ち出した。孫正義自身は「AI革命に10兆円」(日本経済新聞 2024/05/12)を投じる構想を繰り返し表明しつつ「今の実績では恥ずかしい。焦っている」(日経ビジネス)と現状への飢餓感を語っており、オープンAI・Stargate・半導体・ロボティクスという四つの領域を連動させながら、投資持株会社からAI時代の総合インフラ事業体への進化を目指している。
- 決算説明会 FY25
- 決算説明会 FY26-Q2
- 決算説明会 FY26-Q3
- 日本経済新聞 2024/5/12
- 日本経済新聞 2025/7/16
- 日経クロステック 2024/6
- 日経ビジネス