カーマ・ダイキら5社合併(2021年・DCMHDの決断)

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5社の吸収合併によるDCM株式会社の発足と店名の統一2021年3月1日、DCMホールディングスはホームセンター事業を承継させた分割準備会社を存続会社とし、DCMカーマ・DCMダイキ・DCMホーマック・DCMサンワ・DCMくろがねやの5社を吸収合併し、DCM株式会社が発足した。

何をなぜ決めたか:5社の吸収合併によるDCM株式会社の発足と店名の統一

概要

2021年3月1日、DCMホールディングスはホームセンター事業を承継させた分割準備会社を存続会社とし、DCMカーマ・DCMダイキ・DCMホーマック・DCMサンワ・DCMくろがねやの5社を吸収合併し、DCM株式会社が発足した。

掲げた目的は、経営面(戦略的意思決定)と執行面(地域・店舗・商品等の戦略)をより明確に分け、法人格を統一してホームセンター事業全体の戦略に関する意思決定を速めることである。合併直前の663店の内訳は、カーマ168・ダイキ154・ホーマック300・サンワ19・くろがねや22であった。

背景

2015年にサンワドー、2016年にくろがねやを株式交換で迎えて事業会社は5社になり、規模も収益力も屋号もそろわないまま並んでいた。既存店売上高は2018年2月期上期に5.1%減、2020年2月期上期に2.9%減と減少していた。

内容

店舗業務システムを2019年9月に完全統一し、事業会社間で店舗運営部長・エリアマネージャー・店長を入れ替える実験と人事制度の仮貼り付けを済ませたうえで、2020年4月10日の取締役会で吸収分割を決議し、同日契約を締結、5月28日の株主総会で承認を得た。

手順は二段である。持株会社が営むホームセンター事業を吸収分割で分割準備会社へ承継させ、同じ2021年3月1日に同社が事業会社5社を吸収合併した。分割に際して持株会社への株式その他の財産の交付はなく、承継する債務はすべて重畳的債務引受の方法によった。共通支配下の取引として会計処理したため、のれんは発生していない。

含意

法人格の統一は、システム・店舗運営・人事をそろえ終えた後に置かれた最後の手続きであった。新会社は東日本・中日本・西日本の3販売統括部と管理本部・商品本部・販売本部に組み替えられ、機能子会社のホーマックニコットはDCMニコットへ改称した。

店舗数は合併直前の663店から合併期末の669店とほとんど動かず、就業人員も4,059人から4,025人にとどまった。店名の"DCM"への統一は合併から1年後の2022年3月に公表され、看板の掛け替えにさらに2年を見込んだ。

いつ何が起きたか7件
筆者考察
考察

考察:合併の日には、変えるものが残っていなかった

久田宗弘社長が2019年10月の説明会で挙げたのは、店舗運営部長・エリアマネージャー・店長を事業会社の間で入れ替えても、すでに支障なく店舗を運営できるという確認であった。合併の1年5カ月前に、店舗業務システムも店舗運営の手順も人事制度もそろえ終えていた。2021年3月1日に行われたのは、その下ごしらえを登記が追認する手続きに近い。中身を変え終えた後に法人格が追いつく、という順序であった。

ただ、統合が既存店の売上を戻したわけではない。2018年2月期上期の5.1%減、2020年2月期上期の2.9%減という減少は、法人格をそろえても解けない問題であり、利益を支えたのはPB構成比を16.8%から22.1%へ引き上げた粗利の改善であった。店名の統一に至っては合併の1年後に発表され、看板の掛け替えにさらに2年を見込んでいる。一つの会社になることと、一つの店に見えることの間には、なお隔たりが残っていた。

Yutaka Sugiura, 2026年7月

数字で見る

DCMHD:店舗数の推移

DCMHD:店舗数の推移

店舗数(店)
DCMHD:店舗数の推移
(店)店舗数備考
2017年2月期656
2018年2月期669
2019年2月期671
2020年2月期673DCMカーマ167・ダイキ155・ホーマック297・サンワ32・くろがねや22
2021年2月期663合併直前期。新規出店11・退店11のほかカー用品店10店舗を譲渡
2022年2月期669期首の2021年3月1日に5社が合併しDCM株式会社が発足。1社体制の初年度
2023年2月期675
2024年2月期8402022年12月に子会社化したケーヨーが連結に加わる
2025年2月期843
2026年2月期918
出所:DCMホールディングス 有価証券報告書 第11〜20期(業績等の概要)
出所:DCMホールディングス 有価証券報告書 第11〜20期(業績等の概要)
DCMHD:従業員数の推移

