ZOZOの直近の動向と展望
ZOZOの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。
セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。
直近の動向と展望
カテゴリー拡張が新しい成長軸を試される段階
2025年から2026年にかけて、ZOZOはラグジュアリー検索大手LYSTの買収と韓国ファッションプラットフォームMUSINSAの日本出店という二つの大型案件を通じて、カテゴリー拡張戦略を進めた。LYSTは買収当初の見込みを下回るラグジュアリー業界全体の低迷と、欧州から米国向けの個人配送に適用される関税率の見直しという外部環境の逆風を同時に受け、来期まで数億円規模の営業赤字が続く見通しを示さざるを得ない状況に追い込まれた。広告宣伝費の抑制で赤字額そのものは当初計画どおりの着地を目指す方針だが、成長ストーリーの再構築が短期の経営課題として前面に出てきた。
LYSTのチェックアウト機能の実装は2025年第2四半期の準備段階を経て、第3四半期からは実装済みのパートナー数を増やす段階に入った。MUSINSAはオープン当初の約140ブランドから2025年12月末時点では2015ブランドへ取扱規模が拡大したが、あくまで一ショップとしての扱いであり、全体の商品取扱高の成長率を押し上げるには至っていない。澤田社長は「MUSINSAの出店をきっかけに幅広いパートナーとの連携が容易になる仕組みが整った」(決算説明会 FY26-3Q 2026/1/30)と説明し、季節要因を受けにくいカテゴリーの拡充を軸に、新しい成長基盤の構築を長期の経営方針として掲げた。カテゴリー拡張は量的拡大よりも質的な再構築に寄せる段階に入っており、取扱ブランド増と併せて検索体験の精度向上が成長の鍵となる。
- 決算説明会 FY26-2Q
- 決算説明会 FY26-3Q
- LINEヤフー 2025/10
計画未達がAIと物流改革への転換を促す契機
2025年10月に開かれた第2四半期決算説明会の場で、澤田宏太郎社長は長夏による9月の消費意欲低下こそが受託販売の計画未達の主要因だと率直に説明した。ブランド各社が長夏を警戒して早期の値引きを控えた結果、7月の夏の本セールが例年と比べて勢いを欠き、9月にはすでに夏物を買い終えた既存ユーザーが多く、在庫はあっても需要が盛り上がらないという需給状況に陥った。2026年1月30日に開かれた第3四半期決算説明会では、11月のZOZOWEEKおよびブラックフライデーのセール期間に値引きが十分に進まず、冬の本セールまで在庫を持ち越す形となった経緯を、副社長兼CFOの栁澤孝旨氏らから投資家向けに説明した。
こうした構造変化への対応として、ZOZOは物流の効率化とAIエージェント活用という二つの領域で新しい取り組みを進めた。配送委託先との連携を深めて、マテハン機器の相互活用と輸送ルートの見直しを進め、2025年10月からは荷造運賃に関する経済条件を見直して物流コストの構造的な低減を図った。澤田社長は「リアル店舗の販売員が担ってきた役割をデジタル上で再現することを目指している」(LINEヤフー 2025/10)と語り、「毎朝AIエージェントに『今日は何を着ようか』と問いかけるような世界を実現できれば最終的には商品取扱高の拡大につながる」(決算説明会 FY26-2Q 2025/10/31)とAIを活用したトラフィック創出を次世代プラットフォーム戦略の中核に据える方針を対外的に示した。
- 決算説明会 FY26-2Q
- 決算説明会 FY26-3Q
- LINEヤフー 2025/10