重要な意思決定
20003月

債権放棄要請

背景

負債1兆円規模で利払いが営業収益を圧迫し自力再建が困難に陥った構造

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、そごうはバブル期の大型出店で積み上げた有利子負債を抱えたまま、売上減少と赤字の長期化に直面していた。不採算店の閉鎖や資産売却を進めたが、負債総額はなお1兆円規模に達し、利払い負担が営業収益を圧迫する構造が続いていた。

主力取引銀行は旧日本興業銀行(のちのみずほコーポレート銀行)であり、都市銀行団が再建協議の中心となっていた。しかし、再建計画に基づく収益改善は想定通りに進まず、金融支援なしでは資本構成の立て直しが困難な局面に至った。財務問題は個社の経営努力を超え、金融機関の判断に委ねられる段階へ移行していた。

決断

主要取引銀行団に対して総額6,390億円の債権放棄を要請した判断

2003年3月、そごうは主要取引銀行団に対し、総額6,390億円にのぼる債権放棄を要請した。これは国内流通業界でも例を見ない規模であり、金融機関側にとっても大きな損失処理を伴う決断であった。再建計画は債務圧縮を前提とする抜本策へと転換した。

メインバンクである旧日本興業銀行を軸に、三井住友銀行、UFJ銀行など主要行が協議に参加した。債権放棄は単なる資金繰り支援ではなく、金融主導による経営再編の出発点となった。そごうは自主再建から、金融機関管理下の再建フェーズへと移行した。