DCMHD:従業員数の推移

就業人員(人)臨時雇用者(人)
DCMHD:従業員数の推移
(人)就業人員臨時雇用者備考
2017年2月期4,43311,411
2018年2月期4,34311,566
2019年2月期4,33111,472
2020年2月期4,24811,172
2021年2月期4,05911,091
2022年2月期4,02510,8575社を1社に合併した初年度。就業人員の減少は34人にとどまる
2023年2月期4,10210,717
2024年2月期4,95512,238ケーヨーの連結による増加を含む
2025年2月期4,64611,739
2026年2月期4,98212,521
出所:DCMホールディングス 有価証券報告書 第11〜20期(従業員の状況)
出所:DCMホールディングス 有価証券報告書 第11〜20期(従業員の状況)
DCMHD:のれんと無形固定資産の推移

DCMHD:のれんと無形固定資産の推移

のれん(百万円)のれん以外の無形固定資産(百万円)
DCMHD:のれんと無形固定資産の推移
(百万円)のれん無形固定資産総資産備考
2017年2月期1,98912,351393,261
2018年2月期1,61512,726403,136
2019年2月期1,32013,233415,684
2020年2月期1,02512,725434,733
2021年2月期73012,326490,849
2022年2月期48813,306449,151共通支配下の取引のため合併によるのれんはなく、既存分の償却だけが進んだ
2023年2月期20,38233,650515,9552022年12月のケーヨー子会社化でのれんが増加
2024年2月期45,15557,222622,734
2025年2月期42,68555,103647,936
2026年2月期50,86664,060670,854
出所:DCMホールディングス 有価証券報告書 第11〜20期(連結貸借対照表)
出所:DCMホールディングス 有価証券報告書 第11〜20期(連結貸借対照表)
会社分割と合併の条件

会社分割と合併の条件

会社分割と合併の条件
科目概要備考
目的法人格の統一による意思決定の迅速化経営面(戦略的意思決定)と執行面(地域・店舗・商品等の戦略)を明確に分ける
分割会社DCMホールディングス株式会社対象事業はホームセンター事業。資本金11,939百万円、総資産334,085百万円
承継会社DCM株式会社2020年4月1日に設立したDCM分割準備株式会社が2021年3月1日付で商号変更
会社分割の法的形式吸収分割分割に際して分割会社への株式その他の財産の交付はない
承継する権利義務ホームセンター事業に関して有する権利義務承継する債務はすべて重畳的債務引受の方法による
存続会社DCM株式会社設立時の資本金は100百万円。分割前は事業を行っていない
消滅会社DCMカーマ・ダイキ・ホーマック・サンワ・くろがねや5社ともホームセンター事業。社名はいずれも「DCM」を冠する
企業結合の法的形式吸収合併DCM株式会社を存続会社とし、事業会社5社を消滅会社とする
企業結合日2021年3月1日会社分割と5社の吸収合併の効力発生日は同じ
決議と承認取締役会2020年4月10日、株主総会2020年5月28日取締役会の決議と同日に吸収分割契約を締結
会計処理共通支配下の取引企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号)に基づく。のれんは発生しない
合併直前の店舗数663店(2021年2月末)カーマ168・ダイキ154・ホーマック300・サンワ19・くろがねや22
出所:DCMホールディングス 有価証券報告書 第16期(2022年2月期)【企業結合等関係】・第15期(2021年2月期)・第14期(2020年2月期)【重要な後発事象】
出所:DCMホールディングス 有価証券報告書 第16期(2022年2月期)【企業結合等関係】・第15期(2021年2月期)・第14期(2020年2月期)【重要な後発事象】
当時の取締役10名

取締役10名(2021年5月株主総会決議)

区分役員名役職
取締役業務執行担当領域
業務執行兼務久田宗弘取締役:取締役業務執行:会長担当:
石黒靖規取締役:代表取締役業務執行:社長・CEO担当:DCM株式会社代表取締役社長
熊谷寿人金融取締役:監査等委員・常勤業務執行:担当:
清水敏光取締役:取締役業務執行:執行役員担当:エクスプライス事業管掌、エクスプライス株式会社代表取締役社長
大亀裕取締役:取締役業務執行:担当:
醍醐茂夫取締役:取締役業務執行:担当:
中川真行取締役:取締役業務執行:執行役員担当:内部統制、経営戦略・広報管掌
本田桂三取締役:取締役業務執行:執行役員担当:ホダカ事業管掌、ホダカ株式会社代表取締役社長
独立役員宇野直樹金融取締役:監査等委員業務執行:担当:
増川道夫金融取締役:監査等委員業務執行:担当:
この一覧は2021年5月の定時株主総会の直後に提出された有価証券報告書の【役員の状況】による。
参考文献

参考文献

参考

  • DCMホールディングス 有価証券報告書「第16期(2022年2月期)【企業結合等関係】」
  • DCMホールディングス 有価証券報告書「第15期(2021年2月期)【重要な後発事象】」
  • DCMホールディングス 有価証券報告書「第14期(2020年2月期)【重要な後発事象】」
  • DCMホールディングス 決算説明会資料「2021年2月期決算説明会」
  • DCM株式会社 適時開示「店舗ロゴマークの変更、店名統一について」
  • DCMホールディングス 有価証券報告書「第11〜20期(2017年2月期〜2026年2月期)」

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