レゾナックHD昭和電工と昭和電工マテリアルズの統合・レゾナック発足

時期 2022年3月
概要
2023年1月1日、昭和電工と完全子会社の昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が統合し、持株会社レゾナック・ホールディングス(証券コード4004)と事業会社レゾナックが発足した案件。半導体後工程材料で世界級の機能性化学メーカーが誕生した。
背景
日立製作所が『選択と集中』で上場子会社を整理し、御三家の一角だった日立化成を売却。汎用素材の市況変動に収益を左右されてきた昭和電工は、半導体・電子材料など高機能材料への事業転換を急いでいた。
内容
昭和電工が2019年に日立化成へTOBを実施し約9,640億円で完全子会社化(昭和電工マテリアルズへ改称)。2023年に持株会社体制へ移行し、両社事業を事業会社レゾナックへ統合、グループ名をレゾナックへ刷新した。
含意
『小が大を飲む』買収を起点とした統合で、グループは発足を『第2の創業』と位置づけた。新会社売上高は約1兆3,000億円、うち半導体・電子材料が約4,000億円を占め、後工程材料でグローバルトップを掲げた。
筆者の見解

「買収」から「統合」へ、そして事業転換へ

レゾナックの発足は、汎用素材メーカーが市況依存の体質から抜け出し、半導体材料という成長領域へ軸足を移そうとした事業転換の象徴とみることができる。起点となった日立化成の買収は、自社より大きな相手を取り込む『小が大を飲む』案件であり、巨額ののれんを抱える賭けでもあった。買収それ自体が目的ではなく、買った事業を自社の素材技術とどう一体化し、後工程材料の世界トップという具体的な像へ結実させられるかが、統合の成否を分ける論点であったといえる。社名の刷新は、その覚悟を内外に示す装置として機能した面があるだろう。

一方で、買収から完全子会社化、持株会社体制への移行、そして社名変更へと続く三年余りの段取りは、統合が一度の合意で完結するものではないことを物語る。完全子会社化で資本関係を固めたうえで、時間をかけて組織と事業を一つにまとめていく漸進的な進め方は、対等合併が主導権争いに陥りやすい統合とは対照的である。もっとも、のれん償却や市況の逆風という現実の重しは残り、半導体材料への選択と集中という戦略が本当に果実を生むかは、発足後の業績で問われ続ける。『第2の創業』と銘打った統合の真価は、社名ではなく事業の成果で測られていくのだろう。

Yutaka Sugiura

出典・参考

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