日本製紙・住友商事・レンゴーの3社で戦略提携を締結(のちに解消)
王子製紙のTOBが引き起こした製紙業界の再編圧力
2006年、製紙業界では買収を通じた業界再編の可能性が浮上していた。同年7月に業界最大手の王子製紙が中堅の北越製紙に対してTOBを宣言し、規模の拡大による競争力強化を目指す動きが表面化した。この敵対的TOBは最終的に不成立に終わったものの、製紙業界における力学が変化しつつあることを市場に印象づけた。段ボール原紙を主力とするレンゴーにとっても、単独での事業継続が将来的に困難になるリスクが現実味を帯びる局面であった。
レンゴーは1999年に摂津板紙(セッツ)を合併した際に住友商事との関係を深めており、2000年には住友商事出身の大坪清氏を社長に迎えていた。こうした資本・人材面での結びつきを背景に、レンゴーは住友商事を仲介役として日本製紙との戦略的提携を模索し始めた。日本製紙は紙・パルプの大手であり、レンゴーの段ボール原紙事業との補完関係が見込まれた。業界再編の波に対して、3社が株式を持ち合う形での防衛的連携という構図が形成されていった。
3社の株式持ち合いによる戦略提携と経営統合の模索
2006年11月、レンゴー・日本製紙・住友商事の3社は戦略提携の締結を発表した。3社間で株式を持ち合うことにより資本面での連携を強化し、将来的にはレンゴーと日本製紙の経営統合の可能性を視野に入れた提携であった。買収防衛策としての側面に加え、原紙の調達・生産における規模の経済を追求する狙いがあった。2008年には一部報道で「レンゴーと日本製紙の経営統合」が報じられるなど、業界内外で提携の行方に注目が集まった。
しかし提携後の連携は期待どおりには進まなかった。両社の事業構造や企業文化の違いから具体的な統合施策の合意形成が難航し、2008年のリーマンショックによる景気悪化が追い打ちをかけた。需要の急減により両社とも足元の業績対応に追われ、統合に向けた議論を進める余裕を失った。2009年、レンゴーと日本製紙は戦略提携の解消を決定し、レンゴーは単独企業として段ボール市場の成熟・飽和に向き合う方針へと転換した。