上場企業の経営論点>資本市場・株主
持株会社化とグループ再編
純粋持株会社は、相手のある統合を成立させる装置として日本に根づいた。1997年の改正独占禁止法が解禁するまで、同業が一つになる道は合併しかなく、存続と消滅の序列が人事に残った。解禁後にまず動いたのは金融で、第一勧業・富士・興銀はみずほを設立し、東京海上と日動火災は国内初の上場保険持株会社ミレアを設けた。製造業では川崎製鉄と日本鋼管がJFEホールディングスの傘下へ並んだ。株式移転なら両社が同時に子会社となり、どちらが買われたのかを問わずに済む。2000年代には相手のいない再編へも転用され、セブン&アイ・ホールディングスは共同株式移転で親子上場を解消し、ソニーは事業ごとに子会社を置く形へ移った。統括機能だけが残る形に耐えかね、富士電機は9年で事業会社へ再統合した。対等を演出する作法として入った持株会社は、事業ごとに資本を出し入れする単位へ変わった。
財務諸表のどこを見るか
関係会社の状況を最初に開く。子会社の名称と議決権所有割合、そこに付された主要な事業の内容から、どの事業がどの法人に載ったかが分かる。次に提出会社単体の損益計算書を見る。純粋持株会社であれば売上高は関係会社からの経営管理料と受取配当金へ置き換わり、連結との差額が統括機能の費用として現れる。株式移転や会社分割は企業結合等関係の注記に共通支配下の取引として記載され、承継した資産・負債の内訳と資本剰余金の増減まで読める。セグメントの区分が子会社の区分と一致しているかも確かめたい。
2020年代
澁澤宏一登用と持株会社化 純粋持株会社体制への移行と、創業家以外からの社長選出 持株会社ムニノバへ移行 44年続いた「アイフル」上場銘柄の終焉と、純粋持株会社体制への移行 NTNとの経営統合 共同持株会社の設立という形をとった同業との一体化 日本精工との経営統合 軸受大手同士が共同持株会社の下に集まることによる単独経営の終幕 三菱ふそうとの経営統合 持株会社ARCHIONへの移行・上場廃止 ダイエー東西2分割 関東の事業を吸収分割で切り出し、近畿は光洋との合併で残した食品スーパーの再編 エディオンとの経営統合 経営統合による家電量販首位連合の形成 SHIP VISIONで厨房撤退 長期構想に沿ったグループの再編統合と、厨房業務の切り離し ウエルシアと経営統合 イオンの主導で進んだ大手2社の統合による業界地図の塗り替え ブルーゾーンHD設立 事業運営とグループ統括を分ける純粋持株会社体制への移行 住友商事によるTOB 公開買付けによる完全子会社化と東証プライム市場上場の廃止 ベイカレントに商号変更 持株会社体制への移行とテクノロジー事業会社の分離 国内製造子会社の吸収合併 生産機能の国内集約 昭和電工マテリアルズとの統合 レゾナックへの社名変更を伴う二社の一体化と経営基盤の再構築 5社再編でLINEヤフー発足 Zホールディングス・ヤフー・LINEなど5社を1社に統合し、持株会社体制を解消する 商号をSWCCに変更 純粋持株会社体制の解消と、旧社名を捨てた事業会社への回帰 TOPPANHDへ改称 創業123年で掲げてきた「凸版印刷」の看板を外す持株会社化 NTTドコモとの共同持株会社 設立と、マネックス証券の持分法適用会社化 メイテックグループHDへ改称 持株会社体制への移行と総還元性向100%を原則とする利益配分 円谷フィールズHDへ改称 持株会社体制への移行と、商号を改めたグループ再編 ブルーヨンダー買収し持株会社制 大型買収を機に事業ごとを独立させる「事業会社制」への組み替え 岡三オンライン証券の設立 ネット専業・16年後の岡三証券への吸収合併 AZ-COM丸和HDへ商号変更 純粋持株会社体制への移行による、事業会社と統括機能の切り分け NIPPON EXPRESS化 事業会社から持株会社体制への移行によるグループ統治の組み替え カーマ・ダイキら5社合併 ホームセンター事業会社5社の吸収合併によるDCM株式会社の発足と、店名の「DCM」への統一 