重要な意思決定
2013

ZOZOBASEを増設

背景

取扱高拡大と物流逼迫

2010年代前半、ZOZOTOWNはスマートフォン対応と著名ブランドの拡充により取扱高を拡大していた。出店ブランド数とSKUは増加を続け、受託販売モデルにおいては在庫保管・撮影・梱包・発送までを自社で担う構造が処理能力の上限に近づいていた。既存の習志野拠点では将来的な取扱高の増加に対応しきれない状況が顕在化していた。

さらに、ファッションECでは配送速度が顧客満足度と再購買率に直結する局面に入っていた。競合各社が物流投資を進めるなか、ZOZOも単なる在庫拡張ではなく、処理能力と配送スピードを同時に高める体制構築が必要となった。物流は裏方ではなく、ブランド価値を支える基盤機能として再定義される段階にあった。

決断

ZOZOBASE増設と大規模賃借

2013年、スタートトゥデイは習志野市において物流拠点を増設し、プロロジスパーク習志野4の約3万坪フロアを賃借することを決定した。年間賃借料は従来の約3億円から15億円規模へ拡大し、固定費負担を伴う投資であった。これは短期的な効率改善ではなく、将来取扱高の拡張を前提とした構造投資であった。

増設により在庫保管能力と同時処理件数を大幅に引き上げ、撮影・採寸・データ入力から出荷までを一体運営する体制を強化した。物流工程を高度化することで、単なるモール運営ではなく運営代行機能を含む付加価値型モデルを維持する基盤を整備した。

結果

即日配送開始と処理能力向上

新拠点稼働により、出荷件数の約35%を当日配送可能とする体制を構築した。これを受けて2014年3月、首都圏を対象とする即日配送サービスを開始。購入者が500円を支払うことで、午前9時までの注文は当日夜着、午後9時までの注文は翌日午前中着を実現した。

配送速度を選択可能とする仕組みは、ファッションECにおける利便性を引き上げる施策であった。物流増設は単なる設備拡張ではなく、サービス設計そのものを拡張する投資であり、取扱高1000億円突破に向けた処理能力の土台を形成する構造的な転換点となった。