重要な意思決定
エンジニア採用を開始
背景
技術外注体制の限界露呈
アメーバブログは芸能人ブログの急拡大によりアクセスを伸ばしたが、夜間の集中アクセスによってサーバーダウンが頻発した。1日1500万PV、ピーク時毎秒6000クエリという高負荷に対し、外注中心の開発体制では迅速な改善が困難であった。PVが増えても広告収益が比例せず、技術的制約が成長の上限を規定していた。
加えて、Oracle中心の構成やRead/Write未分離、適切でないインデックス設計など、負荷分散を想定しないアーキテクチャが構造的問題となっていた。運用中サービスのDB改修は難易度が高く、技術を内製化しなければ根本解決できない状況に直面していた。
決断
エンジニア内製化へ転換
2006年5月、藤田晋は自らのブログでエンジニア自社採用の開始を宣言し、「6月末までに20名採用する」と明言した。外注依存から脱却し、改修スピードを高めるための内製化方針であった。オフィス改装、待遇改善、最終面接への社長同席など、採用強化策を実行した。
同年、佐藤真人が入社し、障害一次対応を通じて信頼を獲得。3年かけて負荷分散アーキテクチャを再構築した。OracleからMySQLへ移行し、静的資産の分離やインデックス最適化を実行。増大するアクセスに耐えうる基盤構築へと舵を切った。
結果
黒字化と技術文化定着
基盤改善は段階的に進み、2009年頃に安定稼働を実現した。アクセス集中時のダウンは大幅に減少し、PV拡大が収益へ転換可能な構造が整った。技術的制約が緩和されたことで、広告在庫の拡大と収益改善が同時に進行した。
2010年9月期にアメーバ事業は黒字化を達成。広告収入に加え課金モデルも確立し、高収益事業へ成長した。さらに、技術内製化の成功体験は全社へ波及し、エンジニアリング重視の文化が定着した。2006年の採用開始は、同社が技術企業へ転換する起点となった。