1981

第五次5カ年計画を策定

歴史的意義
売上1兆円の数値目標を掲げつつ財務管理を明示しなかった中期計画

第五次5カ年計画はグループ売上高1兆円という明確な数値目標を掲げ、新規出店と商品力強化を通じて規模拡大を図る設計であった。しかし巨額投資と長期回収を前提とする百貨店事業において、資本効率や財務体質をどう管理するかは計画上明示的ではなかった。売上高という単一指標を成長の物差しとした構造は、借入と出店を加速させる一方で財務規律を後回しにする伏線を内包していた。

背景

地方中核都市への大型店出店が続く中で規模拡大と財務の両立が課題に

1970年代後半にかけて、そごうは地方中核都市への大型店出店を進め、売上規模を拡大していた。高度経済成長を経て消費市場は成熟段階に入りつつあったが、百貨店業界では依然として店舗面積と売上高の拡大が競争力の源泉と認識されていた。出店を通じて商圏を押さえ、規模で優位に立つ戦略が採られていた。

一方で、新規出店には巨額の設備投資と長期資金が必要であり、財務負担は増大していた。別会社方式による現地法人設立などを活用しながら出店を進めていたが、資金調達と収益回収の時間軸には乖離があった。規模拡大と財務安定を両立させる経営管理が課題となっていた。

決断

グループ売上高1兆円の達成を主要目標に掲げた第五次5カ年計画の策定

1981年、そごうは昭和60年度を最終年度とする第五次5カ年計画を策定し、グループ売上高1兆円の達成を主要目標に掲げた。徳島店をはじめとする新規出店計画を織り込み、店舗網の拡充によって売上規模を一段と引き上げる方針を明確化した。

計画では、マーチャンダイジング面で海外商品の積極導入を進め、スポーツ・インテリア関連商品の強化を図るとされた。商品力の向上と店舗拡張を同時に進めることで、量と質の両面から成長を実現する構想であった。売上規模の拡大を軸に据えた中期経営計画であった。