ユナイテッドアローズと取引開始
無名ECから信頼獲得へ
2004年にZOZOTOWNを開始したスタートトゥデイは、ファッション特化型ECとして世界観を打ち出していたものの、当時は業界内での知名度は限定的であった。ブランド側にとっては、自社の価値を損なわずに販売できるかが最大の論点であり、無名のECモールへの出店は慎重にならざるを得なかった。リアル店舗中心の業界において、ネット販売は補完的チャネルという位置付けであった。 一方で前澤友作氏は、単なる流通業者ではなくファッション理解を持つ経営者としてブランドと対話を重ねた。ECを価格競争の場ではなく、世界観を表現する売り場として設計する姿勢が徐々に評価される。こうした蓄積の延長線上で、2005年にユナイテッドアローズとの取引開始が現実味を帯びていった。
著名ブランドを誘致しモデル確立
2005年、ユナイテッドアローズがZOZOTOWNに出店。契約形態は受託販売であり、商品撮影、在庫保管、梱包、発送までをZOZO側が担う体制を構築した。単なるモール出店ではなく、物流とオペレーションを一体で引き受けるモデルであり、ブランド側は販売と企画に集中できる仕組みであった。 この取引は前澤氏と重松理氏のトップ同士の対話を通じて成立したとされる。ユナイテッドアローズの出店を契機にBEAMSやSHIPSも参加し、ZOZOTOWNは著名セレクトショップが並ぶ場として認知される。ブランドラインナップの充実が、サイト全体の信頼性を押し上げる効果をもたらした。
高テイクレートで独自性形成
2005年度時点のZOZOの受託販売手数料は推計約18%で、当時の一般的なEC水準を上回っていた。これは物流、撮影、在庫管理までを包括する付加価値型モデルであったためである。価格の安さではなく、売り場品質と運営力で収益を確保する構造を採用した。 その後、販促投資の拡大とともにテイクレートは上昇し、2011年度には約30%水準に到達する。著名ブランドの参画と高率手数料の両立により、ZOZOTOWNは「低価格EC」ではなく「高付加価値型ファッションプラットフォーム」としての位置付けを確立した。