北越コーポレーションの直近の動向と展望
北越コーポレーションの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。
セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。
直近の動向と展望
大王製紙株式取得とオアシスのキャンペーン
2012年、北越製紙は大王製紙の株式22.3%を取得し、王子製紙・日本製紙に対抗する業界再編の第三極を自らの手で形成しようと構想した。しかし大王製紙の経営陣は統合に応じず、2015年には300億円規模の転換社債を発行することで北越製紙の持分比率を希薄化させる対抗策に出た。これに対する北越製紙の提訴は2020年に敗訴という結果で幕を閉じ、22.3%という大きな資本関係と、大王製紙の経営に対する実質的な影響力を持てない実態との乖離は、その後の年月を通じても解消されなかった。王子買収を退けるために三菱商事を招き入れた一手が、今度は第三極構想の追加の資本関係として大王製紙にも向けられた形だが、いずれも経営の自由度を広げる方向には働かず、むしろ硬直化の原因として固定化した。
2021年10月にはアクティビストのオアシスが「A Better Hokuetsu」と題するキャンペーンを開始し、岸本社長の長期にわたる在任と北越製紙の収益性の低迷を問題視する姿勢を強めた。岸本はオアシスの主張を「事実に基づかず」(日本経済新聞 2023/5/27)として反論し、2024年2月には大王製紙との提携について「合併超す成果出せる」(日刊工業新聞 2024/2/15)と強気の姿勢を崩さなかった。2024年6月の株主総会では岸本社長解任の議案に対する賛成比率が38.17%の高さに達した。大王製紙系の大王海運がオアシスの主張に同調した事実は、かつて業界再編を仕掛けた側であったはずの北越製紙が、被買収候補先の株主から経営刷新を迫られるという立場の逆転を示している。買収防衛のために招き入れた資本構造そのものが、20年の時を経て新たな対立の舞台と化している。
- 有価証券報告書
- 日本経済新聞 2023/5/27
- 日刊工業新聞 2024/2/15