持株会社化とマザーズ上場 新設した持株会社の下への事業会社の再配置と株式公開 吉田氏、持株会社へ移行 Purposeを軸に据え、祖業の商号を子会社へ渡してグループ本社に特化する フジを連結子会社化 中四国最大手との共同持株会社の設立による地域スーパーの再編 富士エレクトロニクス吸収合併 並立していた事業会社の統合と、一つの運営体制への一本化 セイコーエレベーター子会社化 地域保守会社の連続買収と吸収合併による全国保守網の構築 パワーグリッドとミライズへ分社 送配電・小売の分社化と持株会社体制への移行 東北電力ネットワークへ分社 発送電の法的分離を受けた送配電部門の切り出しと別会社化
2010年代
LINEとの経営統合 ヤフーの商号を捨て、株式交換でLINEを完全子会社に迎える 鉄道事業を東急電鉄に分社 商号の変更と、鉄軌道業を切り出した持株会社体制への移行 シーキューブ等3社子会社化 通信工事3社の同時子会社化とエクシオグループへの改称・再編 DACの完全子会社化 D.A.コンソーシアムホールディングスの公開買付けによる完全子会社化 関西みらいFG設立 関西みらいフィナンシャルグループの創設と完全子会社化による関西リテール基盤の集約 USENとの吸収合併 両社の経営統合を機とした持株会社体制への移行とグループ再編 丸亀製麺に次ぐ業態買収 持株会社への移行と、単一業態への依存からマルチブランド化への転換 フューチャーアーキテクト新設 持株会社化と機能別グループ経営への転換 常陽銀行との経営統合 株式交換の形をとった統合と、めぶきフィナンシャルグループへの商号変更 ユニーグループの吸収合併 サークルK・サンクスの自社ブランドへの一本化と店舗網の統合 第一生命HDへ改称 保険本業の事業子会社への移管と、持株会社によるグループの統括 不二製油グループ本社へ改称 純粋持株会社への移行と、事業会社との役割の切り分け 富士エレクトロニクスと経営統合 共同株式移転という対等な形での二社の統合と、新体制への移行 東日本ガスなど4社を株式交換 都市ガス子会社4社を株式交換で完全子会社化しグループの意思決定を一本化 ソニー系物流子会社の取得 持株会社への移行とのれん減損254億円と分社の再統合 ドワンゴとの経営統合 共同株式移転による持株会社の設立と対等統合の選択 アクリフーズ事件で持株会社解消 農薬混入事件への危機対応と、グループ6社を事業会社へ束ねる純粋持株会社体制の解消 アダストリアへの持株会社移行 複数ブランドを一つの傘に集めるマルチブランドSPAへの再編 東急リバブル等三社を非公開化 持株会社体制への移行と、東急コミュニティーを含む三社の一斉上場廃止 飯田グループホールディングス設立 パワービルダー6社が共同株式移転で1つの傘の下に入る統合 ANAホールディングスへ移行 持株会社体制への移行とマルチブランド体制の構築 角川書店ら9社を吸収合併 持株会社傘下の事業会社を吸収合併し1社に束ねる組織の一本化 北澤通宏の持株会社解消 純粋持株会社への移行と、9年後の事業会社への再統合 大阪証券取引所との統合 国内2大市場の経営統合による日本取引所グループの発足 BS日本統合と持株会社移行 認定放送持株会社への移行と、地上波事業会社の分割設立 中央三井と住友信託統合 両グループの経営統合による三井住友トラスト・ホールディングスの発足 ちばぎん証券を完全子会社化 株式交換による証券子会社の取り込みと、証券業務の内製化 セントラルケアスタッフを合併 父の建築会社の介護子会社2社の吸収合併と、サンウェルズへの商号変更・傘下入り 持株会社化と東証上場 公募・売出約2200億円を集めた、同業に大きく遅れての株式公開 佐藤英志氏を社長起用 公認会計士出身のトップ登用と、持株会社制への移行による統治の組み替え
2000年代
