重要な意思決定
事業構造改革・売場面積の拡大へ
背景
フリース一巡後の売上低迷と新規事業の全面不発
2000年から2001年にかけてのフリース旋風が一巡すると、ファーストリテイリングは売上高の低迷に直面した。フリースに続くヒット商品を生み出せず、新規事業としてシューズや野菜販売に参入したがいずれも不発に終わった。多角化の失敗により、ファーストリテイリングは本業であるユニクロの事業モデル自体を見直す必要に迫られた。
2005年にファーストリテイリングは「事業構造改革」を開始し、ユニクロの店舗フォーマットの再設計に着手した。従来は200坪を標準としていた売場面積のルールを撤廃し、大型店から小型店まで最適な売場面積を試行錯誤する方針に転換した。
決断
200坪ルール撤廃と大型店への転換
構造改革を通じて、売場面積の大型化が業績改善に有効であることが判明した。従来のベーシック商品中心の小型店に比べて、大型店では品揃えが豊富になることで来客層が拡大した。この発見は、ユニクロの商品力が売場面積に制約されていたことを意味した。2006年からファーストリテイリングはユニクロの店舗大型化を本格化し、2010年までに全店舗の売場面積の3分の1を大型店で構成する方針を策定した。
200坪ルールの撤廃は、ロードサイド時代の店舗フォーマットからの脱却を意味していた。大型店で品揃えを拡充する方向性は、のちのグローバル旗艦店(1000坪)やGU(別ブランドによる低価格帯カバー)への道筋を開くことになった。フリース後の迷走期を経て、ファーストリテイリングは本業回帰と店舗フォーマットの再設計という形で次の成長フェーズへの布石を打った。