2011 年5月

スマホシフトを宣言

歴史的意義
Cygames設立から純利益147億円までの4年間

スマホシフト宣言と同時にCygamesを設立し、『神撃のバハムート』が国内外でヒット。広告側ではAMoAdからアドテク本部新設へと内製投資を加速した。PC依存の広告代理モデルから、ゲーム×アドテクという二本柱への転換は2015年度に純利益147億円という過去最高益で結実する。後にCygames株式の一部売却で60.6億円を計上するなど、子会社育成が資本政策にも寄与した点は見逃せない。

背景

PC中心モデルの限界認識

2010年前後、インターネット利用は急速にスマートフォンへ移行し始めていた。サイバーエージェントは広告とブログを中心に成長してきたが、PC前提の事業構造では中長期的な競争優位を維持できない可能性が高まっていた。藤田晋は「技術のサイバーエージェント」を掲げ、エンジニアリング主導への転換を明確化した。

同時に、広告単体依存からの脱却も課題であった。人員拡大に比例する広告モデルではなく、プロダクト主導でスケールする事業が求められていた。スマートフォンの普及はゲームやアプリ市場の拡大を意味し、新たな収益源確立の機会と認識された。

決断

スマホ集中と組織再編

2011年5月、スマホシフトを宣言し、全社規模での組織改編を実行した。ゲーム事業子会社としてCygamesを設立し、スマホ向けゲーム開発を本格化。2011年9月に提供開始した「神撃のバハムート」は国内外でヒットし、Google PlayおよびApp Storeで上位を獲得した。

加えて、広告分野でもアドテクへの内製投資を開始。スマホ向けアドネットワーク「AMoAd」を皮切りに複数の運用ツールを開発し、2013年にはアドテク本部を新設した。プロダクト開発と広告技術を両輪とする体制へ移行し、スマホ中心の事業ポートフォリオへ再構築した。

結果

高収益事業の確立

スマホシフトの成果は業績に直結した。Cygamesはヒットタイトルを継続的に創出し、ゲーム事業は同社の収益柱へ成長した。広告分野でも運用型広告の拡大により収益構造が強化された。事業ポートフォリオはPC依存からスマホ主導へ転換した。

その結果、2015年度に純利益147億円と過去最高益を達成。スマホ集中戦略は単なる流行追随ではなく、技術主導企業への構造転換を意味した。2011年の宣言と組織改編は、サイバーエージェントが第二成長期へ移行する起点となった。