日本ミルクコミュニティと統合 分かれていた乳業二社を一つにした雪印メグミルクの発足 デオデオがミドリ電化吸収合併 事業会社を東西2社へ集約後に持株会社が吸収合併、純粋持株会社体制から単一運営体制への移行 テクモとの経営統合 スクウェア・エニックスの買収提案を拒んだ対等な統合の選択 メディパルHDへ移行 会社分割による医薬品卸事業の切り出しと純粋持株会社への移行 日本興亜損保との経営統合 NKSJホールディングス設立による持株会社体制への移行と、単独路線の放棄 あいおい・ニッセイ同和を子会社化 損保3社の統合によるMS&ADインシュアランスグループの結成 楽天の統合提案拒否 異業種からの経営関与を退けたうえでの認定放送持株会社への移行 ピープルスタッフと統合 経営統合の受け皿となる共同持株会社テンプホールディングスの設立 明治製菓・明治乳業の統合 菓子と乳の二本柱を一つの持株会社の下に置く体制への移行 伊勢丹と三越が経営統合 両社を束ねる持株会社の発足による百貨店同士の統合の完成 グローウェルホールディングス設立 ウエルシア関東と高田薬局の共同株式移転による持株会社の発足と東証二部上場 インテックとの経営統合 共同株式移転による持株会社ITホールディングスの設立 フジテレビジョン新設分割 認定放送持株会社体制への移行と、フジ・メディア・ホールディングスの発足 新日鉱と経営統合 新日本石油を母体とする共同持株会社JXホールディングスの設立 ビクター・ケンウッド統合 株式移転方式による対等な統合と、両社を束ねる持株会社の発足 西本博嗣の投資会社化 創業家2代目の動議による経営陣刷新 マルハとニチロの経営統合 水産大手2社の一体化と、持株会社体制での再出発 大丸と松坂屋が経営統合 両社を束ねる共同持株会社J.フロント リテイリングの設立 三菱樹脂の完全子会社化 株式交換による取り込みと、機能商品の持株会社直下への集約 三和ホールディングス発足 事業を子会社へ移す会社分割と、純粋持株会社体制への移行 親和銀行を完全子会社化 共同株式移転による持株会社の設立と、その傘下への複数地銀の集約 JSATとの経営統合 株式移転による衛星会社宇宙通信の子会社化 国際石油開発と帝国石油の統合 石油開発2社の一体化と、共同持ち株会社の設立 カーマなど3社が経営統合 共同株式移転によるDCM Japanホールディングスの設立 東証一部に上場 独立した不動産持株会社としての船出と、株式公開による資本市場入り 鈴木郷史の持株会社化 事業会社の上に器を置いたままの、東証一部への直接上場 持株会社制へ移行 5事業会社への分割と、原料を鉱石からリサイクルへ切り替える転換 イー・トレードの集約 傘下のネット証券と対面証券を一社に統合し、上場子会社を解消する ソフトバンクからの資本独立 資本の切り離しとSBIブランドの確立 ミドリ電化の完全子会社化 関西2位の同業を株式交換で取り込んだ全国2位連合の構築 浦野光人の持株会社移行 純粋持株会社体制への移行と五事業会社への再編 富士紡HDへ商号変更 持株会社化と研磨材事業への経営資源集中——中野光雄社長体制と中期経営計画「変身06-10」 セブン&アイHDを設立 3社共同株式移転による持株会社化と親子上場の解消 親会社NXCを買収 子会社が親会社の中核事業を逆に取り込む形での資本関係の組み替え 三菱ウェルファーマとの統合 共同株式移転による持株会社の設立と、化学・医薬の二本柱化 三共との経営統合 国内2社の対等な結合による第一三共の誕生と、単独路線の放棄 ニッポン放送の完全子会社化 ライブドアによる株買収に対抗しての、系列の要の囲い込み 日立古河建機を譲渡 建設機械事業からの撤退と、主要6事業の分社による体制再編 バンダイとナムコの統合 共同持株会社の発足と、両社を一体で束ねる経営体制への移行 持株会社制への移行 事業6社への会社分割 ピタットハウス等4社へ分社 会社分割による持株会社への移行と、建設・仲介・分譲・法人の事業別分社 サーベラス出資での再建 後藤高志氏の招聘と、持株会社体制への移行によるグループ再建 阪急ホールディングスへ移行 会社分割による全事業の新設会社への移管と、純粋持株会社体制への移行 