ZOZOBASEを新設
物流内製化の必要性顕在化
2005年にユナイテッドアローズなど著名ブランドとの取引を開始したことで、ZOZOTOWNの取扱高は急速に拡大した。受託販売モデルにおいては、商品撮影・在庫保管・梱包・発送までを自社で担うため、物流処理能力そのものが競争力を左右する構造であった。当初は本社ビル内に在庫を保管していたが、ブランド数とSKUの増加により物理的な限界が顕在化した。
さらに、他社ECとの差別化要因は価格ではなく運営品質であり、迅速かつ正確な出荷体制を構築することが不可欠となった。高いテイクレートを維持するためにも、物流を単なる裏方機能ではなく、付加価値の源泉として磨き上げる必要があった。こうして、専用物流拠点の新設が経営課題として浮上する。
ZOZOBASEを習志野に新設
2006年、スタートトゥデイは千葉県習志野市に物流拠点「ZOZOBASE」を新設した。プロロジスからの賃貸による施設確保であり、延床約1000坪規模の専用倉庫であった。従来のオフィス内保管から本格的な物流施設へ移行することで、EC運営を支える基盤を整備した。
新拠点では、入荷後最短1日以内に商品撮影・採寸・データ入力・サイト掲載までを完了させる体制を構築。さらに、注文後最短3時間での出荷を可能とするオペレーションを整備した。物流を内製化し高速化することで、ファッション特化型ECとしての信頼性を高める戦略的投資であった。
物流強化がテイクレート上昇を支える
ZOZOBASEの新設により、在庫処理能力と出荷スピードは大幅に向上した。ブランド側にとっては、撮影・採寸・在庫管理・発送までを一括で担う高品質な物流体制が整い、単なる販売チャネルではなく「運営代行」に近い付加価値を提供できる構造が完成した。これにより、ブランドとの関係性はより密接なものとなる。
重要なのは、この物流強化がテイクレート上昇の根拠となった点である。受託販売手数料は2005年度約18%から、2011年度には約30%水準へ上昇したが、その背景には撮影・保管・発送を含む一体型オペレーションの高度化があった。物流を自社競争力の中核に据えたことで、高付加価値モデルを維持しながら収益性を引き上げる構造が確立された。