重要な意思決定
KDDIと提携
背景
携帯キャリアとの提携によるモバイル事業の拡大構想
2005年1月、DeNAはKDDIとの事業提携を発表した。提携の骨子は、KDDI向けのコンテンツサービスとして「モバオク」を展開するために子会社「株式会社モバオク」を設立し、同社に対してKDDIが第三者割当増資により3億円を出資するというものであった。当時のモバイルコンテンツ市場では、携帯キャリアが公式メニューへの掲載権を握っており、キャリアとの関係構築はコンテンツ事業者にとって集客と収益の両面で決定的な意味を持っていた。
DeNAはモバオクの提供開始によってモバイル領域での事業基盤を築きつつあったが、コンテンツ事業者としてはキャリアのプラットフォーム上で安定的にサービスを供給できる体制を整える必要があった。KDDIはau向けサービスの拡充を進めており、オークション分野でのコンテンツ供給者を求めていた。両社の利害が合致する形で提携が実現した。
決断
子会社を介したOEM供給モデルの採用
DeNAはKDDIとの提携にあたり、子会社モバオクを通じてau向けにオークションサービスをOEM供給する形態を選択した。2006年にはau向けサービスの名称を「auオークション」に変更し、NTTドコモおよびソフトバンク向けには「モバオク」のブランドでサービスを継続した。子会社を介する構造はKDDIへの利益の一部移転を伴うものであったが、DeNAはキャリアとの安定的な取引関係を確保することを優先した。
この判断は、自社の利益率を一部犠牲にしてでも、携帯キャリアという流通チャネルを押さえる戦略であった。モバイルコンテンツ市場ではキャリアの公式メニューからの集客力が圧倒的であり、DeNAはKDDIとの関係を軸にモバイル領域での事業規模を拡大する体制を整えた。