重要な意思決定
米DE社を約687億円で買収
背景
塗料業界のグローバル再編本格化と日本ペイントの米国事業強化の意図
2017年に塗料業界ではグローバルな再編が本格化した。塗料そのものは差別化が困難な製品であることから、業界再編によって競合を減らし価格交渉力を強化する戦略が各社に共通していた。オランダのAkzo Nobel社が米国のAxalta Coating Systems社に買収を提案するなど、欧米を舞台とした大型再編が相次いだ。
日本ペイントはアジア事業の連結化により成長基盤を整えたものの、米国市場では存在感が乏しかった。米国は世界最大の塗料市場であり、グローバル展開を志向する日本ペイントにとって米国における事業基盤の構築は避けて通れない課題であった。1975年に米国現地法人を設立したものの成果は芳しくなく、改めて買収による参入を模索した。
決断
建築塗料で販路を持つDE社を687億円で買収するも業績は伸び悩み
日本ペイントは米国に本社を置くDunn-Edwards Corporation(DE社)に買収を提案した。DE社は1925年創業の老舗塗料メーカーであり、米国における建築用塗料の販路を有することが強みであった。日本ペイントはDE社を約687億円で買収し、米国市場への足がかりを確保した。
しかし買収後の米州事業の売上高は伸び悩んだ。NIPSEA事業では競合が未確立な市場に先行参入することで高い成長を実現してきたが、米国は大手塗料メーカーが確固たるシェアを持つ成熟市場であった。1975年の現地法人設立に続く2度目の米国進出においても成長軌道に乗せることができず、競合が確立された市場における日本ペイントの参入障壁の高さが改めて浮き彫りとなった。