住商エレクトロニクスとの合併 住友商事グループIT事業の一本化 駿河精機の取り込み 持株会社移行による流通専業からの転換 GMOグループ傘下入り 資本の傘を得たうえで進めた同業の決済代行2社の連続取得 サミーによるセガの株式取得 株式取得にとどまらない共同持株会社の設立と両社の一体化 日本電池・ユアサ統合 株式移転による経営統合と、高槻事業所の閉鎖・希望退職を伴う減産 T&DHDを設立 太陽生命・大同生命ほか生保3社の経営統合による持株会社体制への移行 3社統合でコムシスHD設立 3社の株式移転による持株会社体制への移行 大広・読売広告社と経営統合 三社を一つの共同持株会社の下に置く、博報堂DYホールディングスの設立 ニチメンと日商岩井が統合 株式移転による共同持株会社の設立と、2660億円の優先株発行 ヤマトスチールを設立 軌道用品・鉄鋼・重工加工品の各事業を分社し純粋持株会社へ移行 三事業一体での日本郵政公社発足 事業別の分割も株式会社化も先送りし、国の直営を独立採算の公社へ移した器の組み替え 西武百貨店と経営統合 かつての商売敵との統合による、ミレニアムリテイリング傘下入り 東北水力地熱の子会社化 東北インテリジェント通信を含む2社の傘下入れによるグループ事業の再編 タカラバイオ分社 持株会社化による酒類・バイオ二事業の分割 デオデオ・エイデンの株式移転 共同持株会社エディオンの設立と、三市場一部への上場 日鉱金属と持株会社設立 共同持株会社・新日鉱ホールディングスの傘下入りと、自社株式の上場廃止 川崎製鉄とNKKの統合 2002年に成立した日本鋼管との経営統合と、JFEホールディングスの発足 髙橋清の持株会社設立 3社共同の株式移転による事業会社の吸収合併によるグループ一体化 大和・あさひ銀行統合 二行の経営統合による新たな持株会社の誕生と、2002年の体制成立 日動火災との経営統合 国内初の上場保険持株会社ミレアホールディングスの設立 日本エアシステムと統合 同業大手との経営統合による国内事業基盤の再編 日清製粉グループ本社へ移行 全事業を分社して事業会社と切り離す、純粋持株会社体制への移行 新日本製鐵の事業譲受 本体エレクトロニクス・情報通信事業部の営業譲受によるIT機能の一社集約と、東証一部への上場 大正製薬との統合破談 共同持株会社の設立で合意しながら二か月半で至った白紙撤回 トステムとINAX統合 純粋持株会社を受け皿とした住宅設備・建材2社の一体化 中村邦夫氏「破壊と創造」 長年の事業部制の解体と、グループ5社を取り込む組織の作り替え セイコーウオッチの設立 持株会社体制への移行と、祖業であるウオッチ事業の切り出し 福島総合計算センターの子会社化 地域の計算センターの取り込みと、運用受託部門の切り出し フォワードビル合併 合併を通じた、旧富士銀系不動産の受け皿という立場への転回 エクソンモービル傘下に編入 ゼネラル石油と東燃の合併による東燃ゼネラル石油の発足 第一勧業・富士・興銀統合 3行が一つの傘の下に入り、2000年に成立した金融グループ「みずほ」 まぐクリックの上場 連結子会社を個別に上場させるグループ多重上場モデルの確立
1990年代
住友銀行との資本提携 証券業界初の純粋持株会社化 NTT東日本・西日本へ分社 民営化後も一体だった地域通信と長距離通信の切り分け SVA導入と本社50人化 本社50人化と持株会社型カンパニー制への移行 杉野興産から商号変更 旧ラウンドワンの吸収合併と、それに合わせた社名の刷新 瀬谷博道の疑似分社制導入 意思決定の遅さからの脱却を狙った事業単位への権限移譲 飯田亮依存を解く事業5分割 会長個人への経営依存を解くための、専任役員制の導入と権限の分散 商号をSANKYOに変更 三共産業を存続会社とする吸収合併にともなう社名の一新 テル管理サービスの転換 建物保守管理業務のグループ他社への移管と、外国製半導体販売への業態転換 伊藤忠オイルの営業権承継 グループ国内石油販売の一本化