大株主オアシスが「A Better Hokuetsu」のキャンペーンを開始
投資ファンドが岸本社長の長期在任と収益性低迷を問題視
投資ファンドのオアシスは北越コーポレーションの株式を取得した上で、2021年10月から企業価値向上を目的とするキャンペーン「A Better Hokuetsu」を開始した。2008年から代表取締役を務める岸本社長の体制において株価および収益性が低迷していることを指摘し、岸本氏が代表に適任ではないと主張した。岸本氏は2006年の王子製紙によるTOB阻止の際に三菱商事との連携で経営基盤を固めた人物であり、その後16年以上にわたり経営トップの座にあった。
オアシスの主張は、長期在任の経営者が企業統治を形骸化させているという論点に集約された。2019年に三菱商事との提携を解消した後も岸本体制が継続したことで、筆頭株主の後ろ盾を失った状態での長期政権に対する外部株主の不満が蓄積されていた。オアシスはこうした統治上の空白を突く形でキャンペーンを展開した。
株主総会で岸本社長の解任を提案するも賛成38%で否決
2024年6月の株主総会において、オアシスは社外取締役の新任および岸本社長の解任を株主提案した。岸本社長の解任に関する議案(第5号議案)では賛成割合が38.17%となったが、過半数に達せず否決された。賛成票の内訳は、オアシスが保有する約18%に加え、大王製紙系の大王海運(北越コーポレーション株式9.97%保有)が同調して約28%を確保したものの、残りの賛成票は10%程度にとどまった。
大王海運がオアシスに同調した背景には、2012年以降の北越製紙と大王製紙の対立関係がある。再編を仕掛けられた大王製紙側が、北越コーポレーションの経営刷新を求めるオアシスの提案に賛成するという構図は、過去の資本関係の摩擦が株主総会の議決に反映されたことを意味する。否決されたとはいえ38%の賛成は経営陣に対する不信任の程度を示しており、統治上の課題は未解決のまま残された。