重要な意思決定
2000

民事再生法の適用申請

背景

上場後も続いた拡大型モデルの歪み

靴のマルトミは1990年に名古屋証券取引所第2部へ上場し、「靴流通センター」を主力に全国展開を進めた。靴を中心に玩具、アパレル、バッグへと業態を広げ、1990年代半ばには1700店超の店舗網を構築し、1996年2月期には売上高約1717億円とピークを迎えた。成長を支えたのは、1987年導入のオーナーシステムによる出店拡大であった。

しかし1990年代に入ると、個人消費の低迷とディスカウントストアとの競争激化により収益性は低下した。大店法改正後は郊外型ショッピングセンターが台頭し、ロードサイド小型店を前提としたモデルは競争劣位に転じた。店舗数拡大を前提とした構造そのものが、環境変化に耐えられなくなっていた。

決断

再建策の反復と法的整理

マルトミは1990年代前半から不採算店舗の整理を進め、1994年から1995年にかけて180店を閉鎖した。1999年には経営改善計画を発表し、3年間で380店閉鎖による黒字化を目指したが、初年度に311店を閉鎖しても業績は改善せず、損失は拡大した。計画は度重ねて修正され、メーンバンクからの役員派遣や業態転換も試みられた。

しかし売上は急減し、信用不安が顕在化した。2000年12月、手形決済資金の確保が困難となり、自力再建を断念。民事再生手続開始を申請し、負債総額約761億円を抱えて事実上の倒産に至った。