1995 年11月

ホーキンスのTVCMを放映・木村拓哉を起用

歴史的意義
広告宣伝費40億円がブーム加速と需要枯渇を同時に招いた逆説

申告所得37億円の高収益を背景に木村拓哉を起用したTVCMに40億円を投下し、FY1996に売上高268億円を達成した。しかしテレビの大量露出はホーキンスの需要を短期間で消化し尽くし、ブーム一巡後の売上低迷を招いた。欧州への展開も失敗し清算に至ったこの経験は、単一ブランド依存の卸売業モデルの限界を顕在化させ、三木氏が小売業ABCマートへの業態転換を決断する伏線となった。

背景

年間利益37億円を背景としたテレビCMへの大型投資

ITCは1995年までにSPAの構築により年間利益(申告所得ベース)を37億円確保できるようになった。高収益体制が確立したことを受けて、1995年からホーキンスの認知拡大のために広告宣伝への積極投資を開始した。

当時のITCにとって、ホーキンスは日本国内における売上の柱であったが、知名度はまだ限定的であった。テレビCMによる全国的な認知拡大が実現すれば、卸売先の小売店での販売促進に加え、自社の小売業態ABCマートの集客力向上にも寄与すると見込まれた。

決断

木村拓哉を起用し広告宣伝費40億円を投下

1995年11月にSMAPの木村拓哉氏を起用してホーキンスのテレビCMの放映を開始した。大物タレントの起用により年間の広告宣伝費は40億円に達した。CM放映によるホーキンスの認知拡大の効果は大きく、FY1996のITCの売上高は268億円に達した。

しかし、テレビCMによる大量露出はホーキンスの需要を短期間で取り尽くす結果を招いた。CM放映終了後にブームが一巡し、1996年度以降のITCは利益率25%前後を維持したものの売上高は低迷基調に転じた。1998年にホーキンスの海外展開を目論んで欧州にG.T.HAWKINGS社を設置したが業績は軌道に乗らず、2001年に清算して特別損失3.6億円を計上した。