この一社化を、単なる組織のスリム化という言葉に収めると、判断の芯を取り逃す。分権的な連邦制は、そもそも地方の有力店を対等の立場で迎え入れるための売りとして設計されていた。ところがギガスもビックカメラも去り、招くべき相手が現れないまま、間接部門の重複だけが2006年3月期に販管費比率21%という費用となって残った。久保允誉社長が踏み切ったのは、他社の受け入れ先として保ってきた分権体制を、迎える相手がいないと見極めたうえで自ら廃止する作業であったとみられる。
もっとも、一社化がただちに会社を強くしたわけではない。単一運営体制へ移行した直後の家電市場は特需の反動で縮み、2013年3月期の連結は最終損益が赤字へ沈んだ。統合の効果が利益として表れるには、その後の垂直統合による立て直しを待たねばならなかった。それでも、対等に寄り合う連合体から指揮系統の通った一つの会社へ組み替えた作業は、後年のグループ再編や資本提携を親会社が主導して進める前提を用意したといえる。規模を拡大する前に、広げた規模を一つに統合する順序が要ることを、この再編